我が国において, 循環型社会に向けた廃棄物の発生抑制(リデュース), 再使用(リユース), 再資源化(リサイクル)の順番で「3R」を一層推進していくことが求められている。3Rに関する高い意識を具体的な行動につなげ, 資源効率循環型ライフスタイルへの変革を促すためには, 3Rをめぐる行動の根拠となる情報を地域全体で共有し,行動の意義と効果が十分に理解されるよう継続的な普及啓発を行っていくことが期待されている。
海外では、ミラノ市(イタリア)やクライストチャーチ市(ニュージーランド)などで, ごみ収集・運搬・清掃業務にかかわるすべての「モノ」をメディアとして使い, 3R推進に向けた行動の根拠となる情報を発信するデザインプロジェクトが実施されている。また, フィラデルフィア市(米国)では, 環境学習およびアート教育なかで, 子どもたちが
ごみ収集車
や公共のごみ箱をデザインし、プログラムを通して地域にごみ行政に関する情報を発信する試みが行われている。こういった海外の好例を通して, ごみ行政のためのメディアの開発とコミュニケーションデザインの可能性について考察する。
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