要旨 : 知的障害者を雇用する
特例子会社
で働く雇用管理者の意識変容を検討した. 3社で面接調査を実施し, M-GTA を参考に分析した. その結果, 8のカテゴリーと6のサブカテゴリー, 20の概念が生成され, それらを会社の設立を基準とした3期 (立上期, 導入期, 成長期) に整理した. 立上期は,
特例子会社
の位置づけや, 業務・運営に関わる体制や制度に関わる検討が行われていた. 導入期は, 知的障害者社員の継続的雇用を目指し, 個別の目標設定や生活面のサポート, 知的障害者社員を支える一般社員 (指導員) の教育, コミュニケーションに力を注いでいた. 成長期は, 会社の総合力をあげるため, 一般社員 (指導員) の存在意義を高めることが意識されていた. 結論として, 初期には体制や制度に注意が向けられていたが, 次第に知的障害者社員, さらにそれを支える一般社員 (指導員) の関わり方, 役割など, 人材育成に関わることに意識が変容していった.
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