詳細検索結果
以下の条件での結果を表示する: 検索条件を変更
クエリ検索: "木村進"
645件中 1-20の結果を表示しています
  • 酸化防止剤間接添加法による酸化防止剤の検索(その1)
    木村 進, 塩田 和子
    日本食品工業学会誌
    1966年 13 巻 3 号 95-100
    発行日: 1966/03/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    (1) すでに筆者らが報告した酸化防止剤の間接添加方法によって,ブチルハイドロオキシトルエン,ブチルハイドロオキシアニゾール以外の物質で酸化防止効果を示す化合物を見い出し得るか否かについて検討した。
    (2) 検索の対象とした化合物は,有機酸,アルコール,アルデヒド,ケトン,エステル類など食品香料を主体とし,そのほか酸化防止効果を期待し得ると思われる化合物(約170種)である。
    (3) 検索の結果,間接添加方法によってあきらかに酸化防止効果を認め得る化合物はつぎのようなものであった。サリシルアルデヒド,オイゲノール,イソ-オイゲノール。酸化防止効果を相当期待し得るものとしては,2・メチル,1・4ナフトキノン,4・メチル,6・ブチルフェノール,ハイドロキノン,エチルガレート,ニトロベンゼン,バニリン,n-酪酸,バレリアン酸,ソルビン酸,安息香酸,サリジル酸,乳酸,プロピオン酸,プロピオン酸カルシウムなどであった。
    (4) 本実験において検索化合物の構造と酸化防止効果の関係たついて体系づけて考察するほどの結果が得られなかった。
  • トマト,ニンジンおよびカキ(貝)貯蔵中のカロチノイド,脂肪の変化について
    木村 進, 塩田 和子
    日本食品工業学会誌
    1963年 10 巻 5 号 169-174
    発行日: 1963/05/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    凍結乾燥方法により食品を乾燥した場合に,その得られた乾燥食品は組織が多孔質であるため,カロチノイド,脂肪は酸化がすみやかで,そのために品質が低下する場合がしばしばある。
    この酸化現象を抑制するためには,物理的に酸素の影響を取り除くか,化学的に酸化の第1次,第2次またはその後の連鎖反応を阻止するかが考えられる。前者は従来から不活性ガス中に製品を貯蔵するとか,可溶性澱粉CMCなどによる表面のコーティングによって防止しているし,後者は各種の抗酸化剤を添加している。
    本実験において見出し得た結果はつぎのごとくである。
    (1) 凍結乾燥製品はcase-hardeningがなく,酸化表面積が拡大されているため,明らかに酸化されやすい状態の組織になっている。
    (2) 酸化速度は共存する成分によって明らかに差がある(カロチノイドについて)。
    (3) カロチノイドの酸化防止にはフェノール系抗酸化剤よりLまたはD-イソ・アスコルビン酸のほうが酸化防止効果が高い。
    (4) L-アスコルビン酸とD-イソ・アスコルビン酸のカロチノイドの酸化防止効果は後者のほうが高い。
    (5) D-イソ・アスコルビン酸をカロチノイドを含む凍結乾燥食品の酸化防止剤として使用する場合の添加量は,乾燥前の被乾燥食品に対し100~300mg%が適当である。
    (6) 凍結乾燥したカキ(貝)の脂肪の酸化防止には,フェノール系抗酸化剤のほうが,LまたはD-イソ・アスコルビン酸より効果が高かった。
    フェノール系抗酸化剤とLまたはD-イソ・アスコルビン酸を混合使用した場合は,その効果はそれぞれ単独に使用した場合よりすぐれていた。
  • (第6報) カロチノイド色素の分離定量操作中における酸化防止
    木村 進, 石谷 孝佑, 梅田 圭司, 津端 一子, 高井 順子
    日本食品工業学会誌
    1972年 19 巻 7 号 299-303
    発行日: 1972/07/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    TLCによりカロチノイド色素を分離定量する場合に,操作中におけるカロチノイド色素の酸化防止の考慮を払わなければ,正確な定量値は得られない。試料数の少ない場合には,窒素気流中で迅速に注意深く操作することによりある程度酸化は防止し得るが,数多くの試料を取り扱う場合もしくは,数種以上のカロチノイド色素を分離しようとする場合には,操作時間が長くなり,その間にカロチノイド色素の酸化が起ることが考えられる。筆者らは,TLC操作を空気中で行なっても操作中におけるカロチノイド色素の酸化を最小限度にとどめるようにするための方法を検討してつぎのような結果を得た。
    (1) TLCによりカロチノイド色素の分離操作を空気中で行なった場合には,カロチノイド色素(リコピン)の酸化は,きわめて迅速に進行する。
    (2) TLCによるカロチノイド色素の分離操作を行なう場合,展開溶媒に添加する酸化防止剤としてBHTが最も効果のあることを認めた。
    (3) 酸化防止剤(BHT)をあらかじめ展開溶媒に添加しておくことによって,操作中のカロチノイド色素の酸化をかなりの程度防止できることを認めた。さらに,酸化防止剤添加と窒素ガス置換を併用することによって充分な酸化防止効果が得られることを認めた。
    (4) カロチノイド色素の酸化防止のためのBHTの添加濃度を検討した結果,1~2%程度が適当であると考えられる。
  • 乾燥製品の酸化防止について
    木村 進, 塩田 和子
    日本食品工業学会誌
    1963年 10 巻 7 号 276-283
    発行日: 1963/07/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    凍結乾燥食品の貯蔵中に生ずる脂肪または脂容性成分の酸化防止方法を検討する目的で,カロチノイドを被酸化試料として使用し実験を行なった。酸化防止剤を間接に使用した場合に予期した以上の酸化防止効果を示したので,間接添加条件を細部にわたり検討し,つぎのような結果を得た。
    (1) 微細結晶状のカロチノイドは4℃以下の低温においては酸化はさほどすみやかではない。しかし室温以上の温度では急速に酸化される。
    環境湿度はカロチノイドの酸化速度に関係があり,関係湿度60%以上では酸化をある程度抑制した。
    (2) BHA, BHTを被酸化試料に直接添加した場合の酸化防止効果は約25~30mg%までの添加量に対し添加濃度別効果を見出すことができる。
    間接添加の場合には約20mg%までの添加量に対し,添加濃度別効果が直線的にあらわれた。
    直接添加と間接添加とでは明らかに後者の方法が酸化防止効果のすぐれていることが判然と認められた。この際BHAとBHTの酸化防止効果はいずれもBHTはBHAよりわずかにすぐれていることを示した。
    (3) BHTを間接添加した場合の添加濃度の限界は約50mg%であった。
    (4) 酸化防止剤を間接添加する場合の条件としては,酸化防止剤吸着濾紙片の面積はさほど酸化防止効果に差異がないが,被酸化物に対し広い面積に間接に接触することが有効である。またこの場合上部空隙および被酸化物間の空隙の量はほとんど影響がないので,被酸化物の容器への充填の粗密は余り考慮する必要のないことがわかった。
    (5) 酸化防止剤の直接添加,間接添加方法による酸化防止効果の差異を再度比較した結果,本実験のようなカロチノイドを使用したモデル実験においては,明らかに間接添加方法が酸化防止にすぐれた効果を上げうることを確認した。
    以上の結果はおもにモデル実験結果であるが,サケの凍結乾燥物に対する一実験例でもわかるごとく,この間接添加方法が実際の凍結乾燥食品に応用し得る可能性を示している。今後さらに検討し実際に活用し得るとすれば,前処理に煩雑な酸化防止剤添加処理を行なう必要ははぶけ,製品を容器へ充填する際に単に酸化防止剤の吸着物(紙,布,スポンジなど)を,ともに加えるのみの単純な操作で酸化防止の目的が達し得るので,直接添加による品質への影響,労力,時間などの制約を排除することができるなど,凍結乾燥食品の品質保持のための処理を合理化することが可能であると考えている。
  • 酸化防止剤間接添加法による酸化防止剤の検索(その2)
    木村 進, 宮崎 君枝
    日本食品工業学会誌
    1966年 13 巻 3 号 100-103
    発行日: 1966/03/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    (1) 脂肪を含む乾燥食品の酸化防止の目的で,酸化防止効果を有すると思われる化合物を間接添加方法によって,それらの酸化防止効果の検討を行なった。
    (2) 脂肪とくに液相を保つもの(油脂)を濾紙に浸透吸着させた場合に酸化防止剤の間接添加による酸化防止効果は,前報におけるカロチノイド結晶の場合ほど高い効果を示さなかった。
    (3) 前報において間接添加法によって酸化防止効果を認め得た化合物も油脂の場合にさほどの効果を示さなかった。その原因のひとつは気化した検索化合物との接触面積の大小によるものと推論する。
    (4) 本研究において酸化防止剤の間接添加による酸化防止効果は認め得たが,検索化合物中にBHA, BHTほど酸化防止効果を期待しうる化合物は見い出せなかった。
  • 柳本 正勝, 小林 登史夫, 木村 進, 吉川 義夫
    日本食品工業学会誌
    1982年 29 巻 5 号 320-326
    発行日: 1982/05/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    姿身を保持したオキアミ乾燥品の品質を保持する方法を明らかにする目的で試験を行ない以下の知見を得た。
    (1) 脱酸素剤を封入することにより室温保存した場合でも冷凍保存した場合と同程度の効果が認められた。
    (2) 冷蔵保存およびトコフェロール,エリソルビン酸ソーダ処理による保存効果はあまり期待できない。
    (3) オキアミ乾燥品の水分が増すにしたがって酸素吸収速度が急速に増すことが確認された。
    本研究は昭和51~53年度特別研究促進調整費「南氷洋おきあみ資源の有効利用に関する総合研究」の一部である。船上試験を行なうにあたって便宜を計っていただいた海洋水産資源開発センターおよび日本共同捕鯨(株)に深謝する。本報告の概要は1979年6月の日本食品工業学会26回大会において発表した。
  • 凍結乾燥ニンジン,カボチヤの貯蔵中における色およびカロチンの変化について
    柴崎 一雄, 浅野 三夫, 伊藤 京子
    日本食品工業学会誌
    1966年 13 巻 1 号 7-13
    発行日: 1966/01/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    ニンジン,カボチャは,乾燥方法および凍結条件によって組織が非常に異なるので,凍結および熱風乾燥したものを30, 0および-20℃に5ヵ月にわたって貯蔵し,色およびカロチンの変化について検討した。
    (1) ニンジン,カボチャとも退色は貯蔵温度による影響が非常に大きく,高温ほど退色が大であり,低温では非常に安定であった。
    (2) 退色していく場合の色の変化は,色の3属性中,明度および彩度の変化が大きいが,色相の変化は少なかった。
    (3) 測色結果から,凍結条件による影響は,はっきり表われなかった。
    (4) 貯蔵中における試料のカロチン含量を定量した結果,ニンジン,カボチャとも貯蔵温度による影響はほとんど測色結果同様の傾向を示したが,凍結温度によって組織の違いが著しいニンジンでは,その影響が顕著に表われ,表面積の大きい急速凍結品のほうが,緩速凍結品に比べてカロチンの減少が著しかった
    (5) 萎縮して表面積の小さい熱風乾燥品は乾燥時の損失が大きいが,各貯蔵区において色およびカロチンの減少が少なく安定であった。
  • 石谷 孝佑
    日本食品工業学会誌
    1981年 28 巻 4 号 221-234
    発行日: 1981/04/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 酸化防止剤の使用条件と油脂食品の保存性との関係
    梶本 五郎, 井上 昭, 湯本 甫, 加茂 公子
    日本食品工業学会誌
    1965年 12 巻 12 号 527-532
    発行日: 1965/12/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    オコノミアラレ中に混ぜられているチラ紙,洋半紙をBHA濃度の異なるアルコール溶液に浸漬し,BHAの吸収量の異なるBHA処理紙および処理洋紙を調製し,オコノミアラレ,フライ豆,ピーナッツ,即席麺などに対しBHA濃度が0.01~0.03%になるようBHA処理紙および処理洋紙をいれまぜ,いわゆる間接添加法にて保存実験を行なった。
    (1) フライ豆,オコノミアラレ,ピーナッツなどにBHA濃度が0.01~0.03%になるようBHA処理紙および処理洋紙(BHA吸収量3mg/枚~3.2mg/枚)をいれたものは,保存性が高められ,噴霧法(酸化防止剤を含まない大豆油で,フライ豆,オコノミアラレを調製し,またピーナッツなどにBHA濃度が0.01%になるよう0.1% BHAアルコールを噴霧したもの)と効果は変わらず,高い酸敗防止性を示した。
    (2) 酸化防止剤の種類と(BHA, BHT, PG, BHAとBHTの等量混合物)間接添加法による保存性実験ではBHAがもっとも酸敗防止効果があり,ついでBHT,BHAとBHTの等量混合物の順で,PGは効果が認められなかった。
    (3) フライ豆,オコノミアラレ各150gにBHA濃度が0.01%になるようBHA吸収量1mg/枚のBHA処理紙は15枚,吸収量3mg/枚のものは5枚,7.5mg/枚のものは2枚と枚数のみをかえて保存性を調べたが,その効果はほとんど差がなかった。
  • 三木 登, 赤津 一衛
    日本食品工業学会誌
    1970年 17 巻 5 号 175-181
    発行日: 1970/05/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    トマトジュースをガラスアンプルに充填し,glycerinbathで80℃から130℃の範囲で加熱し,高温加熱がトマトジュースのcarotenoidsに及ぼす影響について2, 3検討した。lycopeneの定量は3G3ガラスフィルターを使うメタノール・ベンゼン抽出法で行なった。
    (1) 7分間の加熱で比較すると90℃,100℃では約1~2%のlycopeneの減少であるのに対し,110℃,121℃, 130℃では4.4%, 10.6%, 17.1%と減少は急激であった。
    (2) 加熱当初の1分間がもっともlycopene減少が著しく,それ以後は各温度ともそれぞれ一定の率で減少していた。
    (3) 加熱によるlycopeneの減少に伴ってメタノール抽出部のcarotenoidsが著しく増加していた。
    (4) メタノール抽出部を活性アルミナクロマトグラフィーによって分画し7つのフラクションを得た。吸収スペクトル,薄層クロマトグラムなどによりF3, F7をそれぞれβ-carotene, lycopeneと同定した。そしてとくに増加していた3つのフラクションのうちのひとつがlycopeneであった。
    (5) 加熱温度別にメタノール抽出部中のlycopeneを定量したところ,加熱温度の高くなるにつれてメタノール部へのlycopene溶出の著しいことがわかった。80℃ 10分の加熱では約2.0%であるのに対し130℃ 10分の加熱では約6.7%のlycopeneがメタノール部へ溶出していた。
    (6) lycopeneを定量する際のメタノール洗浄液中に,加熱温度の高かったトマトジュースほどlycopeneが多量に溶け出してしまう原因について考察がなされた。
  • 乾燥ワサビの酵素系の変化
    木村 進, 貝沼 圭二
    農産加工技術研究會誌
    1960年 7 巻 3 号 124-127
    発行日: 1960/06/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    酵素を活性の状態で貯蔵しなければ,その食品の特性を消失するような乾燥食品(本報においては凍結乾燥ワサビ)の貯蔵条件を検討する目的で,乾燥食品の水分含量が貯蔵中にいかに酵素系に関係するかについて検討を行なった。
    1. 乾燥製品の水分が低い場合,貯蔵中酵素系は安定である。乾燥ワサビの場合1%程度の水分含量であれば,食品の貯蔵温度として比較的高い温度においても比較的安定であった。
    2. 酵素作用の結果生ずる芳香も,低水分の状態で貯蔵されたものでなければ,復元後の芳香は少ない。
    3. 酵素系を安定な状態で,乾燥食品を貯蔵する場合,不活性ガス中に貯蔵することは効果的な方法である。
    以上乾燥ワサビの酵素系の変化の抑制には製品を低水分に保ち,不活性ガス中に貯蔵する必要のあることを知り得た。
  • 乾燥食品の2・チオバルビツール酸(TBA)反応について
    山崎 濶, 今井 寛
    日本食品工業学会誌
    1966年 13 巻 7 号 281-285
    発行日: 1966/07/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    TBA試験法は測定値が分散しやすいが,これが原因について検討を行なうためSCHWARTZら4),TURNERら6)の方法を追試するとともにTBA試験法の過程中における手順についてそれぞれ試験し,TBA測定値の分散の状況を明らかにした。
  • 酸化防止剤および貯蔵方法がカキ(貝)の品質に及ぼす影響
    山崎 濶, 砂川 満男, 今井 寛
    日本食品工業学会誌
    1966年 13 巻 12 号 522-527
    発行日: 1966/12/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    抗酸化剤,EDTAで処理した凍結乾燥カキの貯蔵中における品質変化について試験を行なうとともに凍結乾燥カキを粉末,固形の状態で貯蔵した場合の色調の変化および窒素ガス,生石灰などの封入効果について検討し,つぎの結果を得た。
    (1) 凍結乾燥生カキを粉末にして貯蔵すると褐変が著しく促進され,3℃で2~5ヵ月間貯蔵した場合,粉末カキの色差の変化は固形カキの2倍の値を示した。
    (2) 抗酸化剤および抗酸化剤+EDTAで処理したカキは無処理のものに比べ貯蔵中における褐変が抑制され,窒素ガス,生石灰を封入したものは乾燥直後の色調を保持し得た。
    (3) 凍結乾燥カキの貯蔵中における塩溶性区蛋白,水溶性区蛋白の溶解性は貯蔵後2~3ヵ月の間に急激に低下し,とくにミオミン区蛋白は溶解性をすみやかに失なうようである。
    また,抗酸化剤,EDTAで処理しても蛋白質の溶解性にはほとんど影響がなかった。
    (4) 抗酸化剤,EDTAで処理したカキに窒素ガスを充填して貯蔵すると脂質の変化を抑制することが推測されるが,このことについては今後検討を試みたい。
  • 久保田 悦郎, 原 利男, 古谷 弘三
    日本食品工業学会誌
    1965年 12 巻 6 号 234-238
    発行日: 1965/06/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    真空および凍結乾燥法で製造した各種インスタント・ティーを用い,25℃における平衡水分および短時間内における吸湿水分量を調べるとともに,吸湿に伴う形態的変化を肉眼で観察し,つぎのような結果を得た。
    (1) インスタント・ティーはインスタント・コーヒーより平衡水分がわずかに高かったが,茶種別にはほとんど差がなかった。また各種インスタント・ティーとも凍結乾燥製品のほうが真空乾燥のものより平衡水分がわずかに高かった。
    (2) 温度25℃においては,インスタント紅茶で水分6%以上,煎茶およびほうじ茶では8%以上吸湿すると固結した。このような変化を防止し,インスタント・ティーを安全に取り扱うためにはその平衡水分から許容限界湿度は約40%,理想的には湿度20%以下の条件がよいようであった。
    (3) 各種インスタント・ティーとも凍結乾燥製品のほうが真空乾燥のものより短時間内における吸湿水分量が大きかった。しかし,固結現象は真空乾燥のものが凍結乾燥のものより低水分で現われ,固結しやすいようであった。
    (4) 粒度の大小による吸湿速度の差は認められなかった。
  • 五十嵐 進, 林 力丸, 秦 忠夫
    日本農芸化学会誌
    1978年 52 巻 8 号 347-349
    発行日: 1978年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Raw krills (Euphausia superba) were sealed with nitrogen gas in bags which were made of five kinds of membranes with different oxygen permeability (Po2 of 0.9, 1.0, 157, >2000** and >2000** ml/m2/24hr/atm at 35°). Their bags were allowed to stand or gently shaken at 20° or 38°, and the production of dark colour in krills was observed. After 72 hr, krills in the bags with Po2 of more than 2000 visibly darkened, while those in the bags of Po2 of 0.9 and 1.0 showed no change in colour. Krills in the bag with Po2 of 157 gradually darkened when the bag was shaken for more than 24 hr.
    These results show that darkening in colour of raw krills is prevented by avoiding the contact with oxygen in atmosphere. This method will be applied to transportation and preservation of raw krills without their darkening.
  • 放置温度とBHAの損失および食品への移行量
    梶本 五郎, 井上 昭, 湯本 甫
    日本食品工業学会誌
    1967年 14 巻 2 号 72-75
    発行日: 1967/02/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    洋半紙にBHAを吸収させ,そのBHA吸収紙を食品とともに包装し,いわゆる間接添加にて食品の保存性を高める方法である。今回はBHA濃度および放置温度とBHAの損失,食品への移行あるいは加熱による油脂中のBHAの損失などについて検討した。
    (1) BHA吸収量1.2, 2.0, 2.8および5.2mg/枚の吸収紙を室内に放置し,経時的に損失量を比較すると,それぞれ大差なく,わずかにBHA濃度の低いものほど損失量は多い。
    (2) BHA吸収量2.8mg/枚のものを10°, 25°,35℃にそのままの状態およびオコノミアラレに間接添加した状態で放置し,放置温度とBHAの損失および食品への移行量を求めてみると,放置温度の高いほどBHAの損失量は多く,逆に食品への移行量は多い。ただし損失量に比例して多くなく,低温度の場合よりわずかに増加するにすぎない。
    (3) 放置温度(10°, 25°, 35℃)とオコノミアラレの保存性は,放置温度の高いほどオコノミアラレ中の油脂のPO. V, CO. Vは高く,いわゆる保存性が低いが,BHAを間接添加することにより,いずれの放置温度にても保存性を高めた。
    (4) 少量のアルコールにて溶解したBHAをラードに0.02%になるよう添加し,よく攪拌後,500gを鉄鍋にとり,150℃および200℃にて加熱し,加熱温度および時間とBHAの損失量を検討した結果,200℃, 30分加熱で75%が減少し,120分で完全に消滅した。150℃, 30分加熱では17%が減少し,180分で完全になくなった。
  • 通風マイクロ波乾燥に関する研究(第2報)
    赤星 亮一, 又重 英一
    日本食品工業学会誌
    1990年 37 巻 8 号 581-588
    発行日: 1990/08/15
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    薄切りにした馬鈴薯を種々の条件でマイクロ波通風乾燥を行ない,乾燥プロセス,乾燥試料の断面組織の変化,及び水分復元性を調べ,通常の通風乾燥及び減圧乾燥との比較を行なった.
    (1) 通風空気温度や雰囲気温度を30℃の低温にした場合には通常の通風乾燥では乾燥に9時間,減圧乾燥では24時間を要した.一方,90℃の場合には乾燥時間を通風乾燥の場合2時間,減圧乾燥では4時間に短縮できた.しかし,試料表面に澱粉の糊化や硬化が生じ水分復元性が著しく劣化した.
    (2) マイクロ波通風乾燥の場合,マイクロ波電力が過小であったり,通風空気温度が高すぎると,乾燥は試料表面から進み,その表面に硬化や糊化が生じ復水性が悪くなった.
    (3) マイクロ波電力を増大すると,試料内部温度が表面温度より高温となり乾燥時間をさらに短縮できる.しかし供給マイクロ波電力が強すぎると試料内部の澱粉が糊化,発泡し水分復元性が困難になった.
    (4) 30℃通風乾燥に,150Wの微弱なマイクロ波電力を供給し,品温を31℃から42℃に保持しながら乾燥すると,2.5時間で乾燥を終了した.乾燥速度は2.95kg/kg・hで,通常の30℃通風乾燥の場合の3.5倍である.馬鈴薯の中心部から表層部まで,澱粉粒の破壊が見られず,澱粉粒間に適度な間隙が保たれ,均一に乾燥が行なわれている.得られた乾燥馬鈴薯の水分復元性はこれまでの実験で最も優れていた.
    (5) 乾燥時間が短く,かつ水分復元性の良い製品を得るためには,表層部に澱粉糊化を生じさせないよう通風空気温度を低く抑え,また内層部の澱粉が糊化しない温度範囲で,内部温度を表層より高温に保持することが望ましい.これは供給マイクロ波電力を調整することにより可能である.このような状態で乾燥すると,内部水分を蒸気の状態で急速に表面に移動することができる.またこれが表面硬化を防ぎ,水分復元性を良くする要因と考えられる.
  • 野口 明徳, 柳本 正勝, 梅田 圭司, 木村 進
    日本農芸化学会誌
    1976年 50 巻 9 号 415-421
    発行日: 1976年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    オキアミのプロテアーゼを精製し,各性質を検討した結果,次の知見が得られた.
    (1)硫安塩析, Sephadex G-200, Sephadex G-100カラムクロマトにより,電気泳動的に精製単離し得た.
    (2)精製酵素の至適pHは6.0で,至適温度は40°Cであるが, pHが高くなると活性低下が著しい, 60°C以下では基質の存在により安定性が向上し, 60°C以上では,基質の有無にほとんど関係なく活性は低下する. 80°C, 100°C処理ではそれぞれ8分間, 2分間で完全に失活した.
    (3) 2価金属のキレート剤によって酵素活性が阻害されないことから,活性発現に2価金属を必要とはしない.またPCMBによって阻害されず, cystein, 2-mercaptoethanolによる活性化が認められない点より,精製酵素はSH酵素ではないと考えられる.
    (4) トリプシンインヒビターにより阻害されるが完全ではなく, 10倍量のトリプシンインヒビター存在下でも約20%の活性は残存した.
    (5) SDS-ディスク電気泳動法によって,精製酵素の分子量は約26,000であると推定した.
  • 柴崎 一雄, 高橋 伸子, 蔀 花雄, 小曽戸 和夫, 数見 秀次郎
    日本食品工業学会誌
    1963年 10 巻 2 号 39-43
    発行日: 1963/02/15
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 玉木 雅子, 鵜飼 光子, 本間 清一
    日本食品科学工学会誌
    1998年 45 巻 1 号 52-57
    発行日: 1998/01/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    (1) 加熱玉葱のメラノイジンとその原因物質と考えられる糖とアミノ酸をSephadex G-25カラムクロマトグラフにより分離した.加熱玉葱は両成分よりも低分子画分に溶出し,そのクロマトグラフはカラメルの溶出パターンに類似していて,モデルメラノイジンや醤油に比べると低分子画分に溶出ピークを有した.
    (2) 玉葱ジュース存在下でモデルメラノイジンを調製し,メラノイジンの生成に及ぼす玉葱ジュースの影響を調べた.玉葱ジュースの添加割合が高いほど低分子色素の占める割合が高くなった.
feedback
Top