皮膚, 上気道, 口腔, 咽頭, 胃, 腸管, 膣, 尿道などには, それぞれ部位によって特徴的な常在細菌がすみつき,
常在菌
叢を構成している.
常在菌
叢と宿主との問, および,
常在菌
叢を構成する菌種問には平衡関係が成立しているが, 何らかの原因でこの平衡関係が破れると, 潜在的に病原性をもっている菌が敗血症, 肺炎, 肺膿瘍, 肺壊疽, 腹膜炎, 胆嚢炎, 胆管炎, 肝膿瘍, 下痢, 腸炎, 口内炎, 扁桃炎, 脳膿瘍, 髄膜炎, 腎孟炎, 膀胱炎, 膣炎, 産褥熱, 心内膜炎, 中耳炎, 結膜炎, 軟部組織膿瘍など, いわゆる“日和見感染”を惹き起こす. 平衡関係の乱れは, 抗生物質やステロイドホルモンの投与, 外科手術, ストレス, 糖尿病, 過労・老齢などが原因となる. また, 腸内菌叢は, 多岐にわたる代謝を行う酵素をもち, その結果, 宿主の栄養, 薬効, 生理機能, 老化, 発癌, 免疫, 感染などに大きな影響を及ぼしている.
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