小児は0-1才, 1-3才, 3-6才, 6-10才, 10-15才と数学的な法則に従って成長する.この加令にともなう各年令層と気管支喘息の特徴を検討した結果, 発病, 皮膚反応陽性率, 自然治癒など多くの点で, 加令と強い相関があることが判明した.小児は0-6才の間年令が低いほど皮膚反応陽性率が低く, 6-25才は陽性率が最も高く, その後再び陽性率は低下するが, 小児期気管支喘息は陽性率の低い0-6才にその90%が発病する.6才以後, 陽性率の高い年令ではきわめて発病しがたい.皮膚反応と発病とは年令からみると逆の相関関係にある.このパターンは末梢血白血球の好中球:リンパ球の動態ときわめて類似している.この年令要因によってコントロールされている諸現象を支配している中枢は, おそらく間脳であろうと考えられる.さらに喘息を発症させるために必要な中枢の条件の成立について考察を加えた.
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