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クエリ検索: "生活の木"
73件中 1-20の結果を表示しています
  • 平川 知子, 久米 千広, 木浪 由菜
    におい・かおり環境学会誌
    2020年 51 巻 2 号 116-123
    発行日: 2020/03/25
    公開日: 2021/11/14
    ジャーナル フリー

    私たちの身の回りには様々な空間が存在し,それぞれにおいて,かおりにより快適な空間を作りたいとするニーズがある.例えばパーソナルな空間では,暮らしの中に存在するにおい対策を精油で行いたいとする機能的な需要などがあり,パブリックな空間では,宿泊や商業施設など,各空間において快適に過ごすなどの目的をもって,精油による快適なかおり空間演出を行うニーズがある.

    生活の木
    ではこうした空間演出,「環境芳香」を提案している.今後ますます精油の機能性が明らかとなり,様々な環境芳香のニーズに対応していくものと予想される.

  • 佐々木 薫
    におい・かおり環境学会誌
    2015年 46 巻 6 号 398-402
    発行日: 2015/11/25
    公開日: 2019/02/20
    ジャーナル フリー

    かつて,かおりに疎いと言われた日本人だが,四季の変化豊かな日本の生活では,自然のかおりに恵まれ,四季折々の自然にそった伝統的な習慣がたくさんある.かおりある暮らしは,意識されることなく日本人の身近にあったと言えよう.そんな日本でハーブ・アロマテラピーが広まるのは当然とも言える.しかし,その導入と成熟には,時代に即した日本人の思考,心の成熟が背景にある.かおりへの関心は高まる一方であるが,そのきっかけとなったハーブ,アロマテラピーが日本でどのように広がってきたかをたどりながら,約半世紀を振り返ってみたい.

  • 木村 竜一朗
    アロマテラピー学雑誌
    2015年 16 巻 1 号 15-24
    発行日: 2015/10/08
    公開日: 2015/10/08
    ジャーナル フリー
    成人T細胞白血病(ATL)は,ヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV-I)感染を原因とするリンパ性悪性腫瘍である。ATLの発症には,転写因子NF-κBが重要な役割を果たすことが知られており,特異性の高いNF-κB阻害剤の開発が悪性度の高いATLの治療に有効と考えられている。本研究でわれわれは,精油の抗ATL効果とNF-κB阻害効果について,ヒトHTLV-I感染T細胞株を用いた解析から明らかにした。試行した30種の精油のうち,ゼラニウム,イランイラン,ジュニパー,ジャスミンの4種については,顕著に細胞増殖を抑制することがわかった。さらにゼラニウムは,HTLV-I感染T細胞株の恒常的なNF-κB活性化を抑制し,その結果,カスパーゼ依存的なアポトーシス細胞死を特異的に誘導することが明らかとなった。以上の結果から,ゼラニウムは強力なNF-κB阻害効果と抗ATL効果を有することが示された。これらの知見は,ゼラニウム精油,および精油の構成成分は,NF-κBが活性化している多くの腫瘍,および種々の炎症性疾患に対する分子標的治療と緩和ケアに効果を発揮する可能性を示唆するものである。
  • 沢村 正義, 芦澤 穂波, 浅野 公人, 長野 桃太, 北岡 雄一
    アロマテラピー学雑誌
    2025年 26 巻 1 号 42-49
    発行日: 2025/02/07
    公開日: 2025/02/07
    ジャーナル フリー

    市販のベルガモット(Citrus bergamia Risso)精油に含まれるLinaloolとLinalyl acetateのエナンチオマー分析を行うことによって,ベルガモット精油の純度の検証を行った。市販試料としては,34種類が果皮圧搾油,1種類が果皮水蒸気蒸留油であった。また,ベルガモット果実から実験室レベルの圧搾油およびヘキサン抽出油を調製し試料とした。これらに加えて,長期室温保蔵した3種類の圧搾油およびラセミ体のLinalool標準試薬についても分析した。分析は選択的イオンモニタリング(SIM)モードを使ったガスクロマトグラフィー-質量分析計によりキラルカラムを用いて行った。設定質量はLinalool, Linalyl acetateに共通して,m/z 71.0, 93.0, 80.0, 121.0とした。(S)-(+)-Linaloolに対する(R)-(-)-Linaloolのエナンチオマー割合は,(R)-(-)-Linaloolが多くの市販の圧搾油,蒸留油,そして実験室レベルの調製試料および長期室温保蔵試料においても98.0%ee以上と圧倒的に高いことが明らかとなった。このことはエナンチオマー割合が種々の因子によって影響されず変化しないことを示唆している。結論として,(R)-(-)-Linaloolのエナンチオマー割合から判断して,市販ベルガモット精油にはエナンチオマー純度の高い精油と判断されたものが29種類,残りの9種類の精油は純正な精油とは判断できなかった。

  • 内藤 柚菜, 森 幸男
    バイオメディカル・ファジィ・システム学会大会講演論文集
    2017年 30 巻
    発行日: 2017/11/25
    公開日: 2021/02/01
    会議録・要旨集 フリー

    In this paper, we examined to reveal the relationship between aromatherapy and automatic nerve activity quantitatively. Tanita reported that parasympathetic activity becomes dominant in subjects who like its fragrance and sympathetic activity becomes dominant in subjects who don't like its fragrance. However, those subjects were only female. Therefore, our purpose is to verify for whether men can achieve the same results as women and to considerate correlation between subjective evaluation by SD method and objective evaluation by LF/HF. In this experiment, we measured LF/HF for 5 minutes each in rest state and fragrance inhalation state, we measured the change in emotions before and after the experiment,and we evaluate preference of the essential oil. As a result, we obtain a tendency that parasympathetic activity becomes dominant in subjects who like its fragrance and sympathetic activity becomes dominant in subjects who don't like its fragrance, same as Tanita's report. Therefore it is clear that there is no gender difference in the autonomic nervous activity. Furthermore, changes in autonomic nervous activity and emotions changes are consistent.

  • 青木 幸弘
    マーケティングジャーナル
    2013年 32 巻 3 号 122-124
    発行日: 2013/01/11
    公開日: 2020/12/24
    ジャーナル フリー
  • 河嶋 龍次
    におい・かおり環境学会誌
    2020年 51 巻 2 号 106
    発行日: 2020/03/25
    公開日: 2021/11/14
    ジャーナル フリー
  • 田中 千智, 岡田 彩希, 根建 美也子, 野田 信三, 安藤 直子
    アロマテラピー学雑誌
    2021年 22 巻 2 号 24-36
    発行日: 2021/06/25
    公開日: 2021/06/25
    ジャーナル フリー

    アロマテラピーで使用される精油には,抗菌作用,抗炎症作用,抗酸化作用を持つものがあると言われているが,その科学的な検証は十分とは言えない。そこで本研究ではin vitroの炎症皮膚細胞モデルを用い,46種類の精油から抗炎症剤候補の選抜を行った。その際,ヒト表皮角化細胞HaCaTに炎症を促すサイトカインを添加し,炎症性ケモカインThymus and activation-regulated chemokine(TARC/CCL17)を発現誘導させる系を用いた。ELISA法で検証した結果,カモマイル・ジャーマンとパチュリ等7種の精油にTARC誘導阻害能が見られた。同時に,この炎症皮膚細胞モデルにおいて,炎症や皮膚の恒常性に関与する遺伝子を調べたところ,TARCと同様,他の複数の遺伝子も発現が変動することがわかった。そこで,抗炎症剤候補として選抜されたパチュリについて,炎症や皮膚の恒常性維持に関与する遺伝子発現への影響を検証した。その結果,パチュリは炎症性ケモカインのTARC, RANTES, MDCの発現誘導を抑制し,ケモカイン以外の遺伝子であるMLN64やMMP2の発現にも影響があることがわかった。以上のことから,精油にはTARCだけではなく他の炎症性ケモカインの抑制効果があり,さらにそれ以外の遺伝子発現に影響をもたらすことが示唆された。また,細胞内への精油の導入を高める目的でリポソームへのパチュリの封入を試みたが,本研究で行った方法では,エタノールを溶媒にした場合に比べ,パチュリの効果は顕著ではなかった。

  • 榎本 長蔵
    におい・かおり環境学会誌
    2015年 46 巻 6 号 373
    発行日: 2015/11/25
    公開日: 2019/02/20
    ジャーナル フリー
  • 枝 伸彦, 伊藤 大永, 清水 和弘, 赤間 高雄
    アロマテラピー学雑誌
    2019年 20 巻 3 号 28-37
    発行日: 2019/12/17
    公開日: 2019/12/17
    ジャーナル フリー

    本研究では,エッセンシャルオイルを用いた香り刺激が安静時の口腔内免疫能および心理状態に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。健康な成人男性16名を対象として,30分間の香り刺激の前後および30分後に口腔内免疫能,自律神経活動,心理ストレス指標を測定した。ベルガモット,ラベンダー,レモンの3種類のエッセンシャルオイルを用いて,噴霧量の強弱に分けた6試行とコントロール試行の合計7試行をランダム化クロスオーバーデザインにて実施した。その結果,ベルガモット「弱」試行にて,香り刺激の30分後に唾液中の分泌型免疫グロブリンA(secretory immunoglobulin A; SIgA)分泌速度の有意な増加がみられた。コルチゾール濃度については,ベルガモット「弱」試行,ベルガモット「強」試行,レモン「弱」試行において有意に低下することが確認された。また,いずれの試行においても心理状態は有意な改善を示し,特にレモン精油の香り刺激は総合的な気分状態を改善することが明らかとなった。したがって,ベルガモット精油は免疫機能とストレスホルモンに有益な効果を示し,総合的な気分状態の改善にはレモン精油が有効であることが示唆された。

  • *打田 正樹, 一寸木 佑, 高戸 了, 山崎 一德, 森田 良文
    ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
    2023年 2023 巻 1A2-D27
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/01/25
    会議録・要旨集 認証あり

    It’s reported that appropriate smells can improve psychological and physiological effects. Therefore, we developed Smell Wakka, a multi essential oil diffuser for rehabilitation support to achieve higher rehabilitation effects when used in combination with iWakka, a training and testing device for adjustability for grasping force. Smell Wakka can atomize six kinds of essential oils using an ultrasonic atomization method and a blowing fan, can be remotely controlled using Bluetooth. Moreover, we conducted performance evaluation experiments. The experimental results confirmed that two kinds of smells could be presented to the subjects by using the blowing fan.

  • *衞藤 文, 山中 俊夫, 崔 ナレ, 竹村 明久, 小林 知広
    空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集
    2019年 2019.7 巻 G-41
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/10/31
    会議録・要旨集 フリー

    近年香り空調等を導入し、室内環境を制御することで知的生産性を向上させようという研究が盛んである。本研究では、学習空間に対し、香り環境の導入可能性を調べるために、被験者実験を行うことで香り環境が学習効率に与える影響および学生の学習空間の香りにおける受容性を調査する。本報ではローズマリーの香りによる影響の検討を報告する。

  • 川崎 美沙子
    アロマテラピー学雑誌
    2022年 23 巻 1 号 9-14
    発行日: 2022/09/22
    公開日: 2022/09/22
    ジャーナル フリー

    本研究は婦人科待合へのアロマテラピーの導入と受診者満足度との関係を明らかにし,婦人科待合へのアロマテラピー導入への実際の適応のあり方を検討することを目的とした。対象は2020年11~12月に婦人科待合を利用した女性受診者200名とした。調査開始前にアロマライトを用い,婦人科待合内に精油の香りを拡散させた。その後,婦人科待合へのアロマテラピー導入に対する満足度や香りの強さや好みなどを問う質問紙調査をおこなった。アロマテラピー導入に対する満足度は「とても満足」(33.7%),「やや満足」(34.2%),「どちらともいえない」(30.6%),「やや不満」(1.0%),「とても不満」(0.0%)であった。アロマテラピー導入が当センターへの満足度を向上させているかについては「向上させている」(78.6%),「向上させていない」(18.4%)であった。アロマテラピー導入が満足度を向上させているかどうかは,対象者の香りの強さの感じ方において有意な関係がみられた(カイ二乗値=15.36, p<0.001)。以上より,婦人科待合へのアロマテラピー導入は受診者満足度に寄与している可能性が示唆された。今後は実際の導入のために香りの強さや使用する精油の種類の検討が課題である。

  • 髙原 悦子, 衛藤 英理子, 早田 桂, 増山 寿, 平松 祐司
    アロマテラピー学雑誌
    2019年 20 巻 2 号 22-27
    発行日: 2019/06/18
    公開日: 2019/06/18
    ジャーナル フリー

    古来より経験的に用いられてきたエッセンシャルオイルであるが,近年医療現場でもいろいろな目的で用いられるようになってきた。産科領域では分娩後などにサービスとしてトリートメントの提供を行っている産院も多くある。しかし,補完療法の一環として用いている病院は少ないと思われる。

    今回エッセンシャルオイルを分娩時に用い疼痛緩和や血圧低下,分娩時間の短縮が得られるかを検討した。疼痛緩和,分娩時間の短縮は認め,分娩時の被験者のリラクゼーションや満足度にはつながった。血圧変化,出血量の減少は認めず,今後データの蓄積が必要と思われた。産科領域でのアロマテラピーの使用は,治療というよりサービスの提供を希望する被験者が多く,現時点では補完療法としてのアロマテラピーは発展途上にあると考えられた。

  • 沢村 正義, 鈴木 悟, 浅野 公人, 佐藤 美夢, 北川(木下) あゆみ, 佐々木 康介, 本澤 侑季, 中島 悦子, 吉金 優, 東谷 望史
    アロマテラピー学雑誌
    2018年 19 巻 1 号 1-9
    発行日: 2018/04/24
    公開日: 2018/04/24
    ジャーナル フリー

    ある種の植物の生体防御機構において産生されるフロクマリン類の中には,光感作もしくは薬物との相互作用をもつものがある。本研究は,23種類の精油および8種類のユズ種子油試料におけるフロクマリン類とクマリン類の定量分析を目的とした。ガスクロマトグラフィー–質量分析法,液体クロマトグラフィー–質量分析法および高速液体クロマトグラフィーにより,油類試料中のアンジェリシン,トリオキサレン,6′,7′-ジヒドロキシベルガモチン,ベルガモチン,オストール,ソラレン,キサントトキシン,ベルガプテン,イソピムピネリン,オーラプテンについて,4-クロロベンゾフェノンを内部標準として測定を行った。その結果,アンジェリカ(Angelica archangelica)精油のみにアンジェリシンが72.5 mg/kg,オストールが730 mg/kg検出された。トリオキサレンはジュニパー(Juniperus communis),リツエアクベバ(Litsea cubeba),レモングラス(Cymbopogon flexuosus),レモンバーベナ(Lippia citriodora)精油に少量検出された。6′,7′-ジヒドロキシベルガモチンはグレープフルーツ(Citrus paradisi)果皮油に300 mg/kg含まれていた。ベルガモチンはミカン科,セリ科植物の一部にみられるが,ベルガモット(Citrus bergamia)精油で3,550 mg/kgと最も高かった。本実験に使用した市販のユズ(Citrus junos)種子油試料中にはフロクマリン類とクマリン類は不検出または微量しか存在しなかった。一方,実験室で調製した未精製ユズ種子油にはベルガプテン10.3 mg/kg,キサントトキシン195 mg/kgが検出された。以上,本法によって,数種の精油および未精製ユズ種子油試料にフロクマリン類およびクマリン類が検出されることが明らかとなった。

  • 角崎 丈司, 三重野 雄貴, 浜出 百合菜, 青木 俊介
    アロマテラピー学雑誌
    2016年 16 巻 2 号 25-36
    発行日: 2016/03/31
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
    精油の効能については経験的に確認されているが,その構成成分の生体における作用機序については多くが明らかにされていない。本研究ではケモインフォマティクスの各種手法を用い精油構成化学成分の病原体であるMycobacterium属およびStaphylococcus属への抗菌作用機序を解明することを目的とした。精油化学成分と標的タンパク質のドッキングシミュレーションを行い,そこで選択された23種の精油に関し抗菌作用の検証を行ったところ,6種の精油において抗菌活性が見られた。抗菌活性を持つ精油を併用時の抗菌作用の検証を行い,複数精油の併用による抗菌活性の相乗効果を見いだした。さらに,シミュレーションならびに実験結果より8種の精油構成化合物を入手し,単独での抗菌作用の検証から,7種類の化合物に抗菌作用を見いだした。これら化合物を併用した際の抗菌作用の検証実験からは,有意な相乗的抗菌作用を示す化合物の組み合わせが確認された。また,抗菌活性を持つ精油化学成分と予想される標的タンパク質との相互作用解析より,結合モデルを予測した。今回の研究結果からケモインフォマティクスの応用は,精油の抗菌作用の分子レベルでのメカニズム解明に有効であると考えられた。
  • 澤井 久子, 水上 勝義
    アロマテラピー学雑誌
    2025年 26 巻 1 号 31-41
    発行日: 2025/02/07
    公開日: 2025/02/07
    ジャーナル フリー

    精油の香りが,テレワーク就業者の気分,睡眠の質,認知機能,仕事のパフォーマンスに及ぼす影響を検討するため3つの実験を実施した。実験1:精油を4週間使用した前後の,心理,睡眠,認知機能,仕事パフォーマンスへの変化を,STAI,POMS®2,アテネ不眠尺度,オンライン認知検査,SPQ東大1項目版により検討した。実験2:精油を使用する直前と10分後の気分変化について,二次元気分尺度により検討した。実験3:3日間の精油使用における睡眠構造および主観的熟睡感の変化について,Fitbit Charge3および起床後熟睡感により検討した。対象者は25~49歳の男女30名であった。精油は,日中はローズマリー・シネオールまたはオレンジスイート,夜間は真正ラベンダーまたはベルガモットから,実施時ごとの嗜好に基づき選択して使用し,対照として精製水を用いた。精油の香りによる芳香浴を4週間実施した結果,SPQ東大1項目版によるプレゼンティーイズムの値は低下し,精製水における変化量と有意差が認められた(p<0.05)。また,芳香浴開始10分後に,二次元気分尺度(TDMS-ST)の活性度,安定度,快適度の値がいずれも有意に上昇した(p<0.05)。本研究の結果,精油の香りがテレワーク就業者の仕事パフォーマンスや気分に有用な可能性が示唆された。

  • 藤林 真美, 永友 文子, 石原 昭彦
    アロマテラピー学雑誌
    2015年 16 巻 1 号 1-6
    発行日: 2015/10/08
    公開日: 2015/10/08
    ジャーナル フリー
    生活習慣病への罹患は動脈硬化を促し,健康寿命に影響を及ぼすことは周知である。運動は動脈硬化の予防・改善に有効であるが,運動習慣のある成人男性は36.1%,成人女性は28.2%にとどまっている。近年,植物に由来する芳香成分(精油)を用いて鎮静や癒しを求めるアロマテラピーが人気を博している。本研究では,「運動時に精油を芳香させることで心身が鎮静して,運動を楽に行える」と仮説を立てて検証を行った。10名の健康な中年女性(年齢:53.6±8.0,BMI:24.5±3.2)を対象に,自転車を用いた有酸素運動を20分間行わせた。運動前と運動中に心拍数および自覚的運動強度を測定した。運動中にグレープフルーツ精油(学名:Citrus paradisi)を芳香する精油試行と芳香を行わない対照試行の間でクロスオーバー試験を行った。その結果,精油試行では対照試行と比較して自覚的運動強度の変化率が有意に低下した。本研究から,精油芳香によって「運動を楽に行うこと」が期待でき,肥満の予防・改善を目指した運動処方に応用できると結論した。
  • 井上 美穂, 鈴木 善貴, 山田 輝乃, 井上 正久, 松香 芳三
    アロマテラピー学雑誌
    2025年 26 巻 1 号 24-30
    発行日: 2025/02/07
    公開日: 2025/02/07
    ジャーナル フリー

    睡眠時ブラキシズムは,歯の咬耗や破折,顎関節症や緊張性頭痛の発症など,歯科疾患の要因となっている。一方,アロマテラピーはリラックス作用を有し,ストレス軽減や鎮静作用などが期待できる。本研究では精油の嗅覚刺激による睡眠中の咬筋活動(律動性咀嚼筋活動:RMMA)の変化を調査することにより,睡眠時ブラキシズムに対する効果を検討することを目的とした。方法:被験者49名に対して,ベルガモット(Citrus bergamia)とマージョラム(Organum majorana)の精油を用い,終夜の咬筋活動の測定を行った。測定開始2日間は非介入,3日目は1種類の精油での睡眠,4日目は非介入,5日目は別の精油,最終日は非介入で測定し,2日目の非介入と各精油による比較を行った。結果:RMMAはマージョラムにおいて非介入よりも有意に減少した。重度ブラキシズム群では,軽度および非ブラキシズム群に比べ,どちらの精油にも効果があったものが多かった。結論:マージョラムは睡眠時ブラキシズムを軽減させた。重度ブラキシズム群ではマージョラム,ベルガモットともに睡眠時ブラキシズムが減少した。

  • 武田 ひとみ
    アロマテラピー学雑誌
    2016年 17 巻 1 号 24-30
    発行日: 2016/09/30
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル フリー

    目的と方法:成人男女19名を対象とし,芳香環境(Od)やトリートメント(T)後の睡眠時体動記録と睡眠感調査および心拍変動や気分の変化を測定し,アロマテラピーが睡眠に及ぼす影響を調べた。State-Trait Anxiety Inventory-Form JYZにて特性不安と状態不安を,ピッツバーグ睡眠質問票にて睡眠状況を測定した。精油はフロクマリンを除去したCitrus bergamia FCFを1%に希釈し用いた。結果:ピッツバーグ睡眠質問票得点と特性不安との間に有意な相関(r=0.514, p<0.02) がみられ,不安傾向が強いほど睡眠に問題があった。 (T)後に疲労感や自覚的ストレスに有意(p<0.05)な低下が,気力の充実感に有意な増加がみられた。(Od)や(T)後の睡眠効率,睡眠感に改善傾向がみられ,(T)後には疲労感が有意に低下し,それらとLF/HFの変化率の有意な相関から交感神経活動の抑制が推測された。特性不安とLF/HFの変化率に有意な相関があった。以上よりベルガモットを用いたトリートメントは睡眠の質を向上させる可能性が示唆され,その効果は不安傾向の強い人に期待しやすいと推測された。

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