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クエリ検索: "キンシコウ"
43件中 1-20の結果を表示しています
  • 和田 一雄
    哺乳類科学
    2007年 47 巻 1 号 171-172
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/08/21
    ジャーナル フリー
  • 福田 史夫, 榎本 知郎, 和田 一雄, 渡邊 邦夫, 鈴木 克哉
    霊長類研究
    2004年 20 巻 2 号 133-136
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/05/31
    ジャーナル フリー
  • 横山 卓志, 楠田 哲士, 曽根 啓子, 森部 絢嗣, 高橋 秀明, 橋川 央, 小林 弘志, 織田 銑一
    哺乳類科学
    2012年 52 巻 2 号 207-214
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/02/06
    ジャーナル フリー
    飼育下
    キンシコウ
    Rhinopithecus roxellana)の新生仔における行動発達を明らかにすることを目的とし,名古屋市東山動物園で2009年4月に生まれた雌の新生仔において,8ヶ月齢までの成長に伴って観察された行動の経日変化を記録した.また,それらの結果を,中国の国立陝西周至自然保護区の半野生集団および他の飼育下個体における報告と比較した.東山動物園の新生仔は,出生後約1ヶ月間は母親に依存していたが,1ヶ月齢から周辺環境や姉に興味を示し,積極的に接近や探索の行動を開始した.2~3ヶ月齢では姉と2頭で過ごしたりグルーミングに似た行動をしたりするなど社会行動が観察された.生後60日目以降,積極的に姉に近づくようになり,姉の存在がその後の新生仔の行動発達に影響を与えたと考えられた.自然保護区と比べ,木の登り降りや餌に興味を示す行動の発現が著しく早く,また5ヶ月齢以降,腹部接着や支持,近接,接近,離反およびグルーミング受容の行動スコアがほぼ一定となったことから,5ヶ月齢が行動発達の1つの区切りであったと考えられた.東山動物園における
    キンシコウ
    新生仔の行動発達過程は,群れの数や環境が大きく異なる中国の自然保護区の結果と一致していた.しかし,一部の行動の開始時期には大きな差が認められ,木の登り降りや餌への興味といった行動の発達は,成育環境に影響を受けているとも考えられた.
  • 和田 一雄
    ワイルドライフ・フォーラム
    2001年 7 巻 1 号 17-28
    発行日: 2001/06/01
    公開日: 2017/09/05
    解説誌・一般情報誌 フリー
  • 和田 一雄
    ワイルドライフ・フォーラム
    2000年 6 巻 2 号 67-73
    発行日: 2000/12/22
    公開日: 2017/09/05
    解説誌・一般情報誌 フリー
  • 和田 一雄, 張 鵬, 福田 史夫
    ワイルドライフ・フォーラム
    2003年 8 巻 3 号 68-69
    発行日: 2003/01/31
    公開日: 2017/09/20
    解説誌・一般情報誌 フリー
  • 和田 一雄
    ワイルドライフ・フォーラム
    2006年 10 巻 3-4 号 85-86
    発行日: 2006年
    公開日: 2017/09/22
    解説誌・一般情報誌 フリー
  • *福田 史夫, 和田 一雄, 李 保国
    霊長類研究 Supplement
    2004年 20 巻 A-10
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    キンシコウ
    の野外研究は始まったばかりであり、その生態や社会構造、社会的行動はまだ殆んど解明されていない。演者は今年の3、4月にかけての3週間、秦嶺山脈に生息する
    キンシコウ
    を観察してきた。この時季は出産季にあたるため、新生児が生まれると間もなく他個体による育児行動が見られた。しかし、一方、出産季であるにも関らず、交尾行動に類似した行動が頻繁に観察された。この行動は、Unit-maleが他のUnit個体に攻撃的行動を行った直後に生じた。「オス:大きく口を開けて犬歯を剥き出し、肩を怒らして、ゆっくりと自分のユニットメスの方に歩く→メス:それを見て逃げる→オス:メスを同じ動作を続けながら追う→メス:止まってオスの方をみる→オス:口を開けながら頭を下げ、メスの腰に手を当てる→メス:うつ伏せになる→オス:口を開けながらメスの腰に両手を回し、メスの背中越しに覆いかぶさる→メス:四足で中腰になり辺りを見回す→オス:口を開けながら激しく腰を動かす(メスの尾は下がったまま)→メス:四足で腰を下げたままで顔を上げて辺りを見回す→オス:口を開けながらメスの首筋に顔を埋める→メス:尾を上げてオスから離れる→オス:口を開けながらメスの尻を見る」の一連の行動からなっている。この行動は20秒くらいで終わり、一見すると交尾行動と類似しているが、いくつかの行動の要素で違いが見られる。交尾では、メスが顔を地面に付けてうつ伏せになりオスを誘い、オスが腰を動かしている時に互いに見合い、交尾後互いにグルーミングし合う。しかし、これらは観察されていない。オスが大きく口を開け犬歯を見せながら肩を怒らし上半身を左右に揺らしながらゆっくり歩くことで、メスはオスから逃げようとする。が、メスは逃げることができず、うつ伏せになってしまう。この行動をすることでオスは自分の興奮状態を鎮火させ、メスは仕方なくオスを宥めていると考えられる。
  • 鈴木-橋戸 南美, 早川 卓志, 辻 大和, Laurentia Henrieta Permita Sari PURBA, Sarah NILA, Kanthi Arum WIDAYATI, Bambang SURYOBROTO, 今井 啓雄
    霊長類研究 Supplement
    2016年 32 巻 P21
    発行日: 2016/06/20
    公開日: 2016/09/21
    会議録・要旨集 フリー

    霊長類には果実食、昆虫食、葉食といった様々な食性をもつ種がおり、その中でも、コロブス亜科の種は複雑な胃や特殊な臼歯をもち、葉食に特化した食性を示す。葉には二次代謝物などの苦味を呈する毒性物質が含まれているため、葉食性のコロブス類の苦味感覚は興味深い。苦味感覚は舌や口腔に発現する苦味受容体TAS2Rが担い、霊長類は20-30種類のTAS2Rをもち、食物中の毒性物質を検出している。我々はこれまでにゲノム解析から、コロブス類の

    キンシコウ
    は24種類のTAS2Rをもち、近縁種のアカゲザル(27種類)と同程度のTAS2Rをもつことを明らかにした。本研究では、より具体的にコロブス類の苦味感覚の進化機構を評価するために、コロブス亜科に属するジャワルトン(Trachypithecus auratus)を対象にして苦味受容体遺伝子TAS2Rの多様性解析を行った。インドネシア・ジャワ島のパンガンダランの個体識別されたジャワルトン8個体のフンよりDNAを抽出し、アカゲザルと
    キンシコウ
    のゲノム配列を参考にして設計したプライマーを用いて配列解析を行った。現在までに14種類のTAS2Rの配列を全8個体で決定した。その結果、4種類のTAS2Rでは機能を消失させるような偽遺伝子化が生じていた。一方で、非同義置換サイト、同義置換サイトの塩基多様度比πN/πSは0.41となっており、同義置換率が非同義置換率よりも有意に高く、浄化選択の傾向が示された。つまり、葉食に特化したジャワルトンでは、少なくとも一部の苦味受容体の機能は進化的に維持されており、苦味感覚を利用して食物選択を行っていることが示唆された。今後、全てのTAS2Rの多様性を解析し、ジャワルトンの採食特徴を比較することで、葉食性のジャワルトンの苦味感覚の進化過程を考察する。

  • 古林 賢恒
    ワイルドライフ・フォーラム
    2004年 9 巻 3 号 62-
    発行日: 2004/12/01
    公開日: 2017/09/22
    解説誌・一般情報誌 フリー
  • 竹中 晃子, 濱田 穣
    霊長類研究
    2006年 22 巻 2 号 137-138
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/03/13
    ジャーナル フリー
  • 和田 一雄
    ワイルドライフ・フォーラム
    2004年 9 巻 3 号 62-63
    発行日: 2004/12/01
    公開日: 2017/09/22
    解説誌・一般情報誌 フリー
  • 和田 一雄
    ワイルドライフ・フォーラム
    2004年 9 巻 3 号 61-62
    発行日: 2004/12/01
    公開日: 2017/09/22
    解説誌・一般情報誌 フリー
  • 原田 正子, 丸山 直樹, 野崎 英吉
    ワイルドライフ・フォーラム
    2003年 8 巻 3 号 67-68
    発行日: 2003/01/31
    公開日: 2017/09/20
    解説誌・一般情報誌 フリー
  • 江村 健児, 平崎 鋭矢, 荒川 高光
    霊長類研究 Supplement
    2021年 37 巻
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/09/22
    会議録・要旨集 フリー

    霊長類において,浅指屈筋の筋束構成は種間で異なるが,その支配神経パターンには一定の共通性が見られる(Emura et al., 2020)。本研究では,類人猿系統発生における浅指屈筋の形態学的な変化を明らかとするため,昨年報告したニシローランドゴリラに続いて,ニシチンパンジーの浅指屈筋における筋束構成と支配神経パターンを調査した。ニシチンパンジー成体オス1頭の右浅指屈筋を用い,浅指屈筋の起始,停止,筋束構成,支配神経を肉眼的に観察した。 所見をスケッチとデジタル画像で記録した後,支配神経とともに一括して摘出し,実体顕微鏡下で支配神経の筋内分布を観察,記録した。標本は京都大学霊長類研究所共同利用・共同研究及び大型類人猿情報ネットワーク(GAIN)を通じて提供を受けた。浅指屈筋は主に内側上顆から起始し,第2指から第5指へ停止腱を送った。第2指への筋腹が中間腱を持ち,他の筋腹よりも明らかに深層に位置すること,第3指への筋腹が内側上顆に加えて橈骨からも広く起始すること,第5指への筋腹が内側上顆に加え尺側手根屈筋の筋膜からも起始することがニシローランドゴリラの浅指屈筋と類似していた。第2指への遠位筋腹には正中神経の遠位からの枝が入るが,近位筋腹は正中神経近位からの枝と尺骨神経の枝に二重支配を受けた。これはヒトでの変異例(Ohtani, 1979; 山田,1986)と類似しており興味深い。第3指筋腹に正中神経近位からの枝が入り,その一部が第4指筋腹に達し,さらに伸びて第5指筋腹を支配するという所見は,他の霊長類の特徴(Emura et al., 2020)と同様であった。 ヒト浅指屈筋の第5指筋腹は第2指の中間腱から起始するとされ(Ohtani, 1979; 山田,1986),類人猿とは異なる。ヒトにおける第5指筋腹の起始の変化はチンパンジーと系統上分かれた後に起きたものであるという可能性を考えたい。

  • *藤野 健
    霊長類研究 Supplement
    2012年 28 巻 P-07
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/11/01
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】Napier (1963)が提唱したsemi-brachiation、semi-brachiaterの用語の定義が不明確との批判が存在する。そこで、これまで観察を行った幾つかの霊長類種のぶら下がり動作を元にこれら用語の見直しを行った。【運動性】”semi-brachiater”のbrachiation 様動作は、動作が長続きしない、手以外に足(
    キンシコウ
    、ドゥクラングール)或いは尻尾(クモザル)を媒体に接触させる、体幹が水平位から垂直位の間を大きく振れる(クモザル)などの特徴を有する。これはテナガザルの長時間の動作、体幹を立てての左右交互の胸郭の回転発生並びに胸郭に対する頭と腰(+屈曲させた下肢)の逆回転発生から成る効率的な運動から比較すると、成熟度が低いが故にsemi(=imperfect)の語を付けても間違いとは言えない。【ロコモーション分類】大型類人猿とヒトはbrachiation の成熟度は高く基本的にテナガザルと同様の運動特性を持つが、低頻度ゆえ別の分類名が与えられる。同じくbrachiation 様動作は四足歩行性、立位掴まり歩行などの合間に観察され、これらの動物には主たるロコモーションではない。【考察】Napier が運動性の十分な観察から遠くしてこの用語を採用したのは、これらのサルが単なる四足歩行性に留まらず、「ぶら下がり、腕渡りも行える」ことを急ぎ強調したかったからに他なかろう。arm-using suspensory locomotionの視点からは、semi-brachiater と呼んで正しいが分類名としては混乱を招き得る。”semi-brachiater”のぶら下がり運動性の更なる詳細な観察と解析が、ヒトに至る投擲・道具使用等の前肢運動能獲得と二足歩行能獲得への解明のみならず、合理的なロコモーション用語の命名に不可欠のものと考えた。
  • 藤野 健
    バイオメカニズム学会誌
    2020年 44 巻 2 号 77-83
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/10/28
    ジャーナル フリー
    新旧両世界の霊長類には特異なロコモーションである腕渡り Br が観察され互いに平行進化を遂げたものと考えられるが,尻尾利用の有無,鉛直線に対する体幹角度の変動,頭部-胸郭-骨盤間の回転位相差の発生,後肢伸展度に違いが見られ た.Br を行う全ての霊長類が程度の差はあるものの必ず二足歩行性 Bp を示す.アカアシドゥクラングール並びに
    キンシコウ
    は四足歩行性 Q 並びに体長軸回りの反復回転性を伴う Br,Bp を併存し,Bp はヒト歩行に類似した胸郭と骨盤間の回転位相差を伴う.Q のサルが体長軸回りの反復回転移動性を伴う Br + Bp を獲得し水平方向への移動運動性を強め,ヒト上科祖先では既に Q を失い,後に小型類人猿は Br に,ヒトは Bp に特殊化し,一方大型類人猿は二次的な Q を獲得,強化したと考えた.
  • 藤野 健
    霊長類研究 Supplement
    2016年 32 巻 P40
    発行日: 2016/06/20
    公開日: 2016/09/21
    会議録・要旨集 フリー

    【はじめに】ゴリラは幅のある樹幹上や地上では専らナックルウォーキングで水平移動するが、他方腕渡りが観察される機会は大変少ない。3歳7ヶ月齢のコドモ個体の腕渡りを動画撮影する機会を得たのでその特徴を報告する。【材料と方法】京都市動物園にて飼育されるニシゴリラ(G)コドモ雄(撮影は2015年7月)を、過去に撮影した

    キンシコウ
    (R)のコドモ雄、アカアシドゥクラングール(P)雌雄成体、シロテテナガザル(H)雌成体のビデオ画像と比較した。【結果】Gはケージ内に渡された全長約7mのロープを休み休みに緩慢に腕渡り移動した。両手でぶら下がり、後肢、特に下腿をぴょんと屈して幾らか重心を後方に移動させ、その反動で片手でぶら下がりを開始する際の推進力の足しにすると思われる独特な像を示す。これはブランコの漕ぎ始めの動作を連想させるが、前方推進力産生に寄与する効果は少ない様に見え、当個体が学習した動作の可能性もある。左右交互の前肢突き出しに伴い、顔面は前方を向くが、Hの様に頸部を迅速に回転させ常時顔を前方に向ける程では無い。体長軸回りの胸郭の回転発生に伴い。腰も位相差なく、つまり「胴体」が一体となり、左右に反復回転する。尚G成体に腕渡りは観察されなかった。【考察】Gの腕渡り動作には、Hの様な頭部、胸郭、腰間の逆回転性の発生は弱いか或いは観察されない。これに加え俊敏性と巧緻性に劣る点からもセミブラキエーターの腕渡りに類似する。但し手指で体重を支える能力は手足を用いて頻繁にぶら下がり遊びする点からも明らかにGが優れる。Gの胸郭形態と肩甲骨の背側配置は、祖先が腕渡りに相当程度進んでいた事を物語るが、観察された運動特性からもGがヒトと同様に、前方推進機能を低下させた腕渡り動物、即ち過去に獲得したブラキエーターとしての能力を失いつつある動物と理解可能である。

  • *松田 一希, 張 鵬, Swedell Larissa, 森 梅代, Tuuga Augustine, Bernard Henry, Sueur Cedric
    霊長類研究 Supplement
    2012年 28 巻 A-21
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/11/01
    会議録・要旨集 フリー
     オナガザル科に属するいくつかの霊長類種では、重層的な社会を形成する。これは、複数の群れが集まりさらに高次の社会を形成するというものである。重層社会を形成するオナガザル科のサルに共通するのは、群れの基本単位が、単雄複雌の群であるという点である。重層社会の種間比較研究の多くは、単雄複雌の群れ間の関係性に着目して進められてきた。ところが、単雄複雌の群れ内の個体間の関係性に着目し、それを定量的に種間比較した研究例は今までにない。霊長類の重層社会を理解する上で、その根幹をなす最少ユニットである単雄複雌の群れ内の個体間関係を比較することも、群れ間の関係性を比較する研究と同様に重要である。本研究では、重層社会を形成することが報告されているコロブス亜科2種(テングザル、
    キンシコウ
    )と、オナガザル亜科2種(マントヒヒ、ゲダヒヒ)の単雄複雌の群れ内の個体間の社会交渉を、ソーシャルネットワーク分析を用いて比較・検討した。これら4種において、群れ内の個体間で観察された社会交渉をもとに、オスとメスの中心性を比較したところ、コロブス亜科とオナガザル亜科で明確な違いが見られた。コロブス亜科2種では、社会交渉の中心はメスであるのに対して、オナガザル亜科2種ではオスが、その中心となっていることがわかった。これらの違いは、オナガザル亜科に比べてより頻繁に報告されている、コロブス亜科のメス間でよく見られる、アロマザリング行動が影響している可能性が示唆された。この他にも、クラスター指数やクラスター解析の結果から、それぞれの種における個体間の社会交渉の傾向が、各種の性分散様式とどのように関係しているのかも考察する。
  • 藤野 健
    霊長類研究 Supplement
    2021年 37 巻
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/09/22
    会議録・要旨集 フリー

    【はじめに】飼育下のアカアシドゥクラングールPygathrix nemaeusの1個体にて後肢屈曲型の腕渡りを観察したので報告する。【材料と方法】横浜ズーラシアにて飼育される妊娠中の雌個体。運動性に問題は見られない。2019 年11月18日にフルHD,60 frames/sで撮影後,コマ割りして目視にて運動性状を解析した。過去撮影のシロテテナガザル,ゴリラ(子供個体),ケナガクモザル,

    キンシコウ
    (子供個体)の腕渡り動作像と比較した。【観察】座位から前肢を伸ばしてすぐ上の飼育ケージ天面を把握して腕渡りを開始し,後肢を完全に屈したまま体幹と一体化させて腕渡りを続け,他方,勢いを付けて天面にぶら下がり腕渡りする際には一度後肢を伸展後に完全に屈するか或いは中程度の屈曲を保つ。いずれも骨盤と胸郭の間の回転位相差は外見的には感知されない。【考察1】他個体は後肢を伸展し下垂させて進み同じく位相差は生じない。大型類人猿やヒトの腕渡り動作時もこれに等しく,新世界ザルのクモザルも尻尾を併用するが類似した動作を行う。これに対し,小型類人猿のシロテテナガザルでは,高速な腕渡り時には後肢を屈し,この時,前肢を前方に伸ばして胸郭の側方を左右交互に突き出すが,骨盤は逆回転して後肢の膝頭を大方前方に向けたままで進む。【考察2】腕渡りを行う霊長類は基本的に(掴まり立ち)二足歩行を行い,その際このラングールを含め胸郭と骨盤間の回転位相差が観察されるが,腕渡り時にはこれは観察されない。これから,位相差の発生は,立位のぶら下がりロコモーション即ち腕渡りとペアで開始された立位歩行の初期段階に於いて,掴まり立ち歩行動作に伴うものとして獲得され,また二足歩行の効率性に資するものとなったと考える。そしてこの運動習性が小型類人猿の高速腕渡りに取り入れられその効率性を高めたものと考えるが,本ラングールの後肢屈曲姿勢は膨らんだ腹部の保護或いはその状態での腕渡りの効率化に向けたものである可能性がある。

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