筆者は, 第1.園芸部門との労働の競合をさける。第2.イナ作部門の生産性を高め, 農繁期の解消をはかる。第3.秋冬作物との間混作により水田の高度利用と作付の合理化をはかる。第4.春の長雨による乾田直播の播きつけ困難をさける等の目的で, 表題に関し研究中である。当地方のごとく冬季多雨積雪地帯にあって, 秋直播を行うための課題は, 第1に出芽問題を解決することである。本報告は秋直播イネの発芽および出芽過程に関し, 1968年以来おこなった試験の一部である。

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秋播イネの出芽率は低い場合が多かったので, 出芽率を向上させ株立を良好にする必要を生じた。これに関し1966年以降行なった試験の概要を報告する。

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近年, タバコ産地において, 生理的斑点病(タイプII, IV, 日本作物学会紀事, 第38巻別号1 P199)が多発し, 中下位葉の品質低下をまねき, 大きな被害が出ている。本報では産地における発生の実態調査の結果を述べる。

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著者らは, 前報(日本作物学会紀事, 第38巻別号1, P199)において生理的斑点病の分類を試みたが, 本報では生理的斑点病と称される中でも, とくにタイプII, IIIのものについて述べる。

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タバコの生理的斑点病(タイプII, III)の発生にはタバコの生理的素質, 環境要因とともに発生の直接の引金となる要因が大気中に存在することが次の観察および処理実験により推定された。1)発生が広範囲に同一日時に生ずる。2)密閉温室, ハウス内で栽培すると発生せず, 外気に接触させると発生する。3)葉を被覆するとその部分のみに発生をみず, 被覆をとるとその後発生する。4)低温条件は発生に促進的に働くが, 温度処理前に外気と接触しないと発生しない。5)病斑の組織的観察, 発生条件がオゾン障害による知見(Macdowall etal 1963, Rich, S1964, Heggestad, H. E. 1968, Heck, W. W. 1968)と酷似している。

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作物はその栽培に際して入為的に各種の処理が行なわれ, 規則的な集団をなしているのに対して, 雑草はその発生, 生育において各個体間の環境の違いが相当大きくて不規則な集団であるので, 同一種でもその各形質の個体間の差は作物に比べてかなり大きいことは, 一昨年イネ群落中のヒメタイヌビエについて明らかにした通りである。それでは作物と雑草の立場を逆にした場合にはどうなるか。すなわち雑草であるヒメタイヌビエを作物として, 作物であるイネを雑草として取扱った場合に個体差の上に作物と雑草の違いはどのように現われるものなのか。また最近イネの生産調整の一環としてノエビの飼料化が考えられているが, 雑草であるノエビに斉一な生育が期待できるものなのかどうか。これらの点について昨年水田にヒメタイヌビエを栽殖し, またその中にイネを間植して試験を行ない, 若干の知見を得たので報告する。

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白化現象は, 稚苗の緑化期が4〜5月の低温に遭遇した場合しばしばみられるが, これは, 温度と品種に関係するところが大きく, 特に, 出芽後温度が35℃以上と推察され, 35℃以上になると, 殆んどの品種で白化現象がみられ, 熟期のおそい品種が発現し易い傾向がある。

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中海干拓の当初計画によれば, 中海を約3千ha干陸し, 等高線沿いに大区画圃場(200×500m)を造成して田畑輪換による機械化酪農経営を目ざしていた。このため'62年に干陸された島田埋立干拓地に灌漑距離200mの緩勾配圃場(200×24m, 勾配1, 000分の1)を設置し, '64年からボーダー灌漑による水稲乾田直播栽培を行ってきた。本干拓地土壤はヘドロで塩分濃度が高く, 可酸化性硫黄を多量に含み好気的条件下では強酸性化する。干陸初期に除塩, 酸化を抑制するような水管理では水稲の安定多収は望めないといわれており, 掛流し及び石灰施用による除塩, 除酸が必要である。灌漑法としては前記の土壤条件, 大型機械導入に必要な地耐力の増強のための過剰水の排除, 灌水作業の簡易化, 水の利用効率からボーダー方式が妥当と考えられた。

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最近, 工場の農村進出や, 道路の整備に伴う街路燈の増設, 更には住宅用, 営業用照明燈などの普及によって, 近接の作物は低照度乍ら, 長日処理をうける結果となり, その発育に大きな異変をきたし, 新な公害の一つとして注目されるにいたった。これについては, 既に, 1, 2の報告がなされているが, 筆者等も数年来, 若干の観察を試みたのでその概略を報告したい。なお, 光源にはすべて, 日本電池KK螢光水銀ランプH・P・100(100ワツト)を用いた。

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1967年に降雨後のビニール麦の葉鞘内(芒, 頴花)に多量の水滴が付着しているのを偶然に認めたので, 葉鞘内の湿度と不稔の発現との関係を'67, '69年に調査した。

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ビール麦が出穂前に高温に遭遇することにより, 不稔を発現することは既に知られているが, 未だその発現機構については明らかでない。著者らは, 昼, 夜の高温と不稔との関係を1967〜'69年にわたって調査したので, その結果を報告する。

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