短大生における教育実習前後での教師イメージの変化を見ることで、教育実習の意味や効果の検討を試みた。そこで、森谷(1986)の提案した方法である九分割統合絵画法を用いて、本学の教職課程を履修した3年間の学生88名に対して、実習前と実習後に実験を行った。描かれた描画内容を実習前後でその頻度数を集計し、統計的処理を行った。その結果、描画内容が実習前後で大きく変化することが分かった。実習前では、教師イメージがあいまいであったり、教師を嫌な人と捉えていることが多かったが,実習後には、単なる物体のイメージの数は減り,教育実習での体験のイメージが有意に増加した。また、教育実習前後での教師イメージ変化を「絵よりも言葉に表れたもの」、「絵の内容が豊富になることに表れたもの」「筆圧の変化に表れたもの」の3つの事例から、教育実習が学生に与える影響を個別的に検討した。
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