田植機利用の箱育苗においては, 完全葉第2葉発生以後には, 苗の成長につれて, 繁茂度が増して, 光合成が十分行なわれ難くなる。その結果苗質が低下し次第に老化の傾向となるが, この場合その時の最高葉齢の葉身を1/2程度先端部を剪葉し, その直後窒素を追肥することによって, 受光姿勢を良くし光合成を高め, その結果葉齢が促進されてよく揃い, 茎が太く育ち, 苗の充実度が高められて, 老化が防止され, 本田植付後, 発根力が高まり, 活着が良くなることが認められてきた。この剪葉と窒素追肥方式を3回実施し, 5葉程度の良質の健苗を育苗することができるかどうかを検討したところ, 或程度目的に近い結果が得られたので, 報告し御参考に供する。
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