牛伝染性リンパ腫ウイルス(BLV)感染源リスクの高い牛を検出するために,純水で希釈した全血を用いたダイレクトPCR法(希釈D-PCR法)を行い,BLV-CoCoMo-qPCR法(LTR法)によるプロウイルス量及びECの鍵判定結果と比較した.LTR法のリスク分類基準値は既報の定量リアルタイムPCR(tax法)との相関により20,000コピー以上を高リスク,5,000〜20,000を中リスク,5,000未満を低リスクと設定した.BLV感染牛210検体について希釈D-PCR法を実施したところ,中リスク以上の134検体中133検体が陽性,ECの鍵陰性の高リスク15検体を見逃しなく検出した.希釈D-PCR法の中リスク以上を検出する精度は高いと示唆され,BLV陽性率の高い農場におけるリスク牛の選別に活用可能と考えられた.
抄録全体を表示