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クエリ検索: "染色体転座"
1,375件中 1-20の結果を表示しています
  • 木村 貴昭, 田村 真司, 田端 敏秀
    耳鼻咽喉科臨床
    1992年 85 巻 11 号 1795-1801
    発行日: 1992/11/01
    公開日: 2011/11/04
    ジャーナル フリー
    Malignant lymphomas are not rare in the otorhinolaryngological region. We report two cases of lymphoproliferative disorder initially suspected as malignant. In immunological stains of both frozen and paraffin sections, monoclonal lymphocyte proliferation was not confirmed.
    Moreover, Southern blot analysis did not show JH and TCR-β gene rearranged bands, although both patients had abnormal chromosomal patterns. Three possible theories are presented to account for these paradoxical data. 1) The amount of tissue for histological study and for Southern blot was inadequate; 2) the enzymes used in the Southern blot test were unsuitable in these cases; 3) mutation occurred before gene rearrangement. The last is the most reasonable explanation.
    Should these cases be regarded as malignant? Radiation and chemotherapy were effective in these patients, and these treatments are not thought to be a poor first choice. We emphasize the importance of careful studies of these border-malignant disorders when the histological findings cannot prove monoclonal proliferation.
  • (あるいはBecker型)筋ジストロフィー
    伊藤 久美子, 山田 満
    医療
    1988年 42 巻 1 号 75-78
    発行日: 1988/01/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    近年染色体の研究技術の進歩と共に多くの知見がえられ, 女性のDMDにおけるX-ATの報告が欧米から11例以上, 本邦からも5例の多きに達しているが, 著者らも女性DMDよりは女性のBMDと考えられる症例を経験したので, 内外の報告を比較検討し, その女性DMDにおけるX-ATの意味についての考察を加えた.
  • *田代 聡
    日本放射線影響学会大会講演要旨集
    2010年 2010 巻 S5-5
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/12/01
    会議録・要旨集 フリー
    染色体転座
    は、がん細胞や白血病細胞で認められる最も多い遺伝子異常のひとつである。異なる染色体上の2点が
    染色体転座
    により融合されることは、遺伝子発現の制御異常や融合遺伝子産物の形成を引き起こし、細胞悪性化に繋がる。悪性リンパ腫やリンパ性白血病では、免疫グロブリン遺伝子やT細胞受容体遺伝子を含む
    染色体転座
    が認められるため、これらの遺伝子の生理的な組換え機構が
    染色体転座
    形成に関与していることが示唆されている。一方、放射線や抗癌剤などのDNA損傷誘導によるがん治療は、特定の
    染色体転座
    をもつ二次がんの発症を誘導することが知られている。しかし、その
    染色体転座
    形成の分子機構は不明な点が多い。11q23上のMLL遺伝子が関連する
    染色体転座
    は、トポイソメラーゼ阻害剤エトポシドを用いたがん治療後に発症する二次性白血病で最も高頻度に認められる。私たちは、DNA損傷応答因子ATM欠損細胞では、エトポシド処理後にRAD51などのDNA組換え修復関連因子が11q23転座の転座切断点集中領域へ過剰結合することを見出した。このため、ATMは、DNA損傷応答シグナルの伝達とともに、組換え修復関連因子の
    染色体転座集中領域への結合を制御して染色体転座
    の形成を抑制している可能性が示唆された。非リンパ性悪性腫瘍における
    染色体転座
    形成の分子機構について討論したい。
  • 瀬戸 加大
    日本内科学会雑誌
    2008年 97 巻 7 号 1524-1530
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    悪性リンパ腫のうち,特にB細胞性リンパ腫では
    染色体転座
    が病型の形成に重要な役割を担っている.しかし,
    染色体転座
    だけでは腫瘍化せず,他のゲノム異常や微小環境が特定のリンパ腫発症に重要な役割を担っている.各病型には特徴的な
    染色体転座
    以外に,特徴的なゲノムコピー数異常領域が関与するということがアレイCGHによる網羅的解析により明らかになってきた.
  • *田代 聡
    日本放射線影響学会大会講演要旨集
    2009年 2009 巻 W3-1
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/02/12
    会議録・要旨集 フリー
    放射線や一部の抗がん剤などによるDNA損傷の修復エラーは、
    染色体転座
    を誘導し遺伝情報を改変することで、細胞のがん化に関与している。DNA損傷シグナル制御因子ATMの欠失やそのリン酸化酵素活性異常は、
    染色体転座
    の頻度を上昇させる。一方、一部のがん細胞などで認められる組換え修復関連タンパク質RAD51の過剰発現も、
    染色体転座
    形成を促進することが知られている。しかし、これらのゲノム修復関連因子が
    染色体転座
    形成にどのように関与しているのかは未だ不明な点が多い。
    11q23に
    染色体転座
    切断点を持つ白血病は、トポイソメラーゼII阻害剤エトポシドの治療後に発症する二次性白血病で最も多く認められる。我々は、エトポシド処理後のATM欠失細胞では、RAD51が11q23
    染色体転座
    切断点集中領域であるMLL遺伝子座BCR領域に過剰に結合していることを明らかにした。AT細胞では、損傷DNAへのRAD51の結合に先行するとされるRPAや、RPAとRAD51の交換を促進するとされるクロマチン構造変換因子INO80も、BCR領域へ過剰に結合していることを確認した。これらの知見から、ATMは、DNA損傷シグナルの制御以外に、組換え修復関連タンパク質が
    染色体転座
    切断点集中領域に過剰に結合することを阻止することで
    染色体転座
    の形成を抑制していることが示唆された。
    染色体転座
    形成におけるゲノム修復機構の異常制御について討論したい。
  • *孫 継英, 尾間 由佳子, 原田 昌彦, 河野 一輝, 島 弘季, 木野村 愛子, 井倉 毅, 鈴木 秀和, 水谷 修紀, Kanaar Roland, 田代 聡
    日本放射線影響学会大会講演要旨集
    2011年 2011 巻 PA-30
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/20
    会議録・要旨集 フリー
    放射線や抗がん剤はゲノムDNAの二本鎖切断などの損傷を誘導する。ゲノムを修復し安定性を維持するシステムに何らかの原因でエラーが生じた場合は
    染色体転座
    などのゲノム異常が形成される。しかし、どのようなメカニズムで
    染色体転座
    などのゲノム修復エラーが引き起こされているのかについてまだ不明である。11q23に切断点を持つ
    染色体転座
    は、エトポシドなどトポイソメラーゼII(Topo II)阻害剤を用いたがん化学療法後に発症する治療関連性白血病に最も多く認められる。11q23関連
    染色体転座
    の転座切断点はMLL遺伝子内BCR(breakpoint cluster region)に集中している。そこで、本研究ではエトポシドによる11q23転座をモデルとして、
    染色体転座
    形成のメカニズムについて解析したところ、エトポシド処理した後のAT細胞は正常細胞と比べて、エトポシドによる11q23転座が高頻度に誘導されるとともに、RAD51のBCRへの結合が有意義に上昇していた。さらに、正常細胞と比較してエトポシド処理した後のAT細胞は、組換え修復関連因子RPAやクロマチン変換因子INO80のBCRへの結合が増大することが観察された。これらの結果から、ATMはMLL遺伝子BCRへのRPAおよびRAD51の結合を制御することで、11q23
    染色体転座
    形成を抑制することが示唆された。
  • 辻本 賀英
    生物物理
    1988年 28 巻 2 号 70-76
    発行日: 1988/03/25
    公開日: 2010/01/07
    ジャーナル フリー
    It is generally accepted that tumors arise through the accumulation of several genetic changes affecting the control of cell growth. To date, the best characterized of these changes are the chromosome abnormalities, namely chromosome translocations and inversions, which are often associated with human hematopoietic tumors. It has been shown that the c-myc proto-oncogene is directly involved in the chromosome translocations t(8;14), t(2;8) and t(8;22) in Burkitt's lymphoma and that the c-abl proto-oncogene is activated through its fusion to the bcr gene as the result of the t(9;22) chromosome translocation in chronic myelogenous leukemia cells. The involvement of the immunoglobulin genes in chromosome translocations is very common in B-cell tumors, leading us to study the structure and function of the chromosome translocations in B-cell tumors. In this article, I describe the chromosome translocations associated with human B-cell tumors, focusing on how they occur, how they lead to cell transformation, and how new oncogenes involved in B-cell tumor development can be identified.
  • 三浦 偉久男
    日本内科学会雑誌
    2011年 100 巻 2 号 503-508
    発行日: 2011年
    公開日: 2013/04/10
    ジャーナル フリー
    悪性リンパ腫のKiel分類がリンパ性腫瘍のREAL分類になり,さらに骨髄増殖性疾患・骨髄異形成症候群・急性白血病の分類であったFAB分類を包含し,WHO分類(2001)となった.現在用いられているWHO分類(2008)はその改訂版である.WHO分類では,特徴的な染色体異常を持つ急性白血病は独立した病型になる.このことは,この分類を用いるには染色体検査が必須であることを示す.その他は形態を中心に分類されるが,新知見が集まれば特異的異常を持つ独立した病型がさらに抽出されていくことが予想される.したがって,将来にむけ各症例の形態・免疫形質に加え,染色体検査結果を記載しておく必要がある.WHO分類における染色体異常の記載には,まだ必ずしも多数の同意を得ていないものも含まれるので注意が必要である.
  • 和田 敦司, 土岐 典子, 大塚 友貴, 安達 弘人, 小沼 亮介, 岸田 侑也, 小西 達矢, 山田 裕太, 永田 啓人, 永田 亮平, 丸毛 淳史, 野口 侑真, 迎 純一, 遠矢 嵩, 五十嵐 愛子, 名島 悠峰, 小林 武, 原田 浩徳, 原田 結花, 坂巻 壽, 大橋 一輝
    臨床血液
    2022年 63 巻 2 号 104-107
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/03/08
    ジャーナル 認証あり

    Variants of the t (8;21) (q22;q22) involving chromosome 8, 21, and other chromosomes account for about 3% of all t (8;21) (q22;q22) in patients with acute myeloid leukemia (AML). However, the prognosis of AML with variant t (8;21) remains unknown due to the scarcity of reported cases. Herein we report a case of AML with t (6;21;8) (p23;q22;q22). Fluorescence in situ hybridization confirmed a RUNX1-RUNX1T1 fusion signal on the derivative chromosome 8. This is the first report on a variant of t (8;21) involving the breakpoint 6p23. After induction chemotherapy, our patient achieved complete remission and has been stable for four years.

  • 似鳥 和子, 三宅 陽一, 立野 裕幸, 金田 義宏
    東北家畜臨床研究会誌
    1996年 19 巻 1 号 18-24
    発行日: 1996/08/01
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
    黒毛和種の種雄牛および種雄牛候補牛計119頭を対象に、染色体分析を実施し、系統における転座保有牛の分布、繁殖能力に及ぼす影響について検討した。染色体分析の結果、雄牛119頭のうち10頭(8.4%)に1/29型(6頭)と7/21型(4頭)の2種類の
    染色体転座
    が認められた。系統別にみると5系統中3系統(C系、D系、E系)に転座保有牛の分布が認められ、転座型において、C系、D系では1/29型、D系、E系では7/21型が認められた。1/29型転座を保有する雄牛1頭と正常核型を示す雄牛4頭の精液性状を調べた結果、転座保有牛と正常牛との間に差異は認められなかった。また、試験交配時の受胎率を調べたところ、正常牛群で平均62.5%、転座保有牛では44.1%であり、X2検定の結果、両群間に有意な差(P<0.05)が認められた。さらに転座保有牛と正常牛の精子の染色体分析を行った結果、不均衡な核型を持つ精子が正常牛では認められなかったのに対し、転座保有牛では114個中5個(4.4%)に認められた。また構造異常精子が正常牛で144個中22個(15.2%)に認められたのに対し、転座保有牛では114個中34個(29.8%)に認められ、X2検定の結果、両群間に有意な差(P<0.01)が認めれた。以上の結果より、黒毛和種雄牛では、1/29型と7/21型の2種類のロバートソン型転座が広く分布していることが認められた。また各系統での転座保有牛の分布には偏りがみられ、黒毛和種での転座の起源は特定の系統に由来することが考えれた。繁殖能力に及ぼす影響については、精液性状、精子形成に異常が認められていないものの、受胎率の低下が明らかなことから、その原因は転座保有牛に不均衡型や構造異常を示す精子が高率に発生していることに関連していると思われた。
  • 鈴木 未来子
    臨床血液
    2017年 58 巻 7 号 806-812
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/08/05
    ジャーナル 認証あり

    3q21と3q26との

    染色体転座
    および逆位は,3q26に存在するEVI1遺伝子が高発現することにより,予後不良の骨髄異形成症候群や急性骨髄性白血病(3q21q26症候群)を惹起する。筆者らは,二つの大腸菌人工染色体クローンを結合することによって,ヒト逆位アリルを196 kbにわたり再現するトランスジーンを挿入した3q21q26症候群のモデルマウス(3q21q26マウス)を樹立した。3q21q26マウスは,造血幹・前駆細胞においてヒトEVI1遺伝子の高発現を示し,白血病を発症した。筆者らは,この3q21q26マウスモデルを用いて,3q21に存在するGATA2遺伝子エンハンサーがEVI1遺伝子を誘導することによって白血病を引き起こしていること,さらに片アリルのGATA2遺伝子がエンハンサーを失うために起こるGATA2の減少が白血病発症を促進することを明らかにした。

  • 瀬戸 加大
    臨床血液
    2011年 52 巻 10 号 1734-1739
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/04
    ジャーナル 認証あり
  • 坂本 岳志, 三宅 陽一, 岡田 啓司, 金田 義宏
    東北家畜臨床研究会誌
    1996年 19 巻 1 号 10-17
    発行日: 1996/08/01
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
    黒毛和種で認められる1/29型転座が同雌牛の繁殖効率に及ぼす影響について調べる目的で、1/29型転座をヘテロで保有している種雄牛の娘牛146頭を対象に染色体分析を行うとともに、繁殖成績の調査を行った。その結果、未経産のリピートブリーダー牛群で31頭中27頭(87.1%)、3回以内の授精で受胎した正常牛群では27頭中15頭(55.6%)に1/29型転座が認められ、この両群間の転座保有率には有意差(p<0.05)があった。一方、経産牛では88頭中39頭(44.3%)に1/29型転座が認められ、未経産牛群と経産牛群との間には、転座保有率に有意な差(p<0.01)があった。また、1/29型転座保有種雄牛からの娘牛で、転座を保有する経産牛34頭と正常核型を有する経産牛40頭、および対照として他の種雄牛からの娘牛128頭、計202頭の繁殖成績を調査したところ、転座保有牛群では正常核型を保有する牛群ならびに他の種雄牛からの娘牛群と比べて、受胎までの授精回数の増加と、受胎率の低下が認められた。以上の結果より、1/29型転座は黒毛和種雌牛の繁殖効率に影響を及ぼし、結果として未経産牛において不妊を主訴とする淘汰率の増加に影響を及ぼしていることが示唆された。また経産牛群における転座の保有率は約50%であること、および同群で1/29型転座と繁殖効率の間に明らかな相関が認められなかったことは、転座保有牛が未経産で受胎率低下の理由により淘汰されていることによると推測された。
  • 大野 仁嗣
    日本内科学会雑誌
    2001年 90 巻 7 号 1354-1359
    発行日: 2001/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    悪性リンパ腫の遺伝子診断は,抗原受容体遺伝子の再構成を利用する方法と,
    染色体転座
    に伴う腫瘍関連遺伝子の再構成を検出する方法に大別される.これらの遺伝子変異は,サザンブロットハイブリダイゼーション, polymerase chain reaction (PCR), fluorescence in situ hybridizationなどの分子遺伝学的手法によって容易に検出可能であり,悪性リンパ腫の細胞起源の決定や病型診断に用いられている.一方, PCRを用いたminimal residual diseaseのモニタリングも一部の病型で行われている.
  • 田代 聡, 孫 継英
    日本小児血液・がん学会雑誌
    2021年 58 巻 5 号 346-349
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/02/08
    ジャーナル フリー

    Chromosomal translocations are one of the most common types of genetic rearrangement induced by agents that damage DNA. Chromosomal translocations involving 11q23 are the most frequent chromosomal aberrations in secondary leukemia. The molecular mechanisms of chromosomal translocations, however, remain largely unknown. We found that a defect of ATM kinase, a DNA damage signaling regulator, increases the incidence of 11q23 chromosomal translocation in etoposide-treated cells. We also observed that the phosphorylation of ARP8, a subunit of the INO80 chromatin remodeling complex, after etoposide treatment is regulated by ATM and attenuates ARP8 interaction with INO80. The ATM-regulated phosphorylation of ARP8 reduces the excessive loading of your INO80 and RAD51, a recombinase involved in DNA repair, onto the breakpoint cluster region. These findings suggest that the phosphorylation of ARP8 regulated by ATM plays an important role in maintaining the accuracy of DNA repair to prevent etoposide-induced 11q23 abnormalities. We also examined the changes of higher-order nuclear structures around breakpoints of 11q23 translocations. Studies of mechanisms of chromosomal translocations will contribute to the prevention of late effects of cancer treatment in childhood.

  • 瀬戸 加大
    臨床血液
    2009年 50 巻 10 号 1518-1523
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/13
    ジャーナル 認証あり
  • ―悪性リンパ腫の染色体・遺伝子診断―
    大野 仁嗣
    日本耳鼻咽喉科学会会報
    2014年 117 巻 1 号 1-9
    発行日: 2014/01/20
    公開日: 2014/02/22
    ジャーナル フリー
    悪性リンパ腫の診断・分類は, 病理形態やフェノタイプ解析によるところが大きいが, 染色体・遺伝子変異の情報も極めて重要である. 悪性リンパ腫には多くの
    染色体転座
    が認められ, 病型や病態と密接に関連している.
    染色体転座
    は, 転座切断点に位置する腫瘍関連遺伝子が抗原受容体遺伝子に近接することによって発現調節に異常を来すタイプと, 転座によって2つの遺伝子が融合しキメラ蛋白をコードするタイプに大別される. 悪性リンパ腫に認められる転座の多くは前者に属し, 特に免疫グロブリン遺伝子と関連した転座の頻度が高い. 染色体分析はGバンディングに加えてFISH解析を行う. FISHは
    染色体転座
    切断点に該当する2つのDNAプローブを異なる蛍光色素でラベルし, 蛍光顕微鏡下で融合シグナルや分離シグナルを観察する方法である. FISHは分裂核だけでなく, 間期核にも応用可能である. B細胞リンパ腫の代表的な
    染色体転座
    である t(8;14)(q24;q32) と t(14;18)(q32;q21) は, 免疫グロブリン重鎖遺伝子の各領域と, MYC遺伝子やBCL2遺伝子に設計したプライマーを用いたPCRで転座接合部を増幅することができる. 濾胞性リンパ腫では t(14;18)(q32;q21), マントル細胞リンパ腫では t(11;14)(q13;q32), MALTリンパ腫では t(11;18)(q21;q21) と t(1;14)(p22;q32), 未分化大細胞リンパ腫では t(2;5)(p23;q35) が高い頻度で認められ, 病型特性が高い. 一方, びまん性大細胞型B細胞リンパ腫では t(8;14) や t(14;18) に加えて, BCL6遺伝子を標的とする t(3q27) の頻度が高い. それぞれの病型には, アレイ解析や次世代シークエンサーによって明らかになったゲノム変異の知見が蓄積され, 悪性リンパ腫発症のメカニズムが次第に明らかになっている.
  • *岩口 伸一, 鈴木 孝仁
    日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
    2005年 49 巻 P-25
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/09/07
    会議録・要旨集 フリー
    病原性酵母 Candida albicans では臨床分離株間で染色体電気泳動核型の多様性が見出される。その原因として反復配列群 MRS(RB2、RPS、Hok)を介した
    染色体転座
    が考えられている。我々はこれまでに MRS 内の RB2 領域へ URA ブラスターを挿入させることにより
    染色体転座
    を誘導する系を開発している。本研究では、RB2 領域での組換えが
    染色体転座
    を生じる直接の原因であるかについてさらに検討を加えた。RB2 領域に挿入されている URA ブラスターは URA3 遺伝子が hisG 配列に挟まれた構造をしている。Ura+ 株が生育できない 5-FOA 培地で培養すると、hisG 直列反復配列間での組換えが生じる。 染色体 R から 7 上の RB2 領域に URA ブラスターが挿入された株を 5-FOA 培地で培養して hisG 反復配列間の組換えを誘導し、RB2 領域内での組換えが染色体再編成を誘導するかについて調べた。ウラシル要求性になった株から任意に 10 から 12 株選び、PFGE により染色体核型を調べたところ、染色体 2 に URA ブラスターが挿入された tRB3 株、
    染色体転座
    が見られていた tRB29 株由来の株において余剰染色体が認められた。このことは RB2 領域での組換えが染色体再編成を誘導することを示唆している。
  • *磯田 健志, 高木 正稔, 森尾 友宏, 水谷 修紀
    日本臨床免疫学会総会抄録集
    2011年 39 巻 MW-2
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/08/20
    会議録・要旨集 フリー
    遺伝性毛細血管拡張性小脳失調症(以下AT)は、ATM遺伝子の変異で生じ、T及び、Bリンパ球減少症、白血病リンパ腫の発症を呈する先天性免疫不全症である。Tリンパ球減少は、VDJ再構成異常から、DP期からSP期への移行不良によるとされ、胸腺リンパ腫は、高率に14番染色体のTCRδ鎖を切断点とする
    染色体転座
    を有する。しかし、分化段階のDN期に分化異常、及び発癌のヒットが存在するかは明らかでない。我々は、ATマウスのDN期に、in vivo及びin vitroの分化誘導実験からDN3aからDN3b期への移行不良を確認した。移行不良の原因検索として、ATのLTR-HSCは骨髄移植後、WT胸腺環境でも移行不良を生じ、AT胸腺ストローマが分化不良の原因でないことを確認した。ATM欠損RAG2欠損マウスに抗CD3e抗体を投与すると、DN3からDPへ分化誘導され、分化シグナルに異常は見られなかった。これらより、移行不良の原因は、TCRβ鎖再構成異常であると結論付けられる。さらに、14番
    染色体転座
    を分化段階に応じて確認した。DN2-3aでは、転座検出率は低く、DN3b-4では約10%に検出でき、DN3aのVDJ組換え時に
    染色体転座
    を生じていることが考えられた。今回の我々の解析で、ATM欠損T細胞のDN3a期は、Tリンパ球減少の原因が存在し、14番
    染色体転座
    を生じる発癌のヒットポイントであることが示された。
  • 矢杉 賢吾, 竹中 龍太, 河合 大介, 柘野 浩史, 藤木 茂篤, 三宅 孝佳, 祇園 由佳, 吉野 正
    日本消化器内視鏡学会雑誌
    2021年 63 巻 7 号 1351-1357
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/07/20
    ジャーナル フリー HTML

    症例は70歳代女性.胃穹隆部,胃体中部に多発する褪色調陥凹型のHelicobacter pylori(以下,H. pylori)陽性t(11;18)(q21;q21)転座(以下,転座)陰性胃MALTリンパ腫を認め,H. pylori除菌療法を行い寛解が得られた.除菌治療から7年後の上部消化管内視鏡検査で,胃体中部前壁に新規の褪色調陥凹病変を認めた.新規病変は病理組織学的および遺伝学的解析によりH. pylori陰性転座陽性のMALTリンパ腫と診断され,放射線治療により寛解を得た.同一患者に形質の異なるMALTリンパ腫が異時性に発生した.そのような症例の報告はなく,本疾患の臨床病理学的および分子生物学的背景を理解する上できわめて重要な症例と考えられた.

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