身近な電子レンジを使った電磁波の教材は大きな教育効果が期待できる.本研究では,既存の教材(板倉,2006)で提案されている水と食用油の電子レンジ加熱の比較実験について詳細に調べ,液量を少な目にした方が分子の極性の違いが温度変化に反映されやすいことを明らかにした.また,同様の実験に流動パラフィン,スクアレン,ポリエチレングリコールなどが使用できることを示した.既存の教材はマイクロ波の電場の波と物質の相互作用を題材にしたもののみであるが,磁場の波を意識させる教材も必要である.本研究では,バーアンテナのフェライトコアの電子レンジ加熱が磁性加熱によるものであることを明らかにし,この現象の教材としての活用を提案した.
抄録全体を表示