島尻層群泥岩分布地域の地すべりについて, 縦断面形状および
c′-tan
φ′図の特徴を明らかにすると共に, 初生型地すべりの発生場の特徴について検討し, 詳細類別を試みた。得られた結果は以下の通りである。
1.島尻層群泥岩地すべりはすべり面平均勾配が小さいほど地すべり斜長と移動量が大きくなる。
c′-tan
φ′図のtan
φ′軸切片は, すべり面平均勾配に依存し, すべり面平均勾配が大きくなれば大きくなり, 逆にすべり面平均勾配が小さくなれば小さくなる傾向を示した。
2.初生型地すべりは, 斜面下方における既往地すべりの存在および切土が発生要因になっていること, すなわち横圧減少 (応力解放) に因る地質弱面等の緩みや進行性破壊の拡大が斜面の不安定化を助長させていること, そして既往すべりのすべり面が地すべり本体のすべり面の一部に転化する場合に移動量が大きくなることが推察された。
3.初生型地すべりの発生場を地形・地質条件等を基に「下方部に既往地すべりを擁する斜面」, 「中腹部に既往地すべりを擁する斜面」および「切土されている斜面」の3つに類別した。
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