日中言語文化
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14 巻
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 楊 華, 汪 霞琴
    2021 年 14 巻 p. 1-6
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/29
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    要旨 新世紀以来、司馬遼太郎及びその文学作品に関する研究は多様化してきたが、これまで司馬の日露戦争認識に対する検討は数少ない論文だけにかぎり、まだ深く研究されていない。長篇小説『坂の上の雲』では、司馬が秋山好古、秋山真之兄弟、正岡子規などの主人公の生い立ちを通して、明治時代の日清戦争、日露戦争を述べている。小説の中で、日露戦争がロシアの脅威による「国民戦争」と「祖国防衛戦」であると司馬は主張している。史実に基づく分析により、その戦争認識は極めて間違っていることが分かり、批判すべきである。また、司馬遼太郎の日露戦争観の形成原因について、本稿では司馬が受けた『教育勅語』の影響、本人の軍人体験、明治時代への憧れなどから探し求める。

  • Take the Qing Dynasty and the Edo period as examples
    鄒 雅艶, 王 詩月
    2021 年 14 巻 p. 7-15
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/29
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    Abstract: There is a long cultural history both in China and Japan. and there are many cultural images with the same origin, and mermaid is one of them. According to the research, the earliest record of mermaid came from China's “The Classic of Mountains and Seas”, which was later introduced to Japan. With the changes of the times, the mermaid images of the two countries have gradually shown different characteristics based on the combination of local culture. Especially in the Qing Dynasty of China and the Edo period of Japan, the mermaid images of the two countries are relatively rich and complete, and fully retain local cultural characteristics, which have a certain degree of typicality and representativeness. Based on the previous studies on the mermaid image, this article focuses on comparing the similarities and differences between the mermaid image in the two periods of Chinese and Japanese culture, and explores the cultural reasons behind it.

  • 武 頴
    2021 年 14 巻 p. 17-24
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/29
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    要旨:景徐周麟(1440-1519)、俗姓は佐々木、諱は周麟、道号は景徐、半隠、宜竹、対松など、五山文学後期の代表的作家であり、その作品集として、『翰林葫蘆集』には詩、字説、道号などをはじめとする各種の漢詩文が収録されている。そのうち、四十三歳の時に作成した「書隠」詩は三首あり、その隠逸思想を研究するのに見逃してはいけない存在である。本論文はその「書隠」詩を考察し、その思想形成の土台などを分析し、その隠逸思想、乃至当時五山文学において流行っていた隠逸思想やその表現の一端を考察してみたい。

  • 梁 相楠
    2021 年 14 巻 p. 25-29
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/04/26
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    本文の叙事学理論の経路はポスト古典の叙事理論の研究方法に従い、経典叙事学による叙述音声の理論的枠組みの構築--内外学界の「叙述音声」の範疇の定義には主に 4 種類の傾向がある:語り手音声、著者音声、テキスト内外のすべての音声、修辞手段、その上で、後経典叙事学を参考にして、女性主義叙事学とイデオロギー叙事学の関連の観点に基づいて、村田沙耶香は『コンビニ人間』の中でどのようにして女性叙述の声の構成を行ったのかを探究することに努力して、またこのような女性叙述の声はどのように村田沙耶香の表現したい女性の意識を浸透しているのか。本文の前半部分は主に『コンビニ人間』の概況を紹介し、本文後の古典主義叙事学の視野の下での叙事音声とイデオロギー研究を結合した研究経路を提出し、『コンビニ人間』の叙述音声の中の叙述者の叙述音声を解析した。その上で、次回は引き続き、『コンビニ人間』における著者の語り声と、その語り声の後に、村田さやかが自身のフェミニズムのイデオロギーをどのように伝えていったのかを論じていきたい。

  • 冠動脈痙攣を例に
    唐 磊
    2021 年 14 巻 p. 31-40
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/29
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    要旨:本研究はオンライン診療におけるメタファー表現の使用に注目し、「冠動脈痙攣」という病状に基づき、主に二つの問題に対し情報収集と比較、分析を行った。一つは特定の病状に対するメタファー表現を記録し、比較と医師の評価を通じ、オンライン環境に最適な内容とパターンをまとめることである。一つは、オンライン診療システムにおけるメタファー表現導入のシミュレーションを行い、表現の内容に対する再検討を行うことである。結果として、メタファー表現の活用は医師・患者コミュニケーションを効率化する効果があると見られた。しかし、医師と患者が診療のプロセスにおいて、重視する情報に差異が存在することが確認され、双方の需要を考慮し、システム設計やガイドの方法の調整が必要だと考えられる。

  • ポジティブ・ストラテジーとネガティブ・ストラテジーを中心に
    王 萌
    2021 年 14 巻 p. 41-50
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/29
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    ポライトネスの研究は、現在に至るまで、欧米をはじめとして多くの研究者の注目を集めてきた。しかし、ポライトネスに日中対照研究、特に不同意という言語行為におけるポライトネスの日中対照研究はまだ少ない。本研究では、主にBrown&Levinson (1987)のポライトネス理論を基盤とし、日中の不同意表明のストラテジー、特にポジティブ・ストラテジー及びネガティブ・ストラテジーについて調査し、その使用傾向および両者の違いを明らかにした。

  • 中国語の「左」「右」を伴った新たな時間表現を中心に
    鄭 新爽
    2021 年 14 巻 p. 51-58
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/29
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    中国語には、例えば、“左手是过往,右手是未来”(左手は過ぎ去った過去,右手は未来)のように、新たな左右を用いた時間を表現するパターンがある。その中国語の左右の時間表現の背後に潜在している時間認知モデルに対して、本稿の研究は、先行研究においてあまり触れていない左右の時間認知モデルに関する心理実験を行った。その結果、中国語の母語話者が時間を認知する際に、左から右へという水平的に把握する認知パターンが存在することが分かった。さらに、この左右の時間認知モデルが左右の書字体系の方向と一致し、すなわち、左右の時間認知モデルが左右の書字体系から来たという事実が示唆されていることがわかった。

  • 発音編を中心に
    馬 叢慧
    2021 年 14 巻 p. 59-71
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/29
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    日本の中国語学習者数の増加に伴い、ここ30年来多くの中国語教科書が作られ、教科書に対する研究も多方面でなされているものの、日本の学生が難しく感じる傾向にある中国語の発音部分についての研究はあまりなされていない。本論は2010年~2021年に出版や再版、あるいは増刷された28冊の中国語初級教科書を調査対象とし、従来まで看過されがちであったテキストごとの発音編の記載の相違について考察したものである。

  • 金 鳳齢
    2021 年 14 巻 p. 73-79
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/29
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    韓国の代表的な妖怪というとトケビであるが、トケビの伝承を見ると、中国、日本の妖怪・鬼の影響を受けた痕跡が一部見られる。また、トケビのイメージや性格、力などを探求してみると、中日の妖怪との類似性を見せつつ独自の特性を持っている。トケビは韓国独自の民族特性を持つ妖怪であるが、その特性と伝承を研究するには、中日の妖怪との比較研究を欠かせない。 本稿では東アジアという視点から韓国の妖怪のトケビの特徴をまとめ、その原因について分析する。

  • 中・日初等教育を中心に
    孫 恵俊
    2021 年 14 巻 p. 81-90
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/29
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    日本の「関東州」における教育は、対中国人教育、対日本人教育と分けて実施されていた。日本は日露戦争軍政下において、対中国人教育、対日本人教育に着手した。中国人に対して「現地適応主義」を、日本人に「内地延長主義」を基本的路線として、それぞれ違った教育規則、教育令を公布し、教員の採用、教科書、教育内容などにおいても差別をつけた。

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