本研究ではO-β-D-galactopyranosyl-(1→4)-O-β-D-galactopyranosyl-(1→4)-D-glucopyranose (GL) 1%, 2.5%, 5% (カップオリゴPの場合には6.5%) を含有する精製飼料 (正常配合とビタミン欠乏) をラットに与えて盲腸内フローラおよび短鎖脂肪酸の実態を検討した.正常な精製飼料の場合, ラクトースに比べGL (5%) は.
Bifidobacterium (Bif),
Lactobacillus (Lact) および嫌気性グラム陽性球菌 (AN (+) coccus) の増殖を顕著に促進したが, これらの菌群の明瞭な増殖促進には, GL添加量が2.5%は十分ではなかった. ビタミン欠乏条件では, GLの添加に関係なくBif, AN (+) coccusおよびLactは正常な飼料に比べ顕著な増加を示した.しかし, 5%GL添加ではBifの増加は顕著で個体差も少なかったが, AN (+) coccusおよび,
Bacteroidaceaeは2.5%群に比べて抑制傾向がみられた.
Enterobacteriaceaeはビタミン欠乏下のGL 2.5%で最も多かったが, 5%では0%と同程度に抑制される傾向を示した.
Enterococcusは2.5%で減少を示したが, 5%では0%および正常飼料程度の菌数を示した.
StaphylococcusはGL添加で減少を示した.短鎖脂肪酸については正常な飼料の場合, 酢酸およびプロピオン酸濃度は増加したが,
n-酪酸,
iso-酪酸および
iso-吉草酸は減少傾向を示した.ビタミン欠乏では短鎖脂肪酸の産生は極度に低下したが, 酢酸はGL添加量に比例的増加傾向を示した.しかしプロピオン酸とn-酪酸の盲腸内産生はGLの配合割合に関係なく増加することはなかった.
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