当院の所在する
富山県
は県のほぼ中央に位置する呉羽町を境に、西を呉西、東を呉東と呼び、それぞれの地域の救急医療に関しては、呉西地区は厚生連高岡病院を、呉東地区は
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立中央病院を3次救急の指定病院として各地区の救急体制が構築されています。当然、循環器疾患をはじめとする救急治療が必要なケースは両病院に集中して来ました。急性心筋梗塞や心不全などは以前より1年と通して24時間体制での対応がとられておりました。しかし、不整脈治療に関しては、4年前までは、アブレーションやICDなどの植え込みに関しては、他病院に依存していました。地方ではありますが、3次救急を担う病院としては、是非、必要とする分野であること、および、ICDの施設基準(主に手術症例数に関してですが)の緩和や、心臓電気生理検査の機器の更新により、3年前よりアブレーション治療を、2年前よりICD植え込み術を始めました。ICDは平成19年1月より開始しましたが、平成19年にはCRTDを含めて12台の植え込みを行いました。アブレーションに関しては平成17年より開始し、平成19年には67例であり、心房細動症例も徐々に増加しています。広く、北陸地方(福井県、石川県、
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)におけるアブレーションの現状に目を向けると、平成19年度では福井県186例(Af50例)、石川県318例(Af76例)、
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207例(Af32例)のアブレーションが行われています。各県の人口1万人あたりの治療件数は、福井県2.28人、石川県2.71人、
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1.87人です。昨今のアブレーション対象例のなかで心房細動例の占める割合を考えると、今後、更に増加していくことが予想されます。ただし、
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下においても、当院でのアブレーションやICD植え込みなどの不整脈治療は
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立病院や富山大学病院に比較して知られておらず、広報誌や開業医との勉強会を通しての、紹介を始めています。
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