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性肝膿瘍は本邦では稀れな疾患と考えられているが,われわれは最近本症の1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.
症例は29歳男子.昭和52年8月2日,感冒様発熱. 8月8日,弛張熱(39~40℃)と右季肋部痛を訴えて入院.苦悶状顔貌を呈し,腹部膨満,右上腹部緊張,圧痛著明. WBC 20,800 AIK-P 25.2, T. Bil 0.5, GOT 24, GPT 38, CRP(+),検便で
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(-),肝シンチ,右葉に巨大孤立性SOL (Space Occupied Lesion) (+).
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性肝膿瘍の疑いで外科的肝ドレナージ,チョコレート様膿汁約1,000cc,膿中
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(-),術後Latex凝集反応強陽性.フラジール, Tc, AB-Pc, DKB投与. 41病日治癒退院.本症例は国際航空路線乗務員であり,外地感染が考えられる.膿,糞便中
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(-)で,確定診断はLatex凝集反応によった.
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