日中言語文化
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最新号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
  • 声母と声調の表記及び修正案の総括
    李 偉
    2024 年 17 巻 p. 1-23
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/02/22
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は、声母の表記と声調の表記に関するこれまでの先行研究を振り返り、「方案」の声母の表記の合理性を論じ、声調の表記の優劣を考察して、「方案」の声母と声調の表記の現状維持を主張する。また、このシリーズ研究を締めくくる。「方案」の問題点について、字母oを取り立てる必要性、字母y,wの使用によってもたらされた混乱、iou,uei,uenの省略規則による発音上と声調表記上の問題üの表記によるキーボード入力の問題、介音の位置付けの問題、音節構造分析の問題及び関連のあるピンイン正書法の問題、声母j,q,x,zh,ch,sh表記の問題、声調表記の問題などにまとめられる。これらの問題について①字母o,y,wの廃止②iou,uei,uenに関する省略規則の廃止③字母üの表記をvに変更する④音節構造の三分法⑤音節分かち書きによるピンイン正書法などを考案し、「方案」の修正案を提言する。65年間実施された「方案」における問題を包括的に解決する時期が到来しおり、筆者の修正案は、今後の中国小学校国語と「国際中文」におけるピンイン教授に寄与できることを願う。
  • 崔 雲忠, 郭 雪潔
    2024 年 17 巻 p. 25-31
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/02/22
    ジャーナル オープンアクセス
    this research will verify the prepositions from pre-Qin dunasty to Wei Jin South and North dynasty, and abstract the tendency and characteristics of replacement of preposition system from Pre-Qin dynasty to Wei Jin South and North dynasty. There are 69 prepostions in Pre-Qin Chinese, and there are 89 prepositions in East and West Han Chinese, in which 47 were followed from pre-Qin Chinese, and 42 emerged in this time. There are 98 prepositions in Wei Jin South and North Chinese, in which 37 were followed from Pre-Qin Chinese, 28 of them was from the new prepositions emerged in East and West Han Chinese, and 33 of them were the new members in Wei Jin South and North dynasty.
  • 崔 雲忠, 郭 雪潔
    2024 年 17 巻 p. 33-39
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/02/22
    ジャーナル オープンアクセス
    this research will verify the prepositions from pre-Qin dunasty to Wei Jin South and North dynasty, and abstract the tendency and characteristics of replacement of preposition system from Pre-Qin dynasty to Wei Jin South and North dynasty. There are 69 prepostions in Pre-Qin Chinese, and there are 89 prepositions in East and West Han Chinese, in which 47 were followed from pre-Qin Chinese, and 42 emerged in this time. There are 98 prepositions in Wei Jin South and North Chinese, in which 37 were followed from Pre-Qin Chinese, 28 of them was from the new prepositions emerged in East and West Han Chinese, and 33 of them were the new members in Wei Jin South and North dynasty.
  • 唐 磊
    2024 年 17 巻 p. 41-52
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/02/22
    ジャーナル オープンアクセス
    This study aims to generate medical language that is easy to understand and evaluates the feedback of GPT-4 on various tasks. Based on existing research, firstly, tests were conducted on simple and specific text generation instructions. GPT-4's feedback generally met the requirements, but the repetition rate of metaphor generation was relatively high. Subsequently, text templates were provided for GPT-4 and tests were conducted on imitation instructions. In response to imitation instructions, GPT-4's feedback generally met the requirements and generated ideal text for some content. However, it was found that some information generation was incorrect, and the stability of multilingual tasks was insufficient. In addition, this study believes that metaphor generation tasks may have certain value in assessing the language capabilities of artificial intelligence.
  • 鄭 新爽
    2024 年 17 巻 p. 55-61
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/02/25
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿の研究では、主に中国語の一部の上下の時間表現を研究対象にし、背後の認知モデルを明確にする。具体的に、上下の時間表現の背後の認知モデルに対し、主流の時間メタファー説と異なり、この認知モデルは上下の書字体系から、認知主体の主体化と希薄化という二つの認知プロセスを経て上から下までの順序認識のものであると提案する。特に、順序認識と時間認識を区別する必要があると主張する。つまり、前者は時間性なしの純粋な空間上の位置関係を認識する際に用いられる順序認識に付随して生まれた順序用法が順序的時間関係を表すことであり、後者は出来事を時間軸に沿って認識する際に付随する順序認識によって生まれた順序用法は時間的順序関係を表すことである。さらに、中国語の母語話者に対し、上下の書字体系と時間認知モデルの方向が一致するかどうかについて、心理実験を行う。
  • 協同学習による初級中国語文法の総合応用を例に
    馬 叢慧, 賀 南
    2024 年 17 巻 p. 63-82
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/01/22
    ジャーナル オープンアクセス
    中国語の時間量補語、動作量補語に関しては、完了・実現を表す「了」と一緒に使うときの文中での語順、離合詞に関わる語順変化について、中国語学習者は間違いやすく、また、語順も母国語と大きく異なるため、学習目標を達成することが難しいとされる。本稿は、従来の教員主導の講義形式に加えて、教室活動として言語学習ゲームを導入した例を取り上げ、参加者の活動事例や活動後の参加者によるアンケート調査を分析することで、言語学習ゲーム導入とその効果を検証し、本取組の意義及び有用性を示すことで中国語教育活動に寄与することを目指すものである。
  • 路 雅婷, 劉 暁華
    2024 年 17 巻 p. 83-93
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/02/22
    ジャーナル オープンアクセス
    This study used the discourse-oriented narrative analysis to approach the classroom narratives of three JFL intensive reading teachers, in order to investigate their pedagogical content knowledge(PCK). Data analysis showed that in the dimension of contents of teaching, teachers' PCK is reflected in the use of classroom narratives to provide comprehensible input and language demonstration for students, and guide students to establish correct concepts; In the dimension of instructional methods, the teacher's PCK is manifested in emphasizing the teaching focal points and giving examples to illustrate abstract concepts with the help of classroom narratives; In the dimension of students, teachers' PCK is reflected in establishing harmonious teacher-student relationship through classroom narratives. Among them, providing language demonstration is the common feature of foreign language teachers' PCK, while leading thoughts is the unique feature of teachers' PCK in the context of foreign language education in China.
  • 動物の成語を対象として
    林 楽青, 蒋 新池
    2024 年 17 巻 p. 95-102
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/02/23
    ジャーナル オープンアクセス
    国際文化交流がますます活発化する中で、テレビドラマは異文化コミュニケーションを促進する上で重要な役割を 果たしている。中国のテレビドラマが海外に展開される過程において、字幕翻訳は異文化の壁を打ち破り、外国の視聴者に物語の内容を伝え、中華の伝統文化を広める上で重要な意義を有している。中国ドラマの台詞において、成語は中国独自の古典的な表現の一種であり、字幕翻訳における大きな課題となっている。特に動物の成語は、比喩や誇張などの修辞法が頻繁に使用され、特定の文化的背景に基づく表現が含まれるため、その翻訳には注意が必要である。しかし、動物の成語に関する既存の研究は主に文学作品といったテクスト翻訳に焦点を当てており、字幕翻訳についての研究は限られている。そのため、本研究ではテレビドラマ『三国志演義』における動物の成語の翻訳方法を検討し、今後の成語の字幕翻訳に対する示唆を提供することを目的としている。
  • 崔 小萍
    2024 年 17 巻 p. 103-117
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/02/22
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は中国漫画を日本の市場向けにローカライズが行われる際に、課題となるオノマトペの翻訳について研究を行い、中国漫画で使用されたオノマトペ関連表現と、その日本語訳の処理法を指摘するものである。対象6作品に対して調査を行い、中国語のオノマトペ関連表現を通用型、限定型、描き短文の3つに分類した。また、中国漫画のオノマトペ関連表現の日本語訳は対等処理法と収縮処理法の2つに、さらに拡張処理法の仮説を指摘した。これらの処理法は、翻訳者の存在感が弱められ、中国語の異質性も抹消されるが、いずれも中国漫画が日本市場で受容されることを優先して行われる方法である。
  • 翻訳文体と翻訳理論との関係を中心に
    孟 偉
    2024 年 17 巻 p. 119-129
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/02/22
    ジャーナル オープンアクセス
    日本近代学者の中国戯曲翻訳文体は国訳、歌訳、口語訳がある。国訳では、常に解題、注釈等の方法で行き届けないところを補充する。その結果、翻訳は紹介の域から抜き出し、単語の意味や出典等に深く分け入って探求することになった。歌訳は原文の韻と調を反映することができる、その特徴は「戯曲の翻訳は戯曲である」。しかしながら、形式のみを注意する歌訳は「中国の馨香」が失ってしまう欠点もある為、学者達は「知人论世」、「温故知新」や「老於本国之文学」という理論を用いて翻訳を指導する。口語訳は「訓詁学」を基礎とすることを強調し、忠実的に原文の語る事や作者の心を確実な言で再生すべきであると主張する為、やがて、「言、事、心」三位一体の翻訳理論まで生み出された。概して、翻訳文体の変化に従って、翻訳の形態も変わり、最終的に翻訳理論が形成され、そして、翻訳文体と理論は戯曲翻訳の質と研究の深さに影響を与える。
  • 陳 雲哲, 張 錦, 王 琪
    2024 年 17 巻 p. 131-137
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/02/23
    ジャーナル オープンアクセス
    日本の作家の芥川龍之介は生涯にわたって、唯一の中国旅行をして、数多くの中国関連作品を創作した。その中国 旅行は古典の浪漫への追求と現実の俗悪への批判があり、そのすべてが芥川の個人体験における中国文化へのステレオタイプから来たものであり、それは、芥川の独特な中国観と作風を築き上げたのである。
  • 唐詩と和歌を中心に
    韓 春紅, 阿部 吉友, 劉 翌婷
    2024 年 17 巻 p. 139-152
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/02/25
    ジャーナル オープンアクセス
    「紅葉」の吟詠は中日古典詩歌の重要なテーマの一つであり、唐詩においても和歌においても、「紅葉」が題材とし て多く詠まれている。これらの詩歌の解読を通じて、中日古典詩歌における「紅葉」の心象表現を検討した。本論文においては、まず、「紅葉」と組み合わせる語彙を解明し、それぞれ自然物及び色彩との組み合わせから「苔」と「錦」を選別して本研究のキーワードとした。「紅葉」と「苔」の組み合わせは、和歌においては稀な表現であるが、唐詩においては一定の使用率に達しており、主題を浮き出させ、景物描写によって「詩言志」の主旨を達成する役割を果たしている。一方、「紅葉」と「錦」の組み合わせは、「錦」自体は中国の文章からの影響を受けているものの、この組み合わせは日本独自の表現であり、「紅葉」を「錦」に喩える「紅葉の錦」という和歌特有の表現によって、独自の風格が形成され、秋の美しさを賛美するという主題も際立たせている。
  • 宋 婷, 張 荊晶
    2024 年 17 巻 p. 153-169
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/02/22
    ジャーナル オープンアクセス
    アメリカ生まれ、ユダヤ系の日本文学者、翻訳者、学者であるリービ英雄(Ian Hideo Levy)は、1987年の雑誌『群像』に掲載された『星条旗の聞こえない部屋』を持ち、1992年の日本第十四回野間文芸新人賞を受賞し、日本文壇で一躍有名になった。日本では『星条旗の聞こえない部屋』に関する先行研究は主に「ことば」のモチーフ、視聴の感覚、権力関係という三つの方向に焦点を当てられているが、空間と主人公のアイデンティティ構築との関連性の観点からの研究はまだ十分とは言えない。従って、本稿は『星条旗の聞こえない部屋』における空間に着眼し、その空間描写は如何に主人公のアイデンティティに関連しているかを検討した。詳しく言えば、主人公ベンがアジアという移動空間、横浜領事館という権力空間、新宿という母性空間におけるアイデンティティの困惑、危機及び構築というアイデンティティ構築の過程を解明することにより、空間が主人公のアイデンティティ構築に重要な役割を果たしていることを明らかにした。また、リービ英雄は『星条旗の聞こえない部屋』において、主人公ベンの困惑と迷い、あがきと反抗、探索と脱出といった、「自分とは誰か」という誰もが必ず向き合わなければならない人生の思考を細かく再現し、世間の共感を呼んでいる作品と言えるのである。
  • 松のイメージを中心に
    秦 岭
    2024 年 17 巻 p. 171-
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/02/22
    ジャーナル オープンアクセス
    王朝時代、日本文学は明らかに多くの中国文化の影響を受けた。漢詩は日本文学の中でも特殊なジャンルであり、 中国文学の意味を最も直接的に表現し、それらの影響を和歌など日本の土着の文学様式に伝播させる架け橋となっていた。本論文では、『万葉集』『古今和歌集』の二つの和歌集と『懐風藻』、勅撰三集の四つの漢詩集を中心に、和歌と漢詩の中の松のイメージを整理し、漢詩が中国文化の受容と変容の中で過渡的な役割を果たしたことを探究し、日本文学の自分自身の美意識を形成していく過程を考察する。
  • 自由意志と理性意志の衝突
    馬 博雯
    2024 年 17 巻 p. 181-188
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/02/25
    ジャーナル オープンアクセス
    『死にぞこないの青』は日本作家乙一の代表作の一つである。作品は、主要な登場人物の羽田先生が教師のモラル を無視し、自分の学生をいじめることを描いている。その過程で起こった言語的な侮辱や肉体的な暴力、殺人未遂を含む一連の行為は、自由意志と理性意志の対立と衝突を表している。本稿では、文学倫理学批評を理論的な基盤として、スフィンクス因子を用い、倫理的な視点から羽田先生を分析し、その人物像から示される自由意志と理性意志の衝突を考察した。また、いじめ問題をめぐる師弟の倫理関係を現実に照らし合わせ、現在の教育環境下で教師の道徳欠如などの現象について議論し、教育過程でのモラルの重要性を強調した。
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