詳細検索結果
以下の条件での結果を表示する: 検索条件を変更
クエリ検索: "強皮症"
5,525件中 1-20の結果を表示しています
  • 前川 嘉洋
    医療
    2002年 56 巻 8 号 483-486
    発行日: 2002/08/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    強皮症
    は皮膚真皮深層における膠原線維の増生に始まり, 全身性, 進行性に肺・腎・消化管など内臓器への膠原線維や結合織成分の著明な沈着が特徴であり, diffuse cutaneous systemic sclerosisとlimited cutaneous systemic sclerosisの2型に分類される. 最近, TGF-βが線維芽細胞に作用してコラーゲンやフィプロネクチンなどのマトリックス合成を促進することから,
    強皮症
    の発症に深く関与しているのではないかと考えられている. 治療については症例に応じ, 経口ステロイド剤は有用であると考えられている. D-ペニシラミンの有効性にはなお検討の余地がある.
  • 狭間 研至, 明石 章則, 前畠 慶人, 松田 良信, 山下 博美
    肺癌
    2001年 41 巻 4 号 323-327
    発行日: 2001/08/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    症例は71歳男性. 肺線維症の経過観察中, 腺癌が発見された. 術前検査にて抗Scl-70抗体が陽性であり, 全身性
    強皮症
    が疑われた. 術前呼吸機能検査で, VC 1,430ml (44.0%), FEV1. 1.0, 1,420ml (100.0%) と拘束性換気障害を呈していた. 臨床病期はT1N0M0 stage IAで, 低肺機能症例であったため, 胸腔鏡下左肺下葉切除術を施行し, 術後経過は良好であった. 病理組織検査では, S8の原発巣と, S6のブラ壁から発生した扁平上皮癌が認められた. 病理学的検索および遺伝子診断より, 本症例を重複癌と診断した. 特発性肺線維症は肺癌の危険因子であるが, 膠原病に合併した二次性の線維化肺にも肺癌は発生しやすいとされている. このような症例の手術に際しては, 低肺機能のため術式の選択に苦慮する事が多い. 根治性および低侵襲性の両立のため, 胸腔鏡下肺葉切除術の適応を積極的に検討すべきであると考えられた.
  • 平松 佳子, 武田 則之, 奥村 昇司, 宅野 洋, 安田 圭吾
    日本老年医学会雑誌
    1996年 33 巻 7 号 535-539
    発行日: 1996/07/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    症例は90歳, 女性. 1990年頃より頭部の色素脱失, 両手指硬化, レイノー現象, 指尖部の虫食い状瘢痕等に気づいた. 1993年10月頃より労作時の息切れ, 全身倦怠感が出現し11月入院. 皮膚所見を含む全身所見と抗Scl-70抗体陽性より進行性全身性硬化症と診断. 入院時, 全身浮腫, 肺鬱血, 両側胸水, 心嚢液貯留を認め, 両心不全の状態であった. 利尿剤・血管拡張剤の投与により肺鬱血, 浮腫は改善したが, 胸水・心嚢液の状態は不変であった. 胸水の性状は滲出性で, プレドニゾロン30mg/日投与により著明に減少. 心嚢液貯留は, これらの治療に対し反応不良であった.
    本例は診断時極めて高齢であり, 著明な胸水や心嚢液の貯留を認めたことなど, 進行性全身性硬化症としては稀な症例と考えられた. 胸水および心嚢液貯留の成因として, 進行性全身性硬化症に起因する胸膜, 心外膜病変の存在が推定された.
  • 鳥越 雅隆, 前島 圭佑, 清永 恭弘, 今田 千晴, 尾崎 貴士, 原中 美環, 石井 宏治, 柴田 洋孝
    臨床リウマチ
    2014年 26 巻 4 号 310-316
    発行日: 2014/12/30
    公開日: 2015/02/28
    ジャーナル フリー
       症例は59歳女性.2012年に全身性
    強皮症
    と診断された.翌年4月,血栓性微小血管障害症に
    強皮症
    腎クリーゼを併発し,更に急性心不全も伴っていた.ACE阻害薬の内服や血液透析,血漿交換などで加療され,また重症心筋障害にはステロイドパルスが奏功した.直後に肺胞出血を生じたが,厳格な呼吸循環管理と上記治療の継続で病状は安定した.重篤かつ多彩な病態に対し集学的治療で救命し得た全身性
    強皮症
    の一例を報告する.
  • 大澤 一弘, 秋元 幸子, 石川 治, 宮地 良樹
    日本皮膚科学会雑誌
    1997年 107 巻 12 号 1479-
    発行日: 1997年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
    1957年3月から1995年10月までの期間に,群馬大学皮膚科を受診し,限局性
    強皮症
    と診断した108例について,臨床的に検討した.病型別では帯状
    強皮症
    53例,斑状
    強皮症
    42例,皮下型モルフェア4例,汎発型限局性
    強皮症
    9例であった.性別では男性26例(24.1%),女性82例(75.9%)で,いずれの型においても女性例が多かった.帯状
    強皮症のうち剣創状強皮症
    は男性5例,女性22例の計27例であった.発症年齢が20歳以下の症例の占める割合は,帯状
    強皮症
    は53例中37例(69.8%),斑状
    強皮症
    は42例中20例(47.6%)と,帯状
    強皮症は斑状強皮症
    よりも若年発症例が多かった.剣創状
    強皮症
    でも20歳以下の発症例が27例中18例(66.7%)を占めていた.免疫学的検査を施行した74例のうち,抗核抗体陽性例は7例(9.5%)であった.リウマチ因子陽性例は汎発型限局性
    強皮症
    に2例(2.7%)認めるのみであった.IgGクラスの抗1本鎖DNA抗体陽性例は検査を施行した17例のうち帯状
    強皮症と斑状強皮症
    の各1例(11.8%)に認められた.罹患部位では,帯状
    強皮症
    が頭頸部・四肢に,斑状
    強皮症
    はタ至イに多かった.特に頭頸部では,剣創状
    強皮症を除く帯状強皮症
    11例のうち6例(54.5%)が被髪頭部に生じていたのに対し,斑状
    強皮症
    は5例全例が顔面に生じており,被髪頭部に生じた例はなかった.また,被髪頭部の帯状
    強皮症
    では皮疹の長袖Blaschko's lineに沿う傾向が認められ,注目すべき点と考えられた.剣創状
    強皮症
    は,その臨床像から,帯状
    強皮症
    の特殊型として位置付けられているが,今回検討した年齢分布や皮疹の分布様式の結果から,剣創状
    強皮症を含めた頭部の帯状強皮症
    は何らかの共通する発症基盤を有する一つのグループとして捉えられるのではないかと推察された.
  • 神人 正寿
    日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会雑誌
    2016年 10 巻 5 号 523-529
    発行日: 2016/10/31
    公開日: 2016/12/01
    ジャーナル 認証あり

     全身性

    強皮症
    は, 皮膚をはじめとする全身の臓器に実にさまざまな症状をきたしうるが, それぞれの病態には線維化, 免疫異常, そして血管障害という3要素が複雑に関与している。

     そのうち, 血管病変は本症のごく初期から出現し, 全病期にわたって患者の生活の質に大きく影響する。そのメカニズムの一部は明らかになりつつあるが, いまだ不明の部分が多い。

     本稿では

    強皮症
    の血管病変について, 実際の症状とその原因, そして治療についての最近の知見を紹介する。

  • 坂内 文男, 森 満, 石川 治, 遠藤 秀治, 新海 浤
    日本臨床免疫学会会誌
    2003年 26 巻 2 号 66-73
    発行日: 2003/04/30
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    毎年度,特定疾患治療研究事業の対象疾患である
    強皮症
    では,臨床調査個人票に症例の基本的属性および臨床検査所見の記載がなされている.我々は今回全国から集められた臨床調査個人票を用い,
    強皮症
    について基本集計を行った.
    集計対象は平成11年度に医療費の公費負担を受けた
    強皮症
    患者10,956症例である.同疾患の臨床調査個人票にある記載項目について,性別,年齢などの基本的属性の集計を行い,さらに家族歴,自他覚症状,臨床検査所見,鑑別診断を集計した.また,一部の項目につきクロス表を作成し,互いの項目の関連を統計学的に検討した.
    その結果,男女比1:7.3,平均年齢58,5歳(男性58.8歳,女性58.5歳), 5歳年齢階級の最多分布は60~64歳階級などの基本集計結果が得られた.自他覚症状ではレイノー現象が92.4%,皮膚硬化が94.7%,呼吸困難が29.9%,嚥下障害が32.2%にみられ,自己抗体の陽性率は抗トポイソメラーゼI抗体(抗Topo-I抗体)27.5%,抗セントロメア抗体37.7%であった.また,抗Topo-I抗体には肺線維症と統計学的に有意な関連がみられた(P<0.001).
  • 神人 正寿
    日本皮膚科学会雑誌
    2015年 125 巻 5 号 1001-1008
    発行日: 2015/04/20
    公開日: 2015/04/23
    ジャーナル 認証あり
    全身性
    強皮症
    では皮膚および内臓諸臓器に多彩な症状が見られるが,このうち血管病変としてはレイノー現象,指尖部陥凹性瘢痕や皮膚潰瘍,爪上皮出血点,毛細血管拡張および肺高血圧症などが知られている.その機序の一部は明らかになりつつあるが,未だ不明の部分も多い.本稿では狭義の血管病変に加えて,広い意味での血管病変に含まれるようなものについても最近の知見を概説したい.
  • 長谷川 泰子, 辻 依子, 寺師 浩人
    創傷
    2018年 9 巻 2 号 56-61
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/01
    ジャーナル フリー
  • 崔 玉仙, 大坪 義尚, 今中 信弘, 木村 真二郎
    日本臨床外科学会雑誌
    2014年 75 巻 9 号 2482-2488
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/31
    ジャーナル フリー
    症例は60歳,女性.既往に虫垂炎手術,橋本病,2回の腸閉塞入院がある.腹痛・腹部膨満を主訴に当院内科受診,胸腹部単純X線写真・CTにて腹腔内遊離ガスを認めたため,消化管穿孔の疑いで外科へ紹介となった.しかし,腹膜刺激所見はなく全身状態は良好,採血にて炎症反応を認めなかった.CTにて腸管嚢腫様気腫症所見を認めたため,これに伴うフリーエアーと推測し,保存的治療を行ったところ症状は速やかに改善した.その後,精査にて偽性腸閉塞症の診断となり,さらに数カ月後,全身浮腫を主訴に中核病院総合内科を受診したところ
    強皮症
    の診断となった.
    強皮症
    に伴う腸管気腫症の報告は本邦で27例(会議録除く)ある.腸管気腫症は腹腔内遊離ガスを伴うことがあり,開腹の判断を問われる場合があるが,多くは穿孔や機械的閉塞機転を伴わないため,
    強皮症
    の有無などの既往歴のほかに臨床所見を考慮して慎重に決定する必要がある.
  • 青木 正紀, 諏訪 昭, 中島 亜矢子, 佐藤 慎二, 石井 誠, 河口 剛一郎, 堤野 みち, 山田 隆, 後藤 眞, 稲田 進一
    日本臨床免疫学会会誌
    1998年 21 巻 4 号 159-165
    発行日: 1998/08/31
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    症例は58歳,女性. 13年前に発症したdiffuse typeの全身性硬化症(SSc)である.間質性肺炎による慢性呼吸不全に対して在宅酸素療法中であったが,腹部膨満感のため入院となった.免疫血清学的検査では,抗核抗体は陽性で(640倍,斑紋型),抗RNP抗体,抗トポイソメラーゼI抗体と抗Ku抗体が陽性であった.胸部X線検査では気腹の所見を,腹部X線検査では,著明に拡張した腸管と多量のガス像,腸管の外辺に沿った線状の透亮像を認め,腸管嚢腫様気腫(PCI)と診断した.消化管運動機能改善薬と高濃度酸素療法は無効で,非吸収性抗生剤投与を行ったところ,気腹とPCIは軽快した.
    SScとPCIの合併は本邦で17例と稀であり, SScの消化器障害の病態と治療を考える上で,貴重な症例と考えられた.
  • 木村 浩, 岡本 芳伸, 松下 貴史, 濱口 儒人, 竹原 和彦
    日本皮膚科学会雑誌
    2017年 127 巻 6 号 1323-1330
    発行日: 2017/05/20
    公開日: 2017/05/22
    ジャーナル 認証あり

    強皮症
    腎クリーゼ(scleroderma renal crisis:SRC)の12症例を対象に前駆症状について後ろ向きに検討した.前駆症状は,全身倦怠が9例(75%),微熱が3例(25%),筋肉痛が5例(42%),頭痛が2例(17%)にみられた.検査所見では血中ヘモグロビン値低下が2例(17%),血小板数低下が5例(42%),血清クレアチニン値上昇が6例(50%)にみられた.このような前駆症状は血栓性微小血管障害様病態を伴っている症例に高頻度にみられた.

  • 赤池 英憲, 河野 浩二, 須貝 英光, 藤井 秀樹
    日本臨床外科学会雑誌
    2007年 68 巻 6 号 1407-1411
    発行日: 2007/06/25
    公開日: 2008/08/08
    ジャーナル フリー
    症例は42歳, 女性. 6年前より
    強皮症
    の診断にて近医で通院治療中であった. 検診にて食道癌と喉頭癌を指摘された. まず喉頭癌 (T1, N0, M0) に対し, 放射線治療ならびに化学療法を施行し, CRの効果が得られた. 食道癌は深達度m3で8cmの広範囲に及ぶ病変であり, 手術適応と判断し, 右開胸開腹食道亜全摘術, 胃管再建, 2領域リンパ節郭清を施行した. 病理所見では, Poorly differentiated squamous cell carcinoma, pT1a (pMM), pN0, M0であった. 非癌部食道壁の一部で扁平上皮の被薄化, 固有筋層の線維化を認めたが,
    強皮症
    に典型的な所見は軽度であった.
    強皮症
    と悪性腫瘍の合併の報告は近年増加しており, 食道においては腺癌の合併の報告があるが, 今回, われわれが経験した症例は食道扁平上皮癌であり, 極めて稀な症例と思われた.
  • 桜田 恵里, 星 慎一郎, 形井 秀一
    全日本鍼灸学会雑誌
    2011年 61 巻 1 号 77-84
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    【目的】
    強皮症
    を発症し様々な愁訴を持つ患者に、 医学的治療と併用して9ヵ月間の鍼灸治療を行った結果、 良好な経過が見られたので報告する。
    【症例】
    強皮症
    と診断された50代の女性。 主訴は顔面部の異常感覚、 口腔内の違和感。 薬物治療を継続するが、 顔面の異常感覚、 口腔内の粘り感が続く。 自律神経の調整を目的に鍼灸治療を行った結果、 顔面部違和感に若干の軽減、 レイノー症状、 KL-6値に改善が見られた。 しかし治療の中断、 再開後、 主訴の変化が乏しいため、 触診を重視した治療法に変更した結果、 主訴に対し、 より効果的であった。
    【方法】 主訴の自覚症状の変化、 不眠・レイノー症状の頻度、 薬物の服用量、 血液の変化を見た。
    【結果】治療開始後、 不眠・レイノー症状の改善、 KL-6値の正常化、 顔面部異常感覚の軽減等が見られた。 触診を重視した治療法は、 より効果的な結果となった。 口腔内の粘り感は不変であった。
    【考察】今回の症例は、 継続していた薬物治療に鍼治療を併用することで、 皮膚の異常感覚、 レイノー症状等の
    強皮症
    特有の愁訴が改善した。 これらの変化を患者自身が体感することで、 病そのものや、 薬の副作用に対する不安の軽減に繋がったと推察される。
  • 福島 聡, 牧野 貴充, 工藤 英郎, 神人 正寿, 尹 浩信
    日本臨床免疫学会会誌
    2014年 37 巻 4 号 365b
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/10/07
    ジャーナル フリー
    【背景】SPARC(Secreted Protein Acidic and Rich in Cysteine)は細胞外マトリックスに存在し,多くの機能を持つ分泌型の糖蛋白質である.SPARCは組織リモデリングや創傷治癒の際に高発現してくる.またSPARC遺伝子は全身性
    強皮症
    患者の培養線維芽細胞のcDNAマイクロアレイ解析において高発現していることが知られている.【方法】20人の限局皮膚硬化型全身性
    強皮症
    ,13例のびまん皮膚硬化型全身性
    強皮症
    ,15人の限局性
    強皮症
    ,12人の皮膚筋炎と15人の健常人から血清を採取し,ELISA法にてSPARC濃度を測定した.【結果】血清SPARC濃度は限局性
    強皮症群で他の強皮症
    群や健常人に比べて有意に上昇していた.また血清SPARC濃度が高値だった限局性
    強皮症
    患者は低地だった患者に比べて,有意に硬化病変の数が多く,さらに抗ss-DNA抗体の血清濃度が高値を示した.【結論】以上の結果より,血清SPARC濃度は限局性
    強皮症
    の疾患活動性を表す血清マーカーとなりうると考える.
  • 芝本 真季, 東 直人, 谷 名, 松井 聖, 東 幸太, 槙野 秀彦, 北野 将康, 佐野 統
    臨床リウマチ
    2019年 31 巻 3 号 211-216
    発行日: 2019/09/30
    公開日: 2019/11/02
    ジャーナル フリー

     68歳,女性.全身性

    強皮症
    (SSc)に伴う偽性腸閉塞で入退院を繰り返していた.メトロニダゾールで偽性腸閉塞の症状,X線所見は改善したが,約3ヶ月後,呂律困難や小脳失調症状が出現し,MRI所見などからメトロニダゾール脳症と診断された.SScに伴う偽性腸閉塞に対して抗菌薬による腸内細菌の過剰増殖の制御が有効とされるが,メトロニダゾール使用時は脳症を発症する可能性があることを念頭に置かなければならない.

  • 太和田 昌宏, 高橋 孝夫, 奥村 直樹, 徳山 泰治, 野中 健一, 細野 芳樹, 山口 和也, 長田 真二, 川口 順敬, 吉田 和弘
    日本外科系連合学会誌
    2009年 34 巻 5 号 860-866
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/10/30
    ジャーナル フリー
     症例は65歳,女性.腹部膨満感を自覚し近医を受診,腹水貯留を指摘されたが原因は不明で当科を紹介された.入院時に腹腔内遊離ガス像と腹部膨隆,腸閉塞症状,腹水貯留を認めたが,腹膜炎を示す所見はなかった.しかし手術適応が否定しきれず,また患者が開腹術による原因検索を望んだために緊急手術を施行した.術中、消化管穿孔は認められず,腹腔内遊離ガス像と腹水貯留の原因は不明であった.翌年、同症再発にて入院した際にCT検査にて腸管嚢腫様気腫症を認めた.またRaynaud現象,抗セントロメア抗体陽性などから皮膚生検を施行し
    強皮症
    と診断された.なお,薬物治療にて症状は改善した.
     われわれは,消化管穿孔を伴わずに腹腔内遊離ガス像と腹水貯留を呈し,のちに腸管嚢腫様気腫症を合併した
    強皮症
    との診断が得られた1例を経験した.本疾患を念頭に置くことで,不要な手術が回避できると共に,消化器症状に対する対症療法が重要と考えられた.
  • 原島 伸一, 吉澤 滋, 堀内 孝彦, 中島 衡, 仁保 喜之, 草場 公宏, 林田 功, 篠崎 倫哉, 片渕 律子, 平方 秀樹
    日本臨床免疫学会会誌
    1999年 22 巻 2 号 86-92
    発行日: 1999/04/30
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
    症例は,50歳,女性. 1977年発症の全身性
    強皮症
    (SSc)で, 1995年7月, SScが再燃.プレドニゾロン(PSL) 20mg/日でコントロールは良好であったが,急速な腎機能の悪化が認められ,核周囲型抗好中球細胞質抗体(p-ANCA) 504EU/mlと高値のため当科に入院.腎生検にて, 90%の糸球体に半月体の形成が認められ,壊死性糸球体腎炎(necrotizing GN)と診断された.蛍光染色では少量のIgG, C3の沈着を認めたが,半月体形成性糸球体腎炎(crescentic glomerulonephritis; CrGN)のうちではpauci-immune型に分類されると考えられた.近年正常血圧の腎クリーゼを呈するSSc症例では, p-ANCA陽性のCrGNを認め新しい型の
    強皮症
    腎が示唆されている.一方, microscopic PNでは50~80%の症例にp-ANCAが認められ,組織学的にはnecrotizing GNの像をとるため, p-ANCA陽性のCrGNを合併したSScは, microscopic PNとのoverlap syndromeと考えることもできる. SScに合併したp-ANCA陽性CrGNは,
    強皮症
    腎の-亜型として存在するのか, microscopic PNとのoverlap syndromeと考えるべきか興味ある症例と考え報告する.
  • 藤本 潤, 別府 祥平, 米延 友希, 福井 潤, 小中 八郎, 川﨑 貴裕, 小林 久美子, 藤原 弘士
    臨床リウマチ
    2015年 27 巻 4 号 274-280
    発行日: 2015/12/30
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
       症例は66歳,男性.5年前に他病院で下腿浮腫と下肢筋力低下および高CK血症を指摘された.1年前より体幹部皮膚硬化が出現し,その後に下肢痛が出現して歩行困難となり当院に精査入院となった.皮膚生検結果と抗セントロメア抗体陽性から全身性
    強皮症
    と診断され,ステロイド治療開始で速やかに改善した.皮膚硬化が上肢に出現せず他部位に出現することは
    強皮症
    として典型的でなく,そのことが本症例の治療介入を遅らせた可能性がある.
  • 高木 敦仁, 三品 拓也, 日比野 佑弥
    日本腹部救急医学会雑誌
    2025年 45 巻 4 号 473-476
    発行日: 2025/05/31
    公開日: 2025/06/03
    ジャーナル フリー

    症例は60歳,女性。腹部膨満感を主訴に受診した。腹部症状に乏しく血液検査所見では炎症反応を認めなかった。腹部造影CT検査では腸管壁内に多発性の気腫と肝表面に腹腔内遊離ガスを認めたが,汎発性腹膜炎の所見に乏しかったことから緊急手術を行わず,保存治療を選択した。入院後,上下部内視鏡検査を施行したが粘膜病変を認めなかった。Raynaud現象と経時的に増悪する両下肢浮腫を認め,精査の結果,全身性

    強皮症
    と診断した。腸管囊腫様気腫症を伴う未診断の全身性
    強皮症
    に対して,手術を回避し背景疾患の診断に至った1例を経験したので,ここに報告する。

feedback
Top