食事後の血糖値が急激に上昇したのち正常に戻る「血糖値スパイク」と言われる食後の大きな血糖値変動症状が知られている。この血糖値スパイクは , 中高年ではもちろんのこと若年層にとっても , 気づかぬうちに糖尿病を進行させる可能性があることからその予防は医学的にも重要な課題となっている。本研究では , 熊本県の特産品であり水溶性食物繊維が豊富なキクイモの血糖値スパイクへの予防に対する効果について検討した。20代の女子学生を被験者として , 経時的な食後の血糖値測定を行ってその推移を観察し , 150 mg/dL 以上を血糖値スパイクの指標とした。本研究では , キクイモは摂取しやすいように乾燥チップスの形(キクイモチップス)を用いた。キクイモチップスのみでも弱い血糖値抑制効果が見られた一方 , 野菜サラダにキクイモチップスを混合して摂取した場合には有意な血糖値抑制効果が認められた。本研究の結果から , キクイモを他の野菜と併用することにより , 糖尿病の進行予防に優れた食材となりうる可能性が示唆された。
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