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クエリ検索: "流山中央病院"
139件中 1-20の結果を表示しています
  • 松田 彰, 川崎 竜平, 油井 綾子, セーボレー 純子, 田淵 麻衣, 込山 敦子, 筒井 侑希, 廣瀬 朗子, 吉川 由佳里, 桂 奈緒美, 桜井 順也, 松田 昌文
    糖尿病
    2016年 59 巻 12 号 775-781
    発行日: 2016/12/30
    公開日: 2016/12/30
    ジャーナル フリー

    Non-communicable diseases(NCD)の発症は遺伝素因と環境の相互作用以外に胎生期から幼少期の栄養環境に影響される.当時の成育状況を調査票で調べ代謝指標との関連を検討した.対象は733名(男297女436名,68.9±11.1歳,BMI 22.6±3.4)で,幼少期の貧しい栄養環境,低出生時体重,小学校入学時の低身長に関連を認めた. HbA1cは出生時体重と線形的な負の関連を示し,HbA1cが5.8 %以上になるオッズ比は3.5 kg以上と比べ2.5 kg以下は約4倍であった(odds ratio=4.03;95 %CI:1.20~13.6;P<0.024).約70年前の負の栄養環境が将来のNCDの誘因となる可能性を改めて示唆した.糖尿病の未病化の先制医療は出生時体重を高く保つことであると考えた.

  • 内田 貴範, 東田 哲博, 金澤 隆三郎
    脳卒中
    2023年 45 巻 3 号 257-263
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/05/25
    [早期公開] 公開日: 2023/01/18
    ジャーナル オープンアクセス

    頚動脈ステント留置術(carotid artery stenting: CAS)の術後に,患側のびまん性脳血管攣縮を認めた2症例を報告する.症例1は症候性高度狭窄であった.症例2は脳循環予備能低下のない中等度狭窄であり,CAS直後のsingle-photon emission computed tomographyにて患側大脳の広範な血流低下を認めた.脳血管攣縮は過灌流症候群とともに血行動態の変化を来す病態であり,その治療方法は異なるため,速やかな鑑別を要する.CAS後の虚血性合併症では,血栓塞栓症だけでなく,本病態を念頭に置くことも重要と考えられる.

  • 高橋 祐一, 越阪部 学, 東田 哲博, 内田 貴範, 金澤 隆三郎
    脳卒中
    2021年 43 巻 3 号 235-239
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/05/25
    [早期公開] 公開日: 2020/10/19
    ジャーナル フリー

    要旨:脳卒中診療において脳虚血症状で発症した急性大動脈解離を鑑別することは,単に致死的疾患である大動脈解離を正しく診断することだけでなく,不適切なrt-PA静注療法を避けるといった点で非常に重要である.脳虚血症状を伴う急性大動脈解離は,頻度は低いが,意識障害や失語症といった神経症状を伴い,脳卒中疑いで搬送される可能性がある.大動脈解離は解離部位に応じて非特異的で多彩な症状を呈しうる.胸背部痛の訴えがなく脳虚血症状で発症した急性大動脈解離を見逃さないために,血圧低値や左右差,胸部X線の縦郭拡大,Dダイマー高値といった急性大動脈解離の臨床像を理解しておく必要がある.補助的画像検査の中で,頸部MRAは,脳梗塞の病態評価に有用である一方で,大動脈解離の補助的検査にもなり得る検査である.胸痛を伴わずに脳虚血症状で発症し,最終的に急性大動脈解離の診断に至った2例を文献的考察を交えて報告する.

  • 協調制御モデルを用いて
    *相澤 高治, 石井 慎一郎
    理学療法学Supplement
    2007年 2006 巻 512
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/05/09
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】歩行立脚期において、下肢には大きく二つのイベントが存在する。ひとつは立脚初期の接地課題への適応、もうひとつは立脚後期での駆動力の発生と安定した荷重の受け渡し準備である。このことは鉛直方向床反力成分が2峰性となってあらわれる。このうち、立脚初期の接地課題は、熊本らが提唱する拮抗二関節筋を含む三対6筋を配した「協調制御モデル」により、下肢先端の剛性楕円により解決することが明らかとなっており、第39、40回の理学療法学術大会において筆者らは、この特性により鉛直方向床反力成分が最大となる時期に下肢軸と床反力線が一致することを報告した。今回の目的はこのモデルを用いて立脚後期における荷重受け渡し準備と駆動力の発生をどのように制御しているかを明らかにすることである。
    【対象と方法】対象者は健常成人9名(男性2名、女性7名、平均年齢20.6歳)とした。被験者は自由歩行中の下肢関節角度と床反力ベクトルを三次元動作解析装置VICON612(VICON‐PEAK社製)ならびに床反力計(AMTI社製)を用いて計測した。計測回数は各被験者3歩とした。対象者には実験の目的を説明し、同意を得た上で計測を行った。本研究で特に着目したのは、立脚後期に床反力鉛直方向成分が最大となるターミナルスタンス時とし、この時期の床反力ベクトルと下肢軸との関係性を求めた。協調制御モデルでは下肢軸の系先端を股関節と仮定し、股関節と足関節を結んだ線上に系先端の剛性楕円の長軸が存在することから、下肢軸と床反力のなす角(CL角)の値と変動幅を求め、床反力ベクトルと下肢軸との関係性について検討した。
    【結果】計測によって得られた3歩の平均と変動幅を以下に示す。CL角の極性は下肢軸を基準として床反力ベクトルが進行方向へ傾斜している時を(-)とした。CL角の平均値は‐11.18°、変動の幅は(SD±0.61)であった。
    【考察】今回立脚後期でのCL角を考えてみると一歩ごとの路面環境や歩行速度、関節角度が異なるにもかかわらず、常に一定していることが明らかになった。協調制御モデルの最大の特徴は、系先端の剛性と出力方向を分離して制御できることである。系先端での剛性楕円について考えてみると股関節、足関節を結んだ線上に楕円の長軸が、短軸はそれに直行し、垂直軸に対する下肢軸の傾きが傾斜となる。下肢軸に対して一定傾斜で床反力線が作用することで、鉛直方向の剛性を保持しつつ、前後方向への剛性を高めることとなる。つまり立脚後期に必要な荷重の受け渡し準備と蹴り出し時の安定した駆動力の発生という同時課題を達成するために、下肢軸の剛性楕円に対して一定の傾斜で床反力線を出力していると推察される。今後は、動作筋電図と同期させることで剛性楕円の具体的な値を算出し、より詳細な検討を進めていきたい。

  • *相澤 高治, 長原 亜希, 石井 慎一郎
    理学療法学Supplement
    2006年 2005 巻 652
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/29
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】スロープ昇降は斜面という難易度の高い接地課題を達成しながら、一定の動作パターンを再現し、重心を鉛直方向へ移動させるという高度な力学的対応を必要とする動作である。斜面という環境に対応し自動調節された動作パターンを再現するといった力学対応の背景に存在するメカニズムについて、運動力学的観点から論じた報告は少ない。本研究の目的は、スロープ昇降立脚期における接地課題に適応するメカニズムを調べることにある。
    【方法】対象者は健常成人6名(男性3名、女性3名、平均年齢28.5歳)とした。被験者はスロープ昇降中の下肢関節角度と床反力ベクトルを三次元動作解析装置VICON612(VICON MOTION SYSTEM 社製)ならびに床反力計(AMTI社製)を用いて計測した。計測回数は各被験者5歩、スロープの傾斜は12°とした。本研究で特に着目したのは、スロープ昇降中で最も制御が難しい床反力鉛直方向成分が最大となるイニシャルコンタクト後とし、この時期の股関節、膝関節、足関節の屈伸角度の変動幅を求め、下肢ダイナミックアライメントの冗長性を調べた。また、床反力ベクトルと股関節、足関節を結んだ線のなす角(CL角)を求め、床反力ベクトルが下肢軸に対してどのように作用しているか調べた。
    【結果】計測によって得られた5歩の平均と変動幅を以下に示す。CL角の極性は下肢軸を基準として床反力ベクトルが進行方向へ傾斜している時を(-)とした。スロープ昇りでの各関節角度は、股関節屈曲22.28°(SD±4.10)、膝関節屈曲31.46°(SD±6.00)、足関節背屈3.24°(SD±5.26)であった。一方CL角は2.00°(SD±1.84)であった。スロープ降りでは、股関節屈曲14.29°(SD±3.76)、膝関節26.88°(SD±10.04)、足関節底屈‐16.36°(±SD5.38)であった。一方CL角は‐1.36°(SD±1.93)であった。関節角度とCL角の変動の幅を比較すると、関節角度の変動幅がCL角の変動幅よりも大きいという傾向があった。
    【考察】スロープ昇降は斜面という路面環境に適応し、重心を鉛直方向に移動させるという高度な力学的対応を必要とする動作である。第40回日本理学療法学術大会において演者は歩行において、イニシャルコンタクト後の最大床反力がかかる時期に、床反力ベクトルと下肢軸とを一致させるように制御していることを報告したが、今回のスロープ昇降においても同様な制御方法を選択していることが示唆された。今後は階段昇降など複数の動作で、接地課題に適応するメカニズムを検討していきたい。
  • *長原 亜希, 相澤 高治, 石井 慎一郎
    理学療法学Supplement
    2006年 2005 巻 651
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/29
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】階段昇降は、高さの異なる接地面で荷重を受け渡し、重心を鉛直方向に移動させ、平衡を維持しながら自動調節された一定のパターンを再現するという高度な力学対応を必要とする動作である。本研究の目的は、日常生活で使用頻度の高い応用動作の一つである、階段昇降での立脚期における下肢運動制御のメカニズムを調べることである。
    【方法】対象者は健常成人6名(男性3名、女性3名、平均年齢28.5歳)とした。被験者の階段昇降中の下肢関節角度と床反力ベクトルを三次元動作解析装置VICON612(VICON MOTION SYSTEM社製)ならびに床反力計(AMTI社製)を用いて計測した。計測回数は各被験者5歩、階段の高さは10cm、ふみしろは30cmとした。本研究において特に着目したのは、階段昇降中で最も制御の困難な床反力鉛直方向成分が最大になる立脚初期とし、この時期の股関節、膝関節、足関節の屈伸角度の変動幅を求め、下肢ダイナミックアライメントの冗長性を調べた。また、床反力ベクトルと股関節と足関節を結んだ線のなす角(CL角)を求め、床反力ベクトルが下肢軸に対してどのように作用しているかを調べた。
    【結果】計測により得られた5歩の平均と変動幅を以下に示す。ただし、CL角の極性は下肢軸を基準として床反力ベクトルが進行方向へ傾斜している時を(-)とした。各関節角度は、昇りでは、股関節屈曲20.14°(SD±4.44)、膝関節屈曲39.82°(SD±23.43)、足関節底屈-2.17°(SD±5.85)であった。一方、CL角は平均-0.04°(SD±1.71)であった。また、降りでは、股関節屈曲15.87°(SD±32.42)、膝関節屈曲22.76°(SD±6.81)、足関節底屈-5.63°(SD±3.65)であった。一方、CL角は平均-2.53°(SD±1.79)であった。関節角度とCL角の変動幅を比較すると、関節角度の変動幅がCL角の変動幅よりも大きいという傾向があった。
    【考察】階段昇降は接地面の高さの変化に適応しつつ、重心を鉛直方向に移動させていくという、日常生活上で使用頻度の高い応用動作の一つである。階段昇降では、イニシャルコンタクト後の最大床反力がかかる時期に、床反力ベクトルと下肢軸とを一致させるように対応していることが示唆された。これは、第40回日本理学療法学術大会で報告された、歩行立脚期での力学的対応と同様の結果であった。歩行と異なる動作であっても重心を連続的に移動させるという力学的な課題として捉えた場合、CL角を常に下肢軸と一致させる制御方法を選択していると考えられる。このことから、動作は力学的な課題を遂行する活動だと理解し、臨床では支持面に対する出力の仕方に重点をおいて治療方法を選択すべきである。
  • 森山 信男, 北村 唯一, 国吉 昇, 阿曽 佳郎
    日本泌尿器科学会雑誌
    1989年 80 巻 5 号 740-743
    発行日: 1989/05/20
    公開日: 2010/07/23
    ジャーナル フリー
    42歳男性の, 睾丸と副睾丸に病変を認めたマラコプラキアの1例を報告した. 自験例を含めて32例の睾丸マラコプラキアを集計し, 文献的考察を行なった. 本邦では自験例の他に1例の報告がある. 平均年齢は48.2歳で, 2/3が右側であった. 症状発現から手術までの観察期間は平均2.6ヵ月であった. 治療法としてほとんどの症例で睾丸摘出がおこなわれた. 確定診断は摘出標本の病理学的検索でなされている. 悪性腫瘍を含めた慢性疾患との関連も示唆された. なお, 自験例と同様に副睾丸マラコプラキアを合併した例は4例みられたが, 本邦ではまだ報告がない.
  • 相澤 高治, 松田 雅弘
    理学療法学Supplement
    2011年 2010 巻 PI1-082
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/05/26
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】跳躍動作はスポーツ場面でパフォーマンスを左右する重要な動作である。実際の競技では相手をかわしながらの跳躍や方向転換の要素を多分に含み、その能力が競技成績を左右する。筆者らは第41回全国理学療法士学術大会において、股関節屈曲筋力と跳躍動作に関連性があることを報告したが、対象とした跳躍動作には方向転換の要素を含んでいなかった。また股関節周囲筋力と方向転換の要素を含んだ跳躍動作との関連性を検討したものも見当たらない。そこで今回の研究の目的は、股関節屈伸筋力と方向転換の要素を含む跳躍動作との関連性を検討することである。
    【方法】 対象は、整形外科的疾患を有しない健常大学生21名(男性14名、女性7名、身長166.0±8.9cm、体重63.3±9.9kg、平均年齢21.7±1.6歳)とした。各被験者に対して等速性股関節屈伸筋力測定および片脚ジャンプテストを実施した。測定下肢はボールをよく蹴る側の下肢とした。筋力測定にはBIODEX(SAKAI med製;BDX-4)を用いた。測定肢位は背臥位とし、測定する角速度は180、300deg/secの2条件で行った。各角速度で3回測定した上で、股関節屈曲および伸展ピークトルクを体重で除してトルク体重比として算出した。ジャンプテストの種類は「8の字走行」、「階段昇降」、「反復横跳び」の3種目とした。「8の字走行」では、5m間隔におかれた二つの棒の周りを片脚跳びで8の字を描いて2周する時間を記録した。「段差昇降」は20cmの段差を昇りは前方へ、降りは後方へ向きを変えることなく10回往復を反復して片脚で昇降するタイムとした。「反復横跳び」は30cm間隔に引かれた二本の線を片脚で左右方向に10回往復して飛び越える時間とした。統計処理はSPSSver15(Windows)を使用して3種目のテストの測定値と股関節屈曲および伸展トルク体重比との間の相関をPearsonの相関係数を用いて検討し、有意水準は5%とした。
    【説明と同意】全対象者に対してヘルシンキ宣言に基づき、事前に本研究の目的と方法を説明し、研究協力の同意を得た。
    【結果】角速度180deg/secでの伸展筋力と反復横跳びとの間には有意な相関関係を認めなかった(r=-0.41、P=0.06)。それ以外ではすべてにおいて有意な負の相関関係を認めた。結果は以下の通り。8の字走行:屈曲180deg/sec(r=-0.85)、伸展180deg/sec(r=-0.52)、屈曲300deg/sec(r=-0.65)、伸展300deg/sec(r=-0.74)。階段昇降:屈曲180deg/sec(r=-0.70)、伸展180deg/sec(r=-0.47)、屈曲300deg/sec(r=-0.61)、伸展300deg/sec(r=-0.51)。反復横跳び:屈曲180deg/sec(r=-0.75)、屈曲300deg/sec(r=-0.54)、伸展300deg/sec(r=-0.56)。
    【考察】股関節屈曲筋力と方向転換の要素を含む3種類のジャンプテストとの間の全てに有意な関連性が認められた。筆者らは以前に方向転換の要素のない跳躍動作と股関節屈曲筋力との間に関連性があることを報告した。また今回の3種目のテストは膝周囲筋力との関連性は低いと伊藤らが報告していることから、筆者らの研究と統合して考えて方向転換の要素の有無に関わらず跳躍動作は股関節屈曲筋力との関連性の高い動作と示唆される。特に8の字走行と股関節屈曲筋力および伸展筋力はそれぞれ3種目の中で最も高い関連性を示した。8の字走行の特徴は短距離の加速と速度を落とさない方向転換能力が重要であると考えられる。吉田らは30mスプリントと股関節屈曲筋力に高い相関があると報告している。また、Dean RSは股関節屈曲筋力の増加によりシャトルランのタイムが向上することを報告している。馬場らは短距離走の着床時に大殿筋の活動が高まり、その後のキック時の力原になると報告している。これらの先行研究から股関節屈伸筋力は振り出し能力やキック時の力原、着地の姿勢制御に関連すると推測される。今回8の字走も短距離走同様に加速が重要であり、かつ方向転換時の姿勢制御が重要であることから股関節屈伸筋力と高い関連性を示したと考えられる。角速度300deg/secの股関節伸展筋力と階段昇降および反復横とびの間に関連性を認めた。2種類のジャンプテストは着地後に運動方向が正反対になることを繰り返す。短時間に方向転換の要素を含む着床を繰り返すため、ジャンプスピード以上に着地時の姿勢制御の戦略が重要になり、より早い速度での股関節伸展筋力と関連性が認められたものと考えられる。
    【理学療法学研究としての意義】今回の研究から跳躍動作は方向転換の有無に関わらず股関節屈曲筋力との関連性が高い動作であることが示唆された。股関節屈曲筋力を高める運動療法を提供することでスポーツ場面でのトレーニングや障害予防などに応用できると考えられる。
  • 越阪部 学, 金澤 隆三郎, 吉原 智之, 内田 貴範, 東田 哲博, 新井 直幸, 高橋 祐一
    脳卒中の外科
    2020年 48 巻 5 号 365-369
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/10/22
    ジャーナル フリー

    We report a case of collaborative treatment using surgical and radiological approaches for a ruptured dissecting aneurysm around the proximal posterior cerebral artery (P1-P2) and the posterior communicating artery. A 37-year-old woman was admitted to our hospital with a severe headache for 3 days. On admission, a computed tomography scan revealed a subarachnoid hemorrhage and a cerebral angiogram showed a dissecting aneurysm involving the proximal posterior cerebral artery (P1-P2) and posterior communicating artery. Although parent artery occlusion was indispensable for complete treatment, it posed the risk of ischemic complications in the right posterior cerebral artery distribution. A preoperative assessment of her three-dimensional digital subtraction angiogram enabled the consideration of a more feasible approach of collaborative treatment using surgical and radiological techniques. A successful outcome was obtained at the right P1 occlusion using coils and by the placement of the superficial temporal artery-posterior temporal artery bypass, followed by proximal clipping of the right posterior communicating artery. She was discharged without any neurological complications after 38 days.

    The information obtained from the angiogram was accurate and aided us in determining the appropriate approach to treatment. In this case, collaborative therapy was appropriate. Such procedures may be considered under certain circumstances and collaborative treatment using surgical and radiological approaches may be necessary for anatomically complex diseases.

  • 相澤 高治, 松田 雅弘
    理学療法学Supplement
    2009年 2008 巻 P2-026
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/25
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】ジャンプ動作は、ACL損傷後の競技復帰基準や体力測定の項目として実施される.種類によっては膝の伸展筋力のみならず屈曲筋力と関係のある報告があり、その研究の多くは等速性運動における筋機能との関係性を論じている.一方、熊本らは、拮抗二関節筋を含む3対6筋の協調制御モデルを提唱し、機能別実効筋力を測定する方法を開発した.本研究はジャンプ能力と機能別実効筋力との関係性を検討した.

    【方法】対象者は下肢に整形外科疾患のない健常成人17名(男性12名、女性5名)、年齢19.7±0.7歳、身長169.5±8.5cm、体重64.5±10kg.全ての対象者に研究の内容を説明し、同意を得たうえで実施した.測定には、FEMS試作機一号(竹井製作所製)を使用し、ボールを蹴る足の筋力を3回測定、機能別実効筋力(一関節筋:e1股関節屈曲、f1股関節伸展、e2膝関節伸展、f2膝関節屈曲、ニ関節筋:e2膝伸展、f2膝屈曲と定義)の平均値を体重で除し、機能別実効筋力体重比として算出した.ジャンプは片脚での垂直跳び、前方ジャンプ、三段跳びの3種目の距離を測定した.統計解析はSpearmanの順位相関係数を用い、危険率5%とした.(SPSSver15)

    【結果】相関が有意に認められたのは次の通り.垂直跳び:e1(r=0.82)e2(r=0.62).前方ジャンプ:e1(r=0.64)e2(r=0.64).三段跳び:f1(r=0.48)e1(r=0.77)e2(r=0.53)e3(r=0.55).

    【考察】協調制御モデルによると、系先端における出力分布は六角形になることが理論的、実験的に明らかにされている.3対6筋はそれぞれ出力特異方向が存在し、e2は理論上股関節と足関節を結んだ下肢軸上に出力される.3種目とも下肢軸方向への出力が予想され、e2はその出力の大部分を担うと推測される.先行研究では、膝伸展筋力は3種目との相関が報告されており、e2が3種目と相関するのは妥当と考えられる.特徴的なことはe1が3種目で、f1が三段跳びで相関が認められたことだ.モデルでは、拮抗筋の収縮比率を変化させることで各辺上の出力方向を制御している.前方への飛び出し時、出力は前足部に移り、先の下肢軸上より前方、すなわちe1の拮抗作用により方向制御を担当する辺上に存在する.大きな加速が生じるジャンプ動作においては、安定した方向制御を可能にするこの拮抗筋群が重要になると推測され、特に垂直跳びは体幹を垂直位に保持しかつ、前方出力を作用させるe1がより重要になると推測される.三段跳びのみでf1、e3との関係性が認められたのは、三段跳びは着地を制御して遂行する特徴があり、e3の二関節筋の出力方向は着地時の床反力と向き合うことで、またf1は歩行において踵接地時に活動して衝撃緩和を行うとされることからも、両筋の着地制御能力が反映されたものと考える.
  • 相澤 高治, 松田 雅弘
    理学療法学Supplement
    2010年 2009 巻 O2-059
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
    本研究の目的はジャンプ能力と股関節筋力との関係性の検討である。ジャンプ能力と筋力との関係については、太田垣らが等速性膝屈伸筋力との相関があると報告しており、膝屈伸筋力に関しては同様な報告が多数ある。筆者らは第44回全国理学療法学術大会において、熊本らが提唱する機能別実効筋力とジャンプ能力との関係性を検討し、股関節屈筋筋力との関係性を示唆する報告を行なった。しかし、股関節筋力に関する報告は散見する程度であり、更なる検討が必要であると考えた。
    【方法】
    整形外科的疾患を有しない健常者16人(男性8人、女性8人、身長165.4±8.4 cm、体重59.9±8.7kg、平均年齢19.7歳)を対象とした。筋力測定にはBIODEX(SAKAImed製BDX-4)を用い、右脚の等速性股関節屈伸筋力を角速度60、180、300deg/secで各3回測定した。屈曲、伸展それぞれの最大値を体重で除してトルク体重比として算出した。ジャンプテストは片脚で行ない、全て右脚を測定脚とした。種類は垂直跳び、幅跳び、三段跳び、6mHopの4種目とした。垂直跳びはタッチ式測定法で測定し、着地は両脚とした。幅跳びは踏み切り時のつま先から着地時の踵までの距離を測定し、着地は両脚とした。三段跳びは踏み切り時のつま先から着地時の踵までの距離を測定した。3回連続で前方に跳び、最後の着地は両脚とした。6m Hopは6mの距離を出来るだけ素早くホップし、その時間を測定した。テストは2回実施し良値を採用した。上肢や反体側の下肢についての動作規定は設定しなかった。統計処理はSPSSver15(windows)を使用して4種目のジャンプ能力と股関節屈曲・伸展トルク体重比間における相関をPearsonの相関係数を用いて検討した。有意水準は5%未満とした。
    【説明と同意】
    ヘルシンキ宣言に基づいて、研究内容の説明、被験者に対する不利益の排除、個人情報の保護を説明し、同意を得た上で実験を行なった。
    【結果】
    ジャンプ能力とトルク体重比で有意差のあった項目は以下の通りであった。垂直跳び:屈曲60deg/sec(r=0.49)、屈曲180deg/sec(r=0.67)、屈曲300deg/sec(r=0.83)。幅跳び:屈曲180deg/sec(r=0.54)、屈曲300deg/sec(r=0.75)。三段跳び:屈曲180deg/sec(r=0.62)、屈曲300deg/sec(r=0.75)。6mHop:屈曲180deg/sec(r=-0.50)、屈曲300deg/sec(r=-0.64)。伸展に関しては全てに有意差を認めなかった。
    【考察】
    股関節屈曲筋力と4種目のジャンプ能力との関係性が改めて確認された。小澤らは大腰筋の断面積と重心動揺との関係性の検討から大腰筋が前後方向のバランス能力に関与していると報告しており、また森田らも大腰筋訓練が片脚立位での前後左右方向のバランス能力に寄与したと報告している。本研究は全て片脚でジャンプ動作を行なっており、先の報告以上にバランス能力が求められたと推測される。このことから、股関節屈曲筋力とジャンプ能力の関係性にバランス能力が関与した可能性が示唆される。次に水平方向の要素が強い幅跳び、三段跳び、6mHopと股関節屈曲筋力との関係性で推測されることは着地姿勢への関与である。この3種目は下肢を前方に素早く屈曲させ、着地時に下肢が体幹の前方回転を制動すると推測される。つまり股関節屈曲筋力と着地姿勢形成能力が関係したと示唆される。一方、垂直跳びに関してはRobertsonが動作解析により、下肢伸展筋の貢献度を股関節40%膝関節24%足関節35%だと報告している。しかし今回の結果では伸展筋との相関は確認されず、異なる結果となった。ここで熊本らが提唱する協調制御モデルで考えてみる。モデルでは拮抗筋の同時収縮が系先端(足部)での出力方向制御を担うとされ、4種目とも股関節筋群が方向制御を担当する領域でtake-off時に出力していると推定される。股関節の伸展に拮抗するだけの屈曲筋力があることにより方向制御が可能となると考えられ、出力方向制御能力とジャンプ能力との関係性が示唆される。今後は股関節屈曲筋力とジャンプ能力との関係性は確認できたが、まだ推測の域をでないものが多く、動作の種類やフェーズとの関係性、協調制御モデルにもとづく解析方法の検討など、更なる検討が必要と思われる。
    【理学療法学研究としての意義】
    従来の報告は出力を生み出す膝関節に注目が集まり、ジャンプ能力と膝屈伸筋力との関係性に議論が集中していた。しかし私達の研究成果は、股関節屈曲筋力が関与するとされるバランス能力や出力方向制御能力がジャンプ能力と関係することを示唆するもので、他に報告はなく新規性が高い。
  • 小林 樹, 松浦 佑介, 山崎 厚郎, 赤坂 朋代, 小曽根 英, 向井 務晃, 松山 善之, 山崎 貴弘, 鈴木 崇根, 國吉 一樹
    日本肘関節学会雑誌
    2019年 26 巻 2 号 45-48
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/12/24
    ジャーナル フリー
     高度な外傷性肘関節骨軟部欠損に対し,肩甲皮弁および人工肘関節置換術を施行し良好な機能改善を認めた症例を経験した.症例は62歳女性.交通事故にて右肘関節開放骨折を受傷した.受傷当日,前医にて洗浄デブリードマン,創外固定術を受けるも肘関節の高度骨軟部組織欠損をきたした.当院搬送後,受傷14日目に初期治療として肩甲皮弁を用いた軟部組織再建を行った.受傷後11か月にて人工肘関節挿入術を行った.受傷後15か月時点で,可動域は他動伸展0°,自動屈曲100°,前腕自動回外90°,回内30°まで改善した.本症例では肩甲皮弁による軟部組織修復を行い感染を来すことなく術後リハビリテーションが可能であった.また高度な骨欠損による上肢の短縮を認めたが,人工肘関節挿入にて短縮を解消し肘の自動屈曲力の改善を得た.肘関節周囲の高度な骨軟部組織欠損に対して肩甲皮弁および人工肘関節を併用した治療選択は時に有用である.
  • 中村 駿介, 加藤 博之, 岩川 紘子, 中西 真也, 林 正徳, 髙橋 淳
    中部日本整形外科災害外科学会雑誌
    2022年 65 巻 3 号 445-446
    発行日: 2022/05/01
    公開日: 2022/09/14
    ジャーナル 認証あり
  • *相澤 高治, 石井 慎一郎
    理学療法学Supplement
    2005年 2004 巻 480
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/04/27
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
    二足歩行は不安定な中で平衡を維持し、自動調節された運動パターンを再現するという力学対応が要求される動作である。時々刻々変化する路面環境や歩行速度の変化に対応しながら、常に一定の動作パターンを再現しなくてはならい。こうした力学対応の背景に存在するメカニズムについて、運動力学的観点から論じた報告は少ない。本研究の目的は、歩行立脚期における下肢の運動制御がどのようなメカニズムで行われているのかを調べる事である。
    【方法】
    対象者は健常成人12名(男性8名、女性4名、平均年齢32歳)とした。被験者の自由歩行中の下肢関節角度と床反力ベクトルを三次元動作解析装置VICON 612(VICON MOTION SYSTEM社製)ならびに床反力計(AMTI社製)を用いて計測した。計測回数は各被験者10歩とした。本研究において特に着目したのは、歩行周期中で最も制御の困難な床反力鉛直方向成分が最大となる立脚初期とし、この時期の股関節、膝関節、足関節の屈伸角度の変動幅を求め、下肢ダイナミックアライメントの冗長性を調べた。また、床反力ベクトルと股関節と足関節を結んだ線のなす角(CL角)を求め、床反力ベクトルが下肢軸に対してどのように作用しているかを調べた。
    【結果】
    計測により得られた10歩の平均と変動幅を以下に示す。ただし、CL角の極性は下肢軸を基準として床反力ベクトルが進行方向へ傾斜している時を(-)とした。各関節角度は、股関節屈曲17.4°(SD±4.75)、膝関節屈曲16.7°(SD±8.16)、足関節底屈14.8°(SD±3.31)であった。一方、CL角は平均-0.15°(SD±1.33)であった。関節角度とCL角の変動幅を比較すると、関節角度の変動幅がCL角の変動幅よりも大きいという傾向があった。
    【考察】
    歩行中において下肢が床面と接触するということは、関節制御の観点からみると作業座標系におけるコンタクトタスクとみることができる。イニシャルコンタクト後の最大床反力がかかる時期に、下肢関節のアライメントを固定値として同じフォームを作り出しているのではなく、床反力ベクトルと下肢軸とを一致させるように対応していることがわかった。路面環境や歩行速度が一歩ごとに違うにも関わらず、常に一定の動作パターンが再現されるのは、歩容によって再現性があるのではなく、CL角が常に下肢軸と一致するように制御されていることによる。このことから臨床場面において歩行訓練などではフォーム(正常な歩容)を指導することより、支持面に対する出力の仕方を指導することの方が有用ではないかと考えられる。
  • *梛野 浩司, 高取 克彦, 徳久 謙太郎, 生野 公貴, 宇都 いづみ, 奥田 紗代子, 鶴田 佳世, 岡田 洋平, 松尾 篤, 冷水 誠, 庄本 康治
    理学療法学Supplement
    2005年 2004 巻 479
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/04/27
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
     健常人において星状神経節に対する物理療法の末梢循環への影響を測定する場合、寒冷負荷試験が行われている。しかし、多くの寒冷負荷試験は末梢循環測定部位を直接氷水に浸す方法が行われている。また、氷水の温度も一定ではない。
     本研究の目的は、前腕部への寒冷負荷による指尖動脈流入量(Digit Blood Inflow; DBI)の変化をストレンゲージプレチスモグラフィーを用いて測定することである。

    【方法】
     対象は健常成人10名とした(男性5名、女性5名、平均年齢27.4歳)。被検者を安静仰臥位とし20分間の安静を行った後、10分間安静時のDBIを測定し、引き続き10分間の寒冷負荷を行いながらDBIを測定した。DBIの測定はD.E.Horkanson社製EC5Rプレチスモグラフを用いて行った。静脈閉塞用カフを手関節部に装着し、閉塞圧を60mmHgに設定した。測定部位は右中指中節部とした。測定は2分間隔で行い、安静中5回、寒冷中5回、計10回測定した。寒冷負荷はOG技研社製低温治療装置(コールドエアー)を用いて-40°Cにて行った。冷却部位は右肘関節から静脈閉塞用カフ装着部までの前腕部とした。その他の副次的評価項目として平均血圧、心拍数 (オムロン社製自動血圧計HEM-757)、手掌皮膚温度 (安立計器株式会社製AP300) を2分間隔で測定した。解析は安静時DBIと寒冷時DBIをpaired t-testにて検定した。

    【結果】
     安静時DBIは24.03±14.91ml/100ml/tissuesであった(変動係数19.84%~71.95%)。寒冷時DBIは7.76±12.36ml/100ml/tissuesであった(変動係数23.24%~70.37%)。寒冷時DFIは有意に低下していた(P=0.0003:平均差16.269、95%CI 9.813-22.726)。手掌温度は安静時34.33±0.93、寒冷時32.23±1.23と有意に低下していた(P=0.0006:平均差2.10、95%CI 1.19-3.01)。血圧、脈拍の変動は認められなかった。

    【考察】
     前腕部への寒冷負荷により指尖部動脈流入量は有意に低下した。このことから、前腕部への寒冷負荷により交感神経の活動性が亢進したことが示唆された。これにより末梢部の毛細血管が収縮し動脈流入量が低下した。今回の測定では安静時の指尖動脈流入量の変動係数は19.84%~71.95%、寒冷時は23.24%~70.37%であった。指尖動脈流入量の測定は非常に変動性が大きく、再現性に欠ける測定法であった。そのため、同一セッション内で前後の変動性を比較する測定として使用することが有用であると考えられた。
  • 井田 在香, 宮木 陽, 宮内 竜臣, 山口 健太郎, 成高 義彦
    日本外科系連合学会誌
    2016年 41 巻 5 号 864-868
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/10/30
    ジャーナル フリー

    症例は48歳男性.開腹歴はなく小児期に原因不明のイレウスを数回繰返していた.右下腹部痛・嘔吐を主訴に前医を受診.急性虫垂炎の診断にて当科を紹介受診し,同日に腹腔鏡下虫垂切除術を施行した.虫垂切除後,腹腔内を観察すると回腸にMeckel憩室を認め,囊状にふくらんだ憩室頂部から後腹膜へ連なる索状物でできたループに小腸が入り込み内ヘルニアを呈していた.索状物を切離し,内ヘルニアを解除した.また憩室根部の口側と肛門側で小腸の明らかな口径差を認めたため,小開腹しMeckel憩室を含む小腸部分切除術を施行した.切除した虫垂は蜂巣炎性虫垂炎の診断で,Meckel憩室は内部に糞石を含み大腸型粘膜を認めた.急性虫垂炎を併発したMeckel憩室による合併症の報告例は非常に稀であり,若干の文献的考察を加えて報告する.

  • 綿引 涼太, 町田 徹, 夏目 季代久, 高木 清
    理学療法学Supplement
    2021年 48S1 巻 W-284
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/24
    会議録・要旨集 フリー
  • ―Powered Mobility Programを用いて―
    鵤 夢歩, 長谷川 三希子, 塚本 栞, 大林 茂
    理学療法学Supplement
    2021年 48S1 巻 W-283
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/24
    会議録・要旨集 フリー
  • *網本 和, 渡辺 学, 齋藤 和夫, 宮本 真明, 梅木 千鶴子, 宮本 恵, 黒澤 保壽, 相澤 高治, 馬場 志
    理学療法学Supplement
    2007年 2006 巻 736
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/05/09
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】鏡失認(mirror agnosia、MA)とはRamachandran(1997)らによれば、左半側空間無視症例において、右側方に置かれた鏡に映った左空間に位置するもの(ボールなど)の鏡像に対して手を伸ばし「とれません、これは鏡の向こう側にあります」などと述べる症状である。本症状に関する報告は極めて少なくその臨床特性は十分明らかではない。今回我々は半側空間無視症例においてこの鏡失認を呈するものと、呈さないものを比較検討しその臨床的特性を分析し、さらに治療介入としてサイドミラーアプローチを試みたのでその経過について報告する。

    【対象と方法】脳血管障害によって左半側空間無視を呈する右手利きの18例(男性6例、女性12例、脳梗塞13例、脳出血5例)を対象とした。すべての対象者に研究の趣旨を説明し書面にて同意を得た。このうち9例は上記の鏡失認症状を示し(MA群とする)、9例は示さなかった(UN群とする)。平均年齢はMA群78歳、UN群76歳であった。臨床特性に関する分析項目は、画像診断による病巣部位、経過日数、半側無視の程度、病態失認の有無、FIM得点とした。MA群に対して治療介入として、右側方に配置した姿勢鏡の左空間に目標物(ボール)を提示していったん鏡像を注視してから、実物に対してリーチする動作を繰り返すサイドミラーアプローチを施行しその経過を分析した。
    【結果】
    病巣はMA群では頭頂側頭葉を中心とする広範囲なものが多く、UN群では限局した部位が多かった。経過日数平均はMA群19日、UN群50日とMAは比較的早期に認められた。半側無視の程度は、MA群では中等度から重症であり、UN群では中等度から軽症なものが多かった。病態失認はMA群で9例中6例に認められ、UN群では9例中2例に認めた。FIM得点の平均はMA群で31.4点、UN群で42.7点を示しMA群の自立度は低かった。サイドミラーアプローチの経過は、9例中5例でMA症状の即時的改善(1日から10日のうちに改善)を認め、2例は長期間施行後(4ヶ月後)改善を示したが、2例はこのアプローチによる変化は認めなかった。

    【考察】MAの出現は比較的早期に認められ、病態失認との関連もあることから、半側空間無視のなかでも脳機能の全般的低下によってもたらされていると考えられる。ただし半側空間無視の重症度と完全には一致していないため単なる無視症状の重症型とはいえない可能性がある。サイドミラーアプローチはいったん右に惹きつけられた方向性注意を無視空間へと転換するトレーニングであると考えられ、MA症状に対して施行した結果、悪化した症例は認めず、その症状を概ね軽減し得る方法であることが示唆された。今後症例を重ね分析を進めたい。

  • 人工呼吸器管理選択の有無による2事例について
    *梅津 鋼, 太田 芳比古
    理学療法学Supplement
    2007年 2006 巻 735
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/05/09
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】筋萎縮性側索硬化症(以下、ALS)の理学療法は、多様な障害に対してその都度、進行に合わせた対応が必要であると報告されている。今回、多様な障害のうち、呼吸障害に対して、人工呼吸器管理を選択した事例と選択しなかった事例の2例を通して、訪問リハビリテーション(以下、訪問リハ)実施内容を整理し検討する。
    【対象および経過】事例A:71歳の男性。03年3月四肢の筋力低下にて発症。04年3月確定診断。04年5月より週2日の訪問リハ開始。ALS重症度分類4度。04年11月より歩行が困難となり、05年5月に呼吸不全のため人工呼吸器管理となる。訪問リハ実施内容として人工呼吸器管理以前は、歩行器での介助歩行訓練、病状の進行に合わせたADL訓練・家族への指導、息ためや咳等の呼吸リハを実施。人工呼吸器管理後は、無気肺・感染予防とリラクゼーション目的の呼吸リハ、車椅子による外出訓練を実施。事例B:74歳の男性。03年11月左下垂足にて発症。04年9月確定診断。05年1月より週2日の訪問リハ開始。ALS重症度分類2度。T字杖歩行監視レベルであったが、6月より歩行困難となり、介護者との間に衝突が多くなる。(ALS重症度分類5度)9月よりベット上の生活となり入院。
    【結果および考察】事例の共通点として、ALS重症度が5度までは、本人や家族またはヘルパーにその都度、障害を説明し、具体的なADL動作の指導を実施した。また呼気流速が低下し、排痰が困難となり呼吸苦が出現したので咳や息ため、呼吸筋のストレッチ等を実施した。早期での呼吸に対する関わりは、呼吸苦を緩和させることで、病気の進行の不安が軽減される。つぎに相違点として、A例では人工呼吸器管理後、車椅子による外出訓練を実施した。文字盤を通してQOL向上に有効であることが確認でき、家族も同様である。B例では、病気の進行や死に対する不安と家族の介護疲労や病気の認識不足の間で衝突が生じた。そこで訪問時、互いの主張を傾聴する時間を設定し、専門職として積極的に介入し、ストレスによる言葉の暴力がでてしまう状況を肯定する作業を実施した。さらに具体的に対応可能なことは即座に実施する作業を繰り返したことで、訪問日まで衝突を避けることができ、短時間のレスパイトケアになったと思われる。
    【まとめ】2事例ともに障害の進行に応じた早期からの呼吸リハやADL動作の指導を即座に実施することが必要であった。そして人工呼吸器管理を選択する事例は、屋外へ活動範囲を拡大していくことが、QOLの向上となり、人工呼吸器管理を選択しない事例は、積極的な介護者を含む精神的支援が重要と思われた。
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