長良川河口堰, 諌早湾干拓など, 全国各地で
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をめぐって, 住民や環境保護派による反対運動が起こっている。住民の価値観の多様化, 環境問題や税金の使途に対する関心の高まりなどが背景にある。こうした中で,
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に対して国民や市民の合意をどのように形成していくかは, 今後の社会資本整備に必要不可欠な視点であり, その前提条件としての情報公開の重要性, 必要性が声高に叫ばれている。ここでは,
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に関する情報を公開することにどのような得失があるのか,
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と住民との関わりの中でどのような情報の開示が必要かを考察する。結論として, 「情報公開が直ちに事業の合意形成に住民意思を反映させることを意味するものではないが,
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における情報公開の得失をよく理解した上で, 計画段階から事業内容を公開し, それに対する住民の意見を聴くことが情報公開を意義あるものにする」 との考えに至った。
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