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クエリ検索: "モミ属"
730件中 1-20の結果を表示しています
  • 石塚 航
    森林遺伝育種
    2017年 6 巻 2 号 74-76
    発行日: 2017/04/25
    公開日: 2020/04/22
    ジャーナル フリー
  • 杉原 美徳
    植物学雑誌
    1947年 60 巻 703-714 号 58-62
    発行日: 1947年
    公開日: 2007/06/18
    ジャーナル フリー
    The early embryogeny of Abies firma Siebold et Zuccarini is described. In 1942 the fertilization took place in early July in Sendai. The proembryo formed in the basal part of the archegonium is composed of sixteen cells which are arranged in four rows each consisting of four cells. In these tiers of the proembryo, the uppermost is the open cell, the second the rosette cell, the third the primary suspensor and the lowest the emrbyonic cell. After the elongation of the primary suspensor each cell of the embryonic tier divides independently to form a mass of embryonic cells.
    In the next stage the elongation of the embryonal tube takes place in these masses of embryonic cells. In some cases (about 28%) the separation of the embryonic cell masses in their development takes place. In such cases the cleavage polyembryony is found later. The components of an embryo are the open cells, the rosette cells, the primary suspensor, the massive secondary suspensor and the embryo propers. In the early growing stage of the embryo the existence of the apical cell in each embryonic units is always found. On this point the writer′s result is opposed to the Buchholz′s opinion on the same genus. Slightly developed rosette embryos are also sometimes found.
  • 長谷川 陽一, 鈴木 三男
    植生史研究
    2013年 22 巻 1 号 3-12
    発行日: 2013年
    公開日: 2021/03/17
    ジャーナル オープンアクセス
    過去の植物の分布は,当時の堆積物に含まれる植物化石の分類群を形態形質を用いて同定することで明らかにされてきた。しかし,その分類群の同定は種子などの一部を除いて一般に属のレベルにとどまり,種のレベルで過去の植生を明らかにすることは難しかった。そこで本研究では,採集した花粉化石からPCR 法を用いてDNA を増幅し,その塩基配列を現生種のものと比較することで種の同定を試みた。仙台市富沢遺跡の約2 万年前の堆積物から双眼実体顕微鏡を用いてマツ科
    モミ属
    ・トウヒ属の花粉化石を識別して取り出し,採集した花粉化石から葉緑体DNAのtrnT-trnL とtrnW-trnP の2 つの遺伝子間領域(それぞれ160 bp, 158 bp)を増幅して,種の識別を試みた。その結果,採集した花粉化石61 粒のうち,両遺伝子間領域で1 粒ずつ計2 粒の花粉化石からDNA の増幅が確認された。DNA の塩基配列を決定したところ,共に
    モミ属
    のDNA であり,ひとつは現生の
    モミ属
    5 種の塩基配列と少なくとも1 塩基の違いで異なった。もうひとつは現生のウラジロモミとシラビソの塩基配列と一致した。この結果,当時の仙台市には,現生
    モミ属
    樹種のうち少なくともウラジロモミまたはシラビソが生育していた可能性が示唆された。現在よりも寒冷な氷河期に,温かい南方に分布するこれらの樹種が北上して分布していたという意外な結果が得られた。
  • 鈴木 伸哉, 能城 修一
    植生史研究
    2008年 16 巻 2 号 57-72
    発行日: 2008年
    公開日: 2021/06/16
    ジャーナル オープンアクセス
    東京都中央区日本橋一丁目遺跡から出土した江戸時代初期から近代にいたる遺構構築材の樹種を同定し,江戸の町屋における土木・建築用材の変遷と,そこから類推される木材利用の様相を検討した。土蔵跡17 基,穴蔵23 基,下水木樋・枝樋86 基,井戸5 基の部材1934 点の樹種を検討した。その用材には江戸時代初期から幕末・近代にかけて変遷が認められ,とくに17 世紀中葉~後葉と18 世紀中葉~後葉に顕著であった。17 世紀中葉以前には,下水木樋・枝樋にサワラを中心とする様々な針葉樹と広葉樹が,また穴蔵には多様な針葉樹が用いられ,多元的で変異に富んだ木材の生産・流通や,都市建設と木材需要の急増による各地からの多様な木材の搬入を反映していた。17 世紀中葉以後には,下水木樋・枝樋にはアカマツを主体とする様々な針葉樹が用いられ,穴蔵には大径のアスナロ(ヒバ)が多用されるようになり,土蔵の基礎部分には,アカマツ,クリ,スギ,ツガ属や,様々な転用材が用いられていた。これは木材生産・流通網の整備による,用途に応じた用材選択の確立と,転用材を用いた経費削減を反映していた。18 世紀後葉以降になると,江戸近郊の植林材の生産・流通の拡大を反映し,下水木樋・枝樋,穴蔵,土蔵にはヒノキ科の針葉樹の減少と,アカマツ,スギ,カラマツ属の利用の拡大が認められた。こうした変遷の背景には,都市人口の増加と,明暦の大火(1657 年)をはじめとする火災の影響が推定された。
  • 佐藤 峰華, 岡 秀一
    地理学評論 Series A
    2009年 82 巻 2 号 144-160
    発行日: 2009/03/01
    公開日: 2011/05/31
    ジャーナル フリー
    シラビソAbies veitchii,オオシラビソA. mariesiiの優占する日本の亜高山針葉樹林帯には,いわゆる縞枯れ現象wave-regenerationが発現する.これは,天然更新の一つのパターンであり,特に北八ヶ岳にはその広がりが顕著である.北八ヶ岳・前掛山南斜面における亜高山帯針葉樹林で,空中写真判読を行い,いくつかの更新パターンを検出した.さらに,その違いが何に由来するのかを検討するために,現地で林分構造,齢構造,ならびに土壌条件について調査を行った.その結果,成熟型更新林分,縞枯れ型更新林分,一斉風倒型更新林分,混生林型更新林分という構造と更新パターンを異にする四つの林分が識別された.これらの林分が出現する範囲はほとんど固定されており,縞枯れ型更新林分は,南向き斜面のごく限られた領域にしか生じていなかった.これらの林分の配列は土壌の厚さや礫の混在度ときわめてよい対応関係を持っており,縞枯れ現象を発現させる自然立地環境として,斜面の向き,卓越風向などとともに,土壌条件が重要な役割を果たしていることが明らかになった.
  • 北海道南西部における材化石および花粉化石からの復元
    川村 弥生, 紀藤 典夫
    第四紀研究
    2000年 39 巻 2 号 121-138
    発行日: 2000/04/01
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    北海道南西部の森町濁川周辺に分布する最終氷期末期(約12,000yrs BP)の濁川テフラに埋積された材化石群集および花粉化石から,植生を復元した.濁川テフラ内やその直下から得られた炭化材・材化石は,いずれも
    モミ属
    が最も多く,次いでトウヒ属,カバノキ属,カラマツ属,バラ属が産出した.これまでの大型植物化石の研究から,
    モミ属
    はトドマツ,カラマツ属はグイマツであると思われる.樹木花粉組成は,主として
    モミ属
    ・トウヒ属・カバノキ属からなり,ほかにマツ属,ハンノキ属,クマシデ属,ニレ属を伴う.主要花粉の組成は,材化石の組成とほぼ一致する結果が得られた.また,草本花粉・胞子の組成はシダ植物の胞子が多く,ヨモギ属やイネ科,カヤツリグサ科の花粉などを伴う.材化石および花粉化石から復元される濁川盆地周辺の植生は,森林においては
    モミ属
    が卓越し,トウヒ属・カバノキ属を混じえ,ハンノキ属・バラ属を伴っている.また,林床や森林周縁においてはシダ植物が優占し,ヨモギ属やイネ科,カヤツリグサ科の草本が生育していたと推定される.最終氷期末期の濁川周辺のトドマツが卓越する植生は,最終氷期最寒冷期より温暖な気候条件を反映したものであると考えられる.
  • 鵜川 信, 橋本 徹, 岩本 宏二郎, 金子 真司, 福田 健二
    森林立地
    2010年 52 巻 2 号 79-86
    発行日: 2010/12/25
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル フリー
    亜高山帯
    モミ属林における林分の発達とモミ属
    実生の定着の関係を明らかにするため,発達段階の異なる
    モミ属
    林において,群落構造,林床の相対照度および
    モミ属
    実生の定着状況を調べた。林分の発達程度は,最大胸高直径および最大樹高を指標として決定した。立木密度は,もっとも発達した林分でもっとも低かった。もっとも発達した林分では,林床に定着している
    モミ属
    実生の個体数密度が,他の林分よりも高く,林床の相対照度も,他の林分より高い傾向がみられた。さらに,もっとも発達した林分では,3〜10年生の実生の個体数密度が,他の林分よりも高かった。これらのことから,林分の発達にともなって立木密度が減少した林分では,林床に達する光量が多くなり,実生の定着が高い密度で起こるものと考えられた。
    モミ属
    実生の定着は,林床の相対照度が6%に達するとみられるようになり,それ以上の相対照度では,相対照度にともなって実生の個体数密度が増加した。林床の相対照度は,樹高1.3m以上の立木密度の減少にともなって増加し,立木密度6,000本ha^<-1>において,林床の相対照度が6%になることが確認された。以上のことから,林分の発達によって立木密度が6,000本ha^<-1>まで減少すると,林床の相対照度が6%に達し,実生が定着できるようになることが明らかにされた。
  • 磯田 圭哉, 白石 進, 木佐貫 博光
    日本林学会誌
    2000年 82 巻 4 号 333-341
    発行日: 2000/11/16
    公開日: 2008/05/16
    ジャーナル フリー
    本邦産
    モミ属
    5種の系統分類学上の位置を解明するため,
    モミ属
    15種について葉緑体DNA上の3スペーサー領域の塩基配列分析, および核DNAのRAPD分析による系統解析を行った。葉緑体DNA塩基配列分析の結果, 本邦産
    モミ属
    の中で, オオシラビソA. mariesiiは, 北米産のA. grandisや、A. concolorとともに
    モミ属
    の中でも古くに分化した系統であり, 他の本邦産
    モミ属
    植物とは起源を異にしていた。A.mayiesii以外の4種はすべて近縁な関係にあった。これらの種は, 北米産のA. balsamea, A. lasiocarpaおよびアジア産のA. holophylla, A. koreana, A. nephrolepis, A. sibiricaと近縁な関係にあった。また, これらの近縁種群を対象としたRAPD分析の結果, モミA. firmaとウラジロモミA. hornolepisは, 朝鮮半島から中国北東部にかけて分布するA. holophyllaとより近縁な関係にあった。一方, シラビソA. veitchiiとトドマツA. sachalinensisは, シベリア南東部から朝鮮半島にかけて分布するA. nephrolepisおよび朝鮮半島に分布するA. koreanaと単系統群を形成した。
  • 秋本 正信
    日本林学会北海道支部論文集
    1987年 35 巻 61-63
    発行日: 1987/03/10
    公開日: 2018/04/04
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 伸哉, 能城 修一
    植生史研究
    2006年 14 巻 2 号 61-72
    発行日: 2006年
    公開日: 2021/06/16
    ジャーナル オープンアクセス
    東京都新宿区崇源寺・正見寺跡の17 世紀後半~ 19 世紀前半を主体とする2 つの寺院跡の一般都市住民層の墓域より出土した木棺の用材の樹種と形態を検討し,当時の身分・階層差と森林資源状況の変化の影響を評価した。円形木棺257 基と方形木棺178 基の部材902 点について,樹種同定と,長さ・厚さの計測,木取りの観察,部材の枚数の計数をおこなった。崇源寺・正見寺の両墓域とも,円形木棺ではスギが,方形木棺では
    モミ属
    とアカマツがそれぞれ主体であり,これは将軍家や大名家の木棺用材とはまったく異なり,当時の身分・階層の差が木棺用材に反映していた。円形木棺用材は,17 世紀後半~ 18 世初め頃まではアスナロやヒノキ・サワラが多く用いられていたのに対し,時期が下るにつれてスギやアカマツ,
    モミ属
    などに置き換わり,各部材の厚さは横ばいか厚くなった。文献史学や植生史研究の成果と対比し,崇源寺・正見寺跡から出土した円形木棺用材は,17 世紀後半~ 18 世紀はじめ頃までは木曽川・天竜川流域の天然林からもたらされた移入材であったが,時期が下るにつれて,天然林資源の枯渇と,江戸近郊における木材生産の活発化や植林と,「江戸地廻り経済圏」の発達によって青梅・西川地域などの江戸近郊の天然林や人工林からもたらされた木材に置き換わったと考えた。
  • 魚住 正
    日本林学会誌
    1959年 41 巻 6 号 243-245
    発行日: 1959/06/25
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
  • 初島 住彦
    林學會雑誌
    1932年 14 巻 3 号 158-169
    発行日: 1932/03/10
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
  • *高木 悦郎
    日本森林学会大会発表データベース
    2018年 129 巻 L9
    発行日: 2018/05/28
    公開日: 2018/05/28
    会議録・要旨集 フリー

    トドマツノキクイムシは,北海道~九州,朝鮮半島,シベリアにおいて,

    モミ属
    を加害する樹皮下キクイムシである.近年,シベリアモミ天然林において枯損が発生,拡大している.しかし,トドマツノキクイムシによる,他の
    モミ属
    樹種への加害状況や選好性の違いは明らかになっていない.また,
    モミ属
    各樹種は,ほぼ異所的に分布している.そのため,トドマツノキクイムシの生息域によって,寄主選好性に違いがあるかもしれない.そこで,トドマツノキクイムシの加害選好性とその地理的変異を明らかにするために,2015年春に,
    モミ属
    4種(モミ,ウラジロモミ,シラビソ,トドマツ)の丸太を,北海道と本州中部山岳地帯に設置,同年夏に回収し,トドマツノキクイムシによる穿孔数を計測した.トドマツノキクイムシによる穿孔数は,北海道と本州中部山岳地帯の両方において,トドマツよりもシラビソで有意に多かった.このことから,シラビソが存在しない北海道でも,シラビソを好むことが明らかになった.発表では,他の
    モミ属
    2種の結果も合わせて,トドマツノキクイムシの寄主選好性と穿孔成功率の地理的変異について議論する.

  • 陶山 佳久
    森林遺伝育種
    2014年 3 巻 4 号 173-178
    発行日: 2014/10/25
    公開日: 2020/07/13
    ジャーナル フリー
  • 寺田 和雄, 太田 貞明, 鈴木 三男, 能城 修一, 辻 誠一郎
    第四紀研究
    1994年 33 巻 3 号 153-164
    発行日: 1994/07/31
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    青森県十和田湖東方には, 十和田火山起源の十和田八戸テフラにおおわれた最終氷期 (約12,650年前) の埋没林が広い地域で確認される. その埋没林から採集した埋没樹木22個体 (トウヒ属14個体, カラマツ属5個体,
    モミ属
    3個体) に年輪年代学の手法を適用したところ, トウヒ属と
    モミ属
    では属内でもまた属間でもクロスデイティングができた. しかしながら, すべて倒木状態で産出したカラマツ属は, 属内においても属間でもクロスデイティングができなかった. また, 樹皮の残存したトウヒ属8個体と
    モミ属
    3個体の立木の最終形成年輪の形成年が, クロスデイティングの結果, 一致したことから, 同じ年に死滅したことがわかった. さらに, この最終形成年輪の年輪構造の詳細な検討から, その年の晩材形成がすでに終了していることがわかった. 以上のことから, この埋没林は, ある年の秋から次の春までの間に起きた十和田火山の噴火により, 短時間のあいだに埋積され, 一斉に枯死したことが明らかになった.
  • 長尾 精文, 浅川 澄彦
    日本林学会誌
    1963年 45 巻 11 号 375-377
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
    トドマツ,シラベ,ウラジロモミの3種の
    モミ属
    のタネについて,発芽におよぼす冷処理および光の影響についてしらべた。いずれの種のタネも,冷処理によっていちじるしく発芽が捉進される。光も発芽を促進する効果はあるが,冷処理の効果よりは小さい。また冷処理することによって発芽に光を必要としなくなるタネが増加するとともに,タネの光感性もたかまる。赤色光を一回照射した場合よりも毎日白色光をあたえた場合の方が促進的効果は大きいが,その差は冷処理したタネで小さくなる傾向がみとめられる。また赤色光の促進的効果は赤外光照射によってみとめられなくなることから,これらのタネの光感反応にも,ファイトクロームが関与しているものと考えられる。
  • *小林 憲太, 高木 悦郎
    日本森林学会大会発表データベース
    2020年 131 巻 L2
    発行日: 2020/05/25
    公開日: 2020/07/27
    会議録・要旨集 フリー

    トドマツノキクイムシ(以下、トドキクイ)は、北海道~九州、朝鮮半島、シベリアにおいて、

    モミ属
    を加害する樹皮下キクイムシである。近年、シベリアモミ天然林において被害が拡大している。これまでトドキクイの坑道内性比は、坑道の形状から、一夫多妻と考えられてきた。しかし近年、シベリアモミにおける室内実験で、一夫一妻であると報告された。また、日本に生息する5種の
    モミ属
    における坑道内性比は明らかになっていない。そこで、野外におけるトドキクイの坑道内性比を明らかにするために、2019年5月、本州に自生する
    モミ属
    4種(モミ、ウラジロモミ、シラビソ、オオシラビソ)の丸太を本州中部山岳地域に、北海道に自生する
    モミ属
    1種(トドマツ)の丸太を北海道に設置した。同年7月に樹皮を剥ぎ、坑道内の雌雄を計数した。全297個の坑道のうち、2頭以上の雄がいる坑道は存在せず、雌が1頭存在した坑道は212個、2頭存在した坑道は6個であった。このことから、坑道内における一夫多妻制の頻度はとても低い(2.0%)ことが明らかになった。また、雌雄片方もしくは両方とも存在しない坑道があったことから、成虫が坑道から脱出して再寄生する可能性が示唆された。

  • 太田 基
    日本林學會誌
    1951年 33 巻 3 号 110-117
    発行日: 1951/03/25
    公開日: 2008/12/19
    ジャーナル フリー
    満洲系植物分布区の中央部に近い間島地方に産する
    モミ属
    (チヨウセンモミ トウシラベ)トウヒ属(エゾマツ・チヨウセンハリモミ)及びチヨウセンマツの5樹種に就て,物理的及び強度的性質に関する実験を行ひ次の結果を得た。
    1.平均年輪幅はチヨウセンハリモミ(2.1mm)が最大で,チヨウセンマツ(1.2mm)が最小値を示す。其他は類似して約1.6mmである。
    2.収縮率はトウヒ属が大で,其他は大体類似して居る。又髄線方向収縮率から求めれ繊維飽和点は5樹種共に含水率約24%である。(第3表参照)
    3.比重は絶乾状態に於てエゾマツが特に大で,チヨウセンマツ及びチヨウセンハリモミが之に次ぎ,
    モミ属
    は最小である。(第4表参照)
    4.縦圧縮ではチヨウセンハリモミが最大値を示し,其他には大差が無い。(第8表参照)
    5.横圧縮ではチヨウセンマツが最大値を示し,トウヒ属が之は次ぎ,
    モミ属
    は最小値を示す。(第10表参照)
    6.剪断ではチヨウセンハリモミが最大値を示し,チヨウセンマツ・エゾマツが之に次ぎ,
    モミ属
    が最小値を示す。(第12表参照)
    7.硬度は3種な通じてトウヒ属が人で,チヨウセンマツが中庸,
    モミ属
    が最小である。(第13表参照)
    8.曲げでは弾性係数に於てエゾマツが最大値を示し続いてチヨウセンモミ・チヨウセンマツ・チヨウセンハリモミ・トウシラベの順となつた。其他に就てはチヨウセンマツが最大値を示し,トウヒ属が之に次ぎ,
    モミ属
    が最小値を示す。(第14表参照)
    9.横引張はチヨウセンマツが最大値を示し,トウヒ属が之に次ぎ,
    モミ属
    は最小値な示す。(第16表参照)
    10.材質を実験結果から検討しチヨウセンマツが最優秀で,チヨウセンハリモミ・チヨウセンモミが之に次ぎエゾマツは中庸で,トウシラベが最も劣る結果を得た。(第17.18.19表参照)
  • 楡井 尊
    埼玉県立自然の博物館研究報告
    2018年 12 巻 1-16
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/06/14
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    鶴ヶ島市の2地点で得られた花粉分析資料を再検討し,推定される古植生変遷から約2万年前以降の花粉生層序を設定し,古植生から推定される古気候変遷とグローバルな気候変動と対応を考察した. IK-F帯は亜寒帯針葉樹林が優勢な寒冷気候を示すが,冷温帯落葉広葉樹の一定の拡大が認められ,下位のIK-E帯よりは寒冷の程度が低い.このことは,約19,000年前の最終氷期最盛期以降,最初の融氷水増加イベント(19kaイベント)に対応する.IK-E帯では,亜寒帯針葉樹林が優勢で,冷温帯の落葉広葉樹は極めて少ない.古気候はもっとも寒冷だった.この帯の中にハインリッヒイベント1と呼ばれる,寒冷化イベントに相当する層準が,含まれる可能性がある.IK-D帯はコナラ亜属を主とする冷温帯落葉広葉樹林が拡大し,ベーリング期~アレレード期にあたる.IK-E帯とIK-D帯の境界での急激な温暖化は,融氷水パルス1A(MWP-1A)と呼ばれる約1,4万年前の温暖化イベントに対応する.IK-B帯,TS-B帯では中間温帯のモミ・ツガ林が拡大する.特にTS-B-2亜帯は,約3.5~2千年前の,いわゆる弥生の小海退に対応する気候変動が認められる. このように,中部日本の後期更新世から完新世の内陸部の古植生変遷は,グローバルな古気候変動に応答している.
  • 藤井 伸二
    保全生態学研究
    2009年 14 巻 1 号 67-72
    発行日: 2009/05/30
    公開日: 2018/02/01
    ジャーナル オープンアクセス
    近畿地方北部におけるオナ
    モミ属
    3種(イガオナモミ、オオオナモミ、オナモミ)の相対的な過去の変遷について、植物標本に基づいた調査を行った。その結果、オナモミの1950〜1960年代の急速な減少とその後の絶滅、オオオナモミの1950年以降の優占化、イガオナモミの1980年代の急速な勢力拡大は大阪湾を起点にした河川沿いの内陸部への侵入によって起こったことが明らかになった。近縁種群の過去の変遷を知る上で、植物標本の情報を活用することの有効性が示された。
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