本研究は, 看護者のもつ「
性暴力
に対する態度」,「
性暴力
に関する一般知識」および「
性暴力
被害者の看護」の理解に関する実態を明らかにし, 看護者の特性との関連について検討することを目的に行った。対象者は, 11病院, 1診療所の産婦人科, 外科, 救急に勤務する女性の看護者で, 研究協力が得られた379名であった。測定用具は, 翻訳版「Rape SupPortive Attitude Scale」(以下, 翻訳版RSAS) および研究者が作成した「
性暴力
に関する一般知識テスト」「
性暴力
被害者の看護テスト」を用いた。翻訳版RSASは因子分析の結果, 第1因子から順に「強姦にまつわる女性像と男性の正当化」,「強姦にいたる状況と女性の責任」,「女性の性的嗜好」,「強姦と男性の生理的欲求」の4因子が抽出された。
その結果, 3つの対象の特性 (助産婦, 産婦人科勤務者,
性暴力
被害者の看護に興味ある者) が従属変数において有意差が認められた。助産婦は他の職種よりも,
性暴力
被害者に対し好意的で,
性暴力
に関する一般知識および
性暴力
被害者の看護の理解も高かった。また, 71%の看護者が
性暴力
被害者への看護に興味をもっていたが, ほとんどの者が
性暴力
被害者への看護について学ぶ機会をもっていなかったことより,
性暴力
被害者への看護に関する看護者への教育の必要性が示唆された。
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