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クエリ検索: "ツツガムシ病"
480件中 1-20の結果を表示しています
  • 竹之下 秀雄, 小松 貴紀, 圓谷 隆, 山内 隆治
    日本臨床皮膚科医会雑誌
    2007年 24 巻 4 号 310-313
    発行日: 2007/07/15
    公開日: 2009/03/13
    ジャーナル フリー
    (1) 11歳、男児。初診時、37℃台の発熱、躯幹に散在する小指頭大までの淡い紅斑と左膝窩の刺し口のため、
    ツツガムシ病
    を疑い、ミノサイクリンの全身投与 (120mg/day) を開始したところ、頭痛を含め全身症状がすみやかに改善した。
    ツツガムシ病
    抗体価は、初診の11日後にはIgMがGilliam法で有意に上昇し、本例を
    ツツガムシ病
    と診断した。
    (2) 30歳、女性。妊娠11週5日。初診時 (第8病日)、発熱、顔面と躯幹の淡い紅斑、左側腹部の刺し口などの臨床症状、肝機能障害、CRP上昇などの検査所見から
    ツツガムシ病
    を強く疑った。妊娠初期であれば塩酸ミノサイクリンを投与しても胎児に流産や奇形などの障害はほとんどない旨を文献的に確認し、初診日より同剤200mg/日の全身投与 (2週間) を開始したところ、すみやかに軽快し、妊娠40週1日目に無事女児を出産した。
    ツツガムシ病
    抗体価は、初診時のIgM (Gilliam法) が320倍と高値で診断が確定した。出産時のIgM抗体価は、母体血で消失し臍帯血で存在しないため、Orientia tsutsugamushiの胎盤感染の有無は不明であった。小児と妊婦の
    ツツガムシ病
    が少ないのは、ツツガムシに吸着される機会が少ないからと考えられている。(オンラインのみ掲載)
  • 杉田 泰之, 松崎 敏子, 中嶋 英子, 中嶋 弘
    日本皮膚科学会雑誌
    1991年 101 巻 7 号 743-
    発行日: 1991年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    Polymerase chain reaction(PCR)法を用いて
    ツツガムシ病
    の病原体であるRickettsia tsutsugamushiに特異的なDNA断片を検出した.この方法を用いて
    ツツガムシ病
    患者の血液からR. tsutsugamushiのDNAが検出できることを示し,PCR法による
    ツツガムシ病
    のDNA診断の可能性を示した.
  • 森田 武志, 高木 明, 山田 耕作
    耳鼻咽喉科臨床
    2007年 100 巻 9 号 761-764
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    We report a case of Tsutsugamushi disease (scrub typhus) diagnosed not by serum antibody test but by the clinical symptoms and course. A 15-year-old boy was admitted to our hospital, complaining of general fatigue and severe submandibular swelling. Physical investigation showed a fever, and CT scanning revealed severe swelling of subcutaneous tissue and lymph nodes in the neck. Laboratory data revealed slight leukocytosis and elevated CRP. On the first day of hospitalization, submandibular cellulitis was suspected and treatment with intravenous cephem antibiotics was started. On the second day after hospitalization, we found eschar on his back and a rash on his face, neck and back. As he had stayed in the mountains 10 days before hospitalization, Tsutsugamushi disease was strongly suspected and treatment with tetracycline antibiotics was added. On the day ten, he had recovered completely from all symptoms and left the hospital.
    To confirm the diagnosis of Tsutsugamushi disease, a serum antibody test using three classical serotypes of Kato, Karp and Gilliam strains was performed and was negative. Around Shizuoka prefecture, novel Kawasaki and Kuroki types have developed as major strains recently. A serological test or PCR method targeting these new serotypes was necessary for definitive diagnosis, but we could not perform those tests because we lacked blood samples from the acute phase.
  • 渡辺 真記子, 水野 寛, 平島 昌生
    西日本皮膚科
    2009年 71 巻 2 号 156-159
    発行日: 2009/04/01
    公開日: 2009/05/30
    ジャーナル 認証あり
    広島市立安佐市民病院において近年経験した
    ツツガムシ病
    の代表例を供覧するとともに,1998年1月から2007年12月までの10年間に当院で経験した
    ツツガムシ病
    62例について臨床的検討を行ったので報告する。解析症例は男性34例,女性28例で平均52.2歳であった。発症月は10~12月が58例(93.5%)であった。また,51例(82.3%)が広島市安佐北区に居住していた。発症後患者が初めにどの診療科を受診しているかを調べたところ内科が49例(79.0%)と最も多かった。臨床症状について発熱は62例(100%),発疹61例(98.4%),刺し口53例(85.5%),リンパ節腫脹41例(66.1%)に認められた。発熱が皮疹に先行した症例が57例中50例(88%)と多数を占め,発熱から発疹出現までの平均は3.5日であった。検査データについては異型リンパ球の出現を59例中48例(81.4%)に認め肝機能障害は57例(91.9%)に認められた。血小板減少は10例(16.1%)で認められたが,DICを併発した例はなかった。
    ツツガムシ病
    に感受性のある治療を開始してから解熱までは平均1.5日であり,いずれの症例もすみやかに解熱する傾向が認められた。これらは今後の診療においても目安となると思われた。
  • アンケートによる調査結果と感染症発生動向調査との比較
    松井 珠乃, 小川 基彦, 岸本 寿男, 海保 郁男, 大山 卓昭, コバヤシ ジョン, 岡部 信彦
    感染症学雑誌
    2004年 78 巻 3 号 248-252
    発行日: 2004/03/20
    公開日: 2011/02/07
    ジャーナル フリー
    1999年4月より開始された新感染症法に基づいた感染症発生動向調査において,
    ツツガムシ病
    は全数把握疾患となった. 地方衛生研究所 (以下地衛研) における,
    ツツガムシ病
    特異検査の実施状況を調査する目的で2002年7月に, 地衛研計73施設 (都道府県地衛研47施設, その他の地衛研26施設) に対し, 郵送によるアンケートを実施した (回答率92%). 都道府県地衛研の多くが
    ツツガムシ病
    特異検査を通常業務として実施しており, また感染症発生動向調査において多数の症例が報告されている地域の地衛研においては特に
    ツツガムシ病
    特異検査が実施されている傾向があった. また複数の検査法を同時に実施している施設が多く, 精度の高い検査が行われていた. 南日本においては, 血清検査の際標準的な株であるKato, Karp, Gilliam株以外にKawasaki, Kuroki株も用いているところが多く, 地域的な株の分布に配慮した検査が実施されていた. アンケート調査からあがってきた2000年, 2001年の都道府県別
    ツツガムシ病
    確定症例数と, 感染症発生動向調査の症例数を比較したところ, 似通った症例数となった県があり, これらの県においては臨床医, 地衛研, 保健所の間で
    ツツガムシ病
    の検査室診断と届け出に関して良好な関係が構築されている可能性が示唆された.
  • 竹之下 秀雄
    日本農村医学会学術総会抄録集
    2010年 59 巻 P2-E4-4
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/12/01
    会議録・要旨集 フリー
    ツツガムシ病
    は、
    ツツガムシ病
    リケッチア(Orienta Tsutsugamushi:以下OT)を保有するツツガムシの幼虫の吸着・刺咬によって発症する。福島県は
    ツツガムシ病
    の好発地域であり、2009年は96例で全国1位となった。また、2009年は30例の患者が当科(福島県南部の白河地方に存在)を受診し、男女比は14:16であり、5月受診が1例、10月受診が14例、11月受診が15例であった。OTには各種の血清型が存在するが、それぞれの血清型リケッチアを媒介するツツガムシの種類は決まっており、アカツツガムシはKato型優位のリケッチアを、フトゲツツガムシ(北国に多い)はKarp型またはGilliam型優位のリケッチアを、タテツツガムシ(南国に多い)はKawasaki型またはKuroki型優位のリケッチアを媒介する。30例のうち、5月受診の1例はKarp型優位のリケッチアのためフトゲツツガムシに刺され、10月受診の2例と11月受診の1例はKuroki型優位のリケッチアで、残り26例はKawasaki型優位のリケッチアであったため秋に受診した例は全てタテツツガムシに刺されたことが判明した。福島県では、寒さのためタテツツガムシの幼虫は秋に哺乳動物を刺して血を吸引しなければ越冬できないとされており、疫学的にはフトゲツツガムシとタテツツガムシは秋の
    ツツガムシ病
    をもたらし、フトゲツツガムシが春の
    ツツガムシ病
    を発症させていると考えられる。福島県では、1985年に27例の
    ツツガムシ病
    患者が届けられたが春に多く発症しており、2009年の96例中11例が春で、85例が秋に発症していた。すなわち、1985年はフトゲツツガムシによる
    ツツガムシ病
    が多く、2009年は、当科の結果を合わせて考えれば、タテツツガムシによる
    ツツガムシ病
    が多数発症した可能性が高い。このことは近年の温暖化の傾向が福島県においてタテツツガムシによる
    ツツガムシ病
    をより多く発症させる原因となっているものと考えられた。
  • 鏑木 豊, 田辺 俊成, 義澤 雄介, 飯泉 陽子, 北村 啓次郎
    皮膚
    1998年 40 巻 3 号 292-295
    発行日: 1998年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    42歳男性。南会津の山中を歩いた10日後より, 38℃ 台の発熱, 右鼠径リンパ節腫大と全身に多発散在する小紅斑が出現した。近医にてセファロスポリン系の抗生剤が投与されたが症状が改善しないため当科を受診した。皮疹は自覚症なく小豆大ないし爪甲大の紅斑で浸潤を触れない。右下腿に刺し口が見られた。
    ツツガムシ病
    を疑い検査を進めたところ, 免疫ペルオキシダーゼ法でKarp型リケッチア感染と診断された。ミノサイクリン経口投与により治癒せしめた。
  • 稲葉 宏次, 菅原 有子, 大内 健, 冨地 信和, 佐藤 慎一郎, 滝川 康裕, 鈴木 一幸
    日本消化器病学会雑誌
    2004年 101 巻 1 号 52-56
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/02/24
    ジャーナル フリー
    症例は58歳女性. 発熱, 右季肋部痛, 吐気で入院. 黄疸をともなう肝機能障害と壁の不整な浮腫状の肥厚をともなう, 腫大した胆嚢を認めた. 腹痛の増強あり経皮経肝胆嚢ドレナージ術を考慮したが, 画像所見上典型的な急性胆嚢炎の所見に乏しく, また悪性腫瘍も否定できず開腹下胆嚢摘出術を施行. 術後左前腕部の刺し口が明らかとなり,
    ツツガムシ病
    を疑いミノサイクリンを投与したところ解熱し, 肝機能も改善, CRPも陰性化し, 血清学的にも
    ツツガムシ病
    と診断された.
  • 松井 珠乃, 大山 卓昭, 岡部 信彦, 小野 友道
    日本皮膚科学会雑誌
    2002年 112 巻 9 号 1253-1255
    発行日: 2002/08/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    1999年4月に「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(略称:感染症法)」が施行され,感染症サーベイランスが法律に基づいて行われることになった.
    ツツガムシ病
    は全数把握のサーベイランス対象疾患となっている.熊本県における2000年の
    ツツガムシ病
    症例報告の現状を調査する目的で,2001年1月末に熊本県臨床皮膚科医会会員105人にアンケートを郵送し,69名(65.7%)から回答を得た.感染症サーベイランスが行われていることを知っていたのは19名で,
    ツツガムシ病
    が全数把握疾患であることを知っていたのは18名であった.2000年に
    ツツガムシ病
    症例を診断したと答えたのは12名で,症例は計19例であった.そのうち保健所への届け出が行われた症例は11例であった.サーベイランス情報の還元の現状についてのアンケートより,国立感染症研究所感染症情報センターのホームページ上で公開されている情報を見たことがあると答えたのは1名のみであり,新聞,広報などで見たことがあると答えたのは22名であった.
  • 杉田 泰之, 山川 有子, 内藤 静夫, 丸山 光雄, 中嶋 弘
    日本皮膚科学会雑誌
    1992年 102 巻 6 号 657-
    発行日: 1992年
    公開日: 2014/08/12
    ジャーナル 認証あり
    ツツガムシ病
    の病原体であるRickettsia tsutsugamushiのDNAを患者の血液からPCR法によって検出する診断法を実用的に改良した.PCR法の反応の過程でビオチンを増幅DNAの中に取り込ませ,酵素反応を用いたドットブロットハイブリダイゼーションで増幅DNAの特異性を確認した.この方法により信頼性の高い実用的な
    ツツガムシ病
    のDNA診断が可能であることを示した.
  • 酒井 克也, 石井 信之, 海老原 由佳, 望月 仁志, 塩見 一剛, 中里 雅光
    臨床神経学
    2016年 56 巻 8 号 577-579
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/08/31
    [早期公開] 公開日: 2016/07/29
    ジャーナル フリー

    症例1:66歳男性,紅班が出現した数日後に歩行困難となった.Guillain-Barré症候群(GBS)と診断,大量免疫グロブリン療法(IVIg)を施行し,約2週間で自力歩行可能となった.症例2:58歳女性,紅斑が出現した1週間後に歩行困難と呼吸不全を呈した.GBSと診断しIVIgを行った.人工呼吸器管理となったが約1か月で離脱した.両症例とも血清学検査で

    ツツガムシ病
    と診断した.
    ツツガムシ病
    では末梢神経障害の合併があるが,症例2のように重症化するGBSを生じることもある.GBSの原因の一つに
    ツツガムシ病
    があることを念頭に置く必要がある.

  • 吉住 正和, 小池 幹義, 高橋 奈緒美, 田仲 久人, 木暮 政惠, 岡田 正敏, 津久井 智, 猿木 信裕, 高橋 篤
    北関東医学
    2017年 67 巻 1 号 23-31
    発行日: 2017/02/01
    公開日: 2017/04/05
    ジャーナル フリー
    背景と目的:アカツツガムシを媒介としたつつが虫病は旧来より知られていたが, 1950年代から新型 (タテツツガムシあるいはフトゲツツガムシが媒介) が出現して全国的に拡がり, 群馬県でも1980年代から北部山間部を中心に散見されるようになった. 一方, 最近の群馬県におけるつつが虫病の発生状況は明らかとは言えない. 本研究では, 群馬県, 特に利根沼田2次保健医療圏における最近のつつが虫病の発生動向とその変遷などの特徴を明らかにすることを目的とする.
    方 法:群馬県統計年鑑・Infectious Agent Surveillance Report報告・利根沼田と吾妻地域の4類感染症発生届を用い, (1) 全国/群馬県/県内各2次保健医療圏におけるつつが虫病発生数と頻度の推移, (2) 利根沼田と吾妻地域における地域総人口/農業人口/60歳以上人口とそれらの発生頻度の推移・月別平均気温の推移 (3) 利根沼田地域のつつが虫病患者の年齢/職業/発生月/推定感染場所/血清タイプを検討した.
    結 果:(1) 全国と群馬県のつつが虫病発生頻度は2002年まで減少傾向にあったが, 群馬県の発生頻度は2007年以後上昇した. (2) 県内各地域の発生頻度は検討全期間を通して吾妻地域の占める割合が高く, 利根沼田地域では1995年を境に発生数が増加し, 2007年以後の利根沼田地域の発生数は群馬県の発生数の20~50%を占めていた. (3) 農業人口に対する発生頻度は各地域とも地域総人口に対する発生頻度と比べ有意に高く, 経時的に上昇していた. 一方, 60歳以上人口に対する発生頻度は地域総人口に対する発生頻度と比べ差異がなかった. (4) 利根沼田地域では最近の10年間で平均気温の上昇が認められた. (5) 群馬県及び利根沼田地域の発生時期は10月~11月, 推定感染場所は河岸段丘の農地が大半であった. (6) 利根沼田地域では感染地域の拡大が認められ, 血清タイプは標準型 (Karp・Gilliam型など) が70%と多かったが, Kawasaki型などの新しいタイプも認められた.
    結 語:近年の群馬県ではつつが虫病の発生が増加しており, その主因に利根沼田地域の発生増加が考えられる. 利根沼田地域の発生増加には河岸段丘農業地域における感染の拡大と感染率 (発生頻度) の増加, 気温上昇の影響が示唆される. 群馬県の有毒ツツガムシは血清タイプや発生月の推移から, フトゲツツガムシ (Karp・Gilliam型) によるものが主体で, 関東南部や九州に多いKawasaki型などを含むタイプとの混在も示唆される. 今後, 好発地域, 好発時期における地域住民に対する感染予防啓発が重要と考える.
  • 竹之下 秀雄
    日本農村医学会学術総会抄録集
    2009年 58 巻 P2-D422
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/03/19
    会議録・要旨集 フリー
     
    ツツガムシ病
    は,
    ツツガムシ病
    リケッチア(Orienta
    Tsutsugamushi:以下OT)を保有するツツガムシの幼虫
    の吸着・刺咬によって発症する。福島県は,
    ツツガムシ病

    の好発地域であり,届出患者数は2005年と2006年がそれぞ
    れ38人,45人で全国1位であり,2007年と2008年はそれぞ
    れ44人,67人で鹿児島県に次ぎ全国2位であった。当科で
    も,毎年10名前後の患者を診察治療しているが,2008年は
    11例の患者が当科を受診した。これらの11例の症例の特記
    事項を紹介・報告するとともに,過去の報告例を踏まえ若
    干の考察を試みた。男女比は5:6であり,このうち前医
    ツツガムシ病
    として治療された例は2例。前医でツツガ
    ムシ病以外の疾患として治療された例は4例。残り5例は
    初診で当科を受診し
    ツツガムシ病
    として治療された。皮疹
    は,辺縁が不鮮明な紅斑が全身性に播種性に散在するのが
    特徴であるが,紅斑の数が少なく淡いために見逃されて診
    断が遅れた例や,紅斑の数が多く濃いために薬疹と誤診さ
    れた例もあった。刺し口の数は,1個が9例,2個が0
    例,3個が2例であった。刺し口の形態は,痂皮形成が9
    例,皮膚潰瘍形成は2例であった。一度吸着したツツガム
    シは,移動して吸着を繰り返す事はない。また,OT を含
    有していないツツガムシに刺されても刺し口は生じる。こ
    のため,刺し口が複数の場合,全ての刺し口からOT が刺
    入されたかは不明である。特記すべき症例として58歳女性
    の例を紹介する。初診時のIgM 抗体はGilliam 型,Karp
    型,Kato 型の全てが陰性(<40倍)であったが,IgG 抗
    体はKarp 型が80倍,Kato 型が160倍と陽性であった。1
    週後にはIgM 抗体がGilliam 型(80倍),Karp 型(640
    倍),Kato 型(640倍)の全てで陽性となった。このこと
    は,本例が過去に
    ツツガムシ病
    に罹患し今回再感染したこ
    とを裏付けている。しかし,問診上
    ツツガムシ病
    の罹患歴
    はないため,前回は不顕性感染の可能性も考えられた。
  • 中本 洋平, 濱口 杉大
    福島医学雑誌
    2024年 74 巻 1 号 7-11
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/04/24
    ジャーナル フリー HTML

    関連する既往のない50歳代の男性が,7日前から生じた倦怠感,食思不振,呼吸困難を主訴に当院へ救急搬送された。敗血症性ショックと診断され救急科に入院となった。昇圧剤と抗菌薬による治療が開始されたが全身状態の改善がなく,入院翌日に原因精査のため当科に転科となった。身体診察では発熱と散在する紅斑性皮疹に加えて右腋窩に黒色痂皮を認め,

    ツツガムシ病
    が強く疑われた。血液検査では血小板とフィブリノーゲンが低下しており播種性血管内凝固(DIC)の状態だった。ミノサイクリンによる治療を開始し全身状態は改善傾向になったが低フィブリノーゲン血症は継続した。入院5日目に消化管出血による出血性ショックが発生し,緊急内視鏡では十二指腸の有茎性ポリープからの出血が生じており内視鏡的クリッピング術が行われた。しかしその後もDICとショックの状態が継続したため,入院7日目に十二指腸ポリープに対して緊急ポリペクトミーを行いショックとDICは改善した。ポリープは腺腫であり,
    ツツガムシ病
    で生じる消化管出血でみられる血管炎の所見はなかった。
    ツツガムシ病
    はリケッチアであるOrientia tsutsugamushiがツツガムシの刺咬により伝搬するダニ媒介感染症である。重症化は全身の血管炎によって生じ,全身状態が改善しないまま様々な合併症が生じ,消化管出血も稀な合併症の1つである。本症例は治療により一旦全身状態が回復した後に,遷延する凝固異常によって十二指腸ポリープから出血し緊急ポリペクトミーによって改善した。ポリープの病理に血管炎の所見はなく,遷延する凝固異常がもたらした出血であると考えられ,これまで報告されている
    ツツガムシ病
    の消化管出血とは異なる機序で生じていたと考えられた。
    ツツガムシ病
    では治療により全身状態が回復しても,凝固異常が遷延している場合消化管出血の発症に注意する必要がある。

  • 岩下 みゆき, 矢口 均, 堀之薗 弘, 前嶋 啓孝, 酒井 優
    西日本皮膚科
    2005年 67 巻 4 号 363-366
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/12/02
    ジャーナル 認証あり
    最近経験した恙虫病症例を供覧するとともに,過去23年間に経験した22症例の臨床症状及び臨床検査所見の特徴を検討したので報告する。自衛隊中央病院における恙虫病患者は病院の特性上,全て演習後に発症した男性自衛官で,感染地域はすべて富士山麓である。富士山麓は1948年の駐留米軍によるヘリボン作戦(heliborne operation)の際に多数の患者が発生し,これを契機に厚生省の全国的な調査が始まったという新型恙虫病の発端となった地域でもある。当院で経験した患者数は1981~2003年の23年間に22例あり,初診時期は10月が16例(72.7%)と最も多く,11月が2例(9.1%),12月が3例(13.6%)。臨床的には発熱・皮疹が全例にみられ,発熱先行が18例(81.8%),ほぼ同時出現が3例(13.6%)とほとんどの症例で発熱が先行した。刺し口は1例を除き確認されたが,下腿8例(36.4%),腹部5例(22.7%)胸部3例(13.6%)であった。またリンパ節腫脹は,全身13例,一部8例をあわせ21例(95.5%)に,肝脾腫はそれぞれ11例(50.0%)・12例(54.5%)に認められた。一方臨床検査値の異常としては,GOT,GPT,LDH,CRPの上昇が18例(81.8%),18例(81.8%),21例(95.5%),18例(81.8%)と高率にみられた。
  • 吉永 秀哉, 階子 俊平, 長岡 克弥, 肱岡 範, 竹熊 与志, 北田 英貴, 川口 哲, 一二三 倫郎, 中村 太造
    日本内科学会雑誌
    2008年 97 巻 8 号 1873-1875
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    出血性十二指腸多発潰瘍にて入院となった,86歳,男性.入院後発熱,肝障害,意識障害が出現した.経過中にダニの刺し口を疑う痂皮を認めミノサイクリンを投与し,以後全身状態は速やかに改善した.後日血清学的に
    ツツガムシ病
    と診断した.病原体のリケッチアは細血管内皮細胞で増殖し様々な臓器障害を来すが,十二指腸潰瘍の報告例は極めて稀である.本例の潰瘍はその特徴から微小循環障害が原因と思われ,
    ツツガムシ病
    による臓器障害の可能性が高い.
  • 松下 明子, 高野 政彦, 渋谷 倫子, 渡邉 修一, 比留間 政太郎, 小川 秀興
    日本皮膚科学会雑誌
    1999年 109 巻 14 号 2227-
    発行日: 1999年
    公開日: 2014/08/19
    ジャーナル 認証あり
    重症の
    ツツガムシ病
    の1例を報告し,新潟県長岡赤十字病院において昭和63年から平成9年の10年間に治療を行った
    ツツガムシ病
    の20例を集計した.症例は83歳,女性.意識障害を伴う発熱で受診し,背部に黒色痂皮を付着する刺し口疹を認めた.播種性血管内凝固症候群(Disseminated Intravascular Coagulation:DIC),急性腎不全,間質性肺炎を併発しており,塩酸ミノサイクリン,メシル酸ガベキサートの投与、血液透析,ステロイドパルス療法を施行した.長岡赤十字病院の過去の20例のうちDICスコアで6点以上のものは5例,うち2例で腎不全を合併し血液透析,血漿交換を行った.
    ツツガムシ病
    は,テトラサイクリン系の投与により劇的に軽快するが,治療が遅れるとDICを併発し重症化することがあるので注意が必要である.自験例は重症例であり,かつ救命し得た数少ない症例である.
  • 田中 厚, 山藤 栄一郎
    日本皮膚科学会雑誌
    2009年 119 巻 12 号 2329-2337
    発行日: 2009/11/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    これらはいずれもダニ類が媒介する感染症であるが,特徴的な発疹が診断上重要であることと,治療にはスピードも要求されるので,皮膚科医の責任は重い.またこれらの疾患について考える場合,地球的規模の視野も今後さらに必要となっていくと考えられる.
  • 日本ダニ学会誌
    1999年 8 巻 2 号 165-174
    発行日: 1999/11/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
  • 大谷 勝実, 金子 紀子, 青木 敏也, 藤田 博己
    衛生動物
    2009年 60 巻 4 号 317-321
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2016/08/06
    ジャーナル フリー
    We reported a case of tsutsugamushi disease occurring in Yamagata Prefecture in Nov, 2007. A 70-year old man was admitted to the hospital for fever (38.9℃), skin rash, and an eschar on his neck. Laboratory examination of serum taken 14 days after onset of the illness showed elevated titers of antibodies against the Shimokoshi strain of Orientia tsutsugsmushi (IgG: 1:2,560; IgM: 1:5,120). The gene encoding the 56-kDa-protein specific for O. tsutsugamushi was detected by PCR from the patient's blood. Further sequence analysis of the PCR product (1,768 bpfragment including ORF region) revealed 99.4%, and 98.5% similarities to the Shimokoshi strain (Accession No: M63381) at the nucleotide and amino acid levels, respectively. Therefore, a very rare case of Shimokoshi-type tsutsugamushi disease was found in Yamagata Prefecture. Identification of the trombiculid species of vectors for this type of tsutsugamushi disease is needed in the future.
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