動物分類学会誌
Online ISSN : 2189-728X
Print ISSN : 0287-0223
21 巻
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 原稿種別: 目次
    1981 年21 巻 p. Toc1-
    発行日: 1981/12/28
    公開日: 2018/04/02
    ジャーナル フリー
  • 田近 謙一
    原稿種別: 本文
    1981 年21 巻 p. 1-9
    発行日: 1981/12/28
    公開日: 2018/03/30
    ジャーナル フリー
    西太平洋域では初めて北海道西岸忍路湾で採集されたMonocelididae科の渦虫の中からArchimonocelis itoi sp. n.が記載された。本種は以下の二つの特徴において同属既知6種と明瞭に区別されうる。1)クチクラの交接器官は漏斗管だけであり,一切の針状構造を欠く。2)膣孔が対をなして,しかも雄の生殖孔の後方に位置する。これらの特徴はArchimonocelis属の中でA. itoiにのみ特異的に認められるが,これがために同属を2分させるに十分な形質の違いを示すとは言い難い。同属の重要な特徴は以下の点に確認された。1)卵黄腺の並びの前端における卵巣の位置,2)刺胞の存在,3)非常に長い咽頭,4)生殖腸管の存在。
  • 関口 晃一, AYODHYOA, 中村 光一郎, 山崎 柄根, 杉山 博昭, 宍倉 文夫
    原稿種別: 本文
    1981 年21 巻 p. 10-14
    発行日: 1981/12/28
    公開日: 2018/03/30
    ジャーナル フリー
    文部省科学研究費海外調査(現地調査)により昭和54年度の予備調査に続き,昭和55年度は前後3回に分けて,インドネシア各地の海域のカブトガニの分布調査を行った。その結果,インドネシアの沿岸には,アジア産3種のすべてのカブトガニがみられ,それらはインドネシアの西部および中央部の沿岸に広く分布していることが明かとなった。それらの種は,地域により,単独であるいは2種または3種が混棲している。スマトラ島のマレーシア側,ボルネオ島のカリマンタン沿岸およびジャワ島のジャワ海側などには,それらのほぼ全域にTachypleus gigasとCarsinoscorpius rotundicaudaとが混棲し,それらの地域のうち,東カリマンタンおよびジャワ島東北側の沿岸では,上記2種のほかに,さらにTachypleus tridentatusが加わって,3種の混棲地となっている。著者ら(1980)は先に,コタキナバル(マレーンア・サバ州)に3種のカブトガニが混棲していることを明らかにしたが,今回発見された混棲地はポルネオ島の北側を迂回して,これと連っているものと思われる。一方,T. tridentatusはスマトラ島のインド洋側およびセレベス島の東北部沿岸に,それぞれ単独で生息している。このうち前者は今のところ他の地域のT. tridentatusの分布との連りが認められず,隔離されているように思われる点が興味深い。今回の調査では,メナド付近を除くセレベス島,バリ島,およひそれらの島々より東の海域では,カブトガニは全く確認できなかったことは極めて興味深いことである。とくにモルッカ諸島のカブトガニは古くから"Cancer mollucensis"や"Limulus moluccanus"などの種名にも名を残したほど有名なだけに,その存否は今後の調査により明らかにする必要があると思われる。
  • 平松 信夫
    原稿種別: 本文
    1981 年21 巻 p. 15-22
    発行日: 1981/12/28
    公開日: 2018/03/30
    ジャーナル フリー
    イトダニ科UrpodidaeのUroobovella属は175種を含む大群で,HIRSCHMANNによって12群に分けられている。その一つIpidis郡は28種を含み,日本産としては今まで5種が確認されていた。ここに報告する2種は,この群に新たに加わる新種である。このうち,U. minagawaiは皆川望氏によって鹿児島県奄美大島の落葉層から,他の一つU. yasumanensisは,平松文明氏によって長崎県平戸島安満岳の落葉層から発見されたもので,前者に最も近いのは,U. aokii HIRAMATSU, 1979(小笠原母島)であり,後者に最も近いのは,U.ikezakii HIRAMATSU & HIRSCHMANN,1978(長崎県 五島)である。この2新種を含む近縁な日本産7種,メキシコ産1種の合わせて8種につき,相互に区別できる検索表を示した。
  • 茅根 重夫
    原稿種別: 本文
    1981 年21 巻 p. 23-26
    発行日: 1981/12/28
    公開日: 2018/03/30
    ジャーナル フリー
    キクの菜を加害するフシダニの一種(キクモンサビダニ)が,愛知県および島根県の標本にもとづき,新種Paraphytoptus kikusとして記載された。本種は背甲板上の条線(特に亜正中条)の形,および雌の羽状爪の側枝の数(6対)から国外の近似の種と区別される。
  • 蛭田 眞一
    原稿種別: 本文
    1981 年21 巻 p. 27-34
    発行日: 1981/12/28
    公開日: 2018/03/30
    ジャーナル フリー
    東京大学海洋研究所海洋生物生態部門(代表者:堀越増興)による駿河湾における底棲生物の調査から得られたMyodocopina亜目のカイミジンコの報告として,1新種Azygocypridina tanseimaruaeを雌1個体の標本を基に記載した。本種は調査航海KT-78-11の際,土肥沖水深1035〜1050mの海底(St.0T-8)から,2m幅ビームトロールによって採集された。体長4.75mm,体高4.35mm。殼は円形に近い卵形で表面はなめらか。第7肢の形態から本種はKORNICKER(1970)の設けた種群Group II(A. giibber group)に属することになるが,本種の第7肢の形態はGroup IIの他の種とはfingerlike processの数およびその配列の点でかなりの相違が認められる。
  • 樋渡 武彦, 梶原 武
    原稿種別: 本文
    1981 年21 巻 p. 35-40
    発行日: 1981/12/28
    公開日: 2018/03/30
    ジャーナル フリー
    Hyale属の1新種H. pumilaを記載した。本種は次の点で特徴的である。第2触角は体長の約半分の長さを有する。第1咬脚の第6節は先端で幅広く,後縁部先端が突出し,その上に2本の剛毛を有する。第2咬脚の第6節掌縁上部が円柱状に突出し,棘を有する。
  • 馬渡 峻輔, 馬渡 静夫
    原稿種別: 本文
    1981 年21 巻 p. 41-58
    発行日: 1981/12/28
    公開日: 2018/03/30
    ジャーナル フリー
    北海道沿岸の海産苔虫相研究の一環として唇口苔虫類の目録を報告した。今日まで北海道産の唇口苔虫は馬渡静夫(1956,1957)が計17種記載しているだけである。今回は無嚢類60種と有嚢類70種を表示したが,今後同定が進むにあたり種類数はまだ増加するものと思われる。
  • 原稿種別: 表紙
    1981 年21 巻 p. Cover3-
    発行日: 1981/12/28
    公開日: 2018/04/02
    ジャーナル フリー
feedback
Top