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クエリ検索: "総合的社会調査"
289件中 1-20の結果を表示しています
  • 眞 優莉亜, 友成 真一
    環境情報科学
    2023年 52 巻 1 号 112
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/07/24
    ジャーナル フリー
  • ——個人および地域特性を考慮したマルチレベル分析——
    埴淵 知哉, 中谷 友樹, 村中 亮夫, 花岡 和聖
    地理学評論 Series A
    2012年 85 巻 5 号 447-467
    発行日: 2012/09/01
    公開日: 2017/11/10
    ジャーナル フリー
    社会調査の回収率は,標本から母集団の傾向や地域差を適切に推定するための重要な指標である.本研究では,回収率の地域差とその規定要因を明らかにすることを目的として,全国規模の訪問面接・留置調査を実施しているJGSS(日本版
    総合的社会調査
    )の回収状況個票データを分析した.接触成功および協力獲得という二段階のプロセスを区分した分析の結果,接触成功率・協力獲得率には都市化度や地区類型によって大きな地域差がみられた.この地域差は,個人属性や住宅の種類などの交絡因子,さらに調査地点内におけるサンプルの相関を考慮した多変量解析(マルチレベル分析)によっても確認された.したがって,回収状況は個人だけでなく地域特性によっても規定されていることが示された.しかし,接触成功率・協力獲得率には説明されない調査地点間のばらつきが残されており,その理由の一つとして,ローカルな調査環境とでも呼びうる地域固有の文脈的要因の存在も示唆された.
  • 谷岡 一郎, 岩井 紀子
    日本世論調査協会報「よろん」
    2008年 101 巻 65-73
    発行日: 2008/03/31
    公開日: 2017/03/31
    ジャーナル フリー
  • ―JGSSにおける訪問記録の分析から―
    保田 時男, 宍戸 邦章, 岩井 紀子
    理論と方法
    2008年 23 巻 2 号 2_129-2_136
    発行日: 2008/11/30
    公開日: 2009/01/05
    ジャーナル フリー
     日本の社会調査の回収率は2005年以降に急落している。大規模調査の回収率を短期的に改善するためには、調査員の行動の適切な把握が不可欠である。本稿では、そのための手段として訪問記録の活用を提案する。すべての訪問について、その日時と、訪問時に接触できた人を記録しておけば、調査員の行動とその結果を概括することができる。JGSS-2005~2006における訪問記録の分析結果は、その有効性を如実に表している。訪問記録から、JGSS-2006における回収率の改善は、調査対象者の協力的な反応と調査員の粘り強い訪問によってもたらされたことがわかった。また、若年女性の回収率が改善していない原因が、集合住宅の居住者の増加による接触成功率の低下にあることや、調査対象者の家族については協力的態度が喚起されていないことなどが明らかになった。大規模調査の回収率を改善するには、このような事例研究の積み重ねが重要である。
  • *浅野 良輔, 一言 英文, 伊藤 健一
    日本心理学会大会発表論文集
    2021年 85 巻 PC-069
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/03/30
    会議録・要旨集 フリー

    本研究の目的は,2つの累積データを用いて,北米および日本における都市居住者率と主観的幸福感の関連を検討することであった。研究1では,1972年から2018年に行われた

    総合的社会調査
    に回答した北米人60,054名,ならびに2000年から2012年に行われた日本版
    総合的社会調査
    に回答した日本人21,501名の主観的幸福感に関する設問を分析した。研究2では,第1回から第7回の世界価値観調査に回答した北米人12,923名,ならびに日本人9,248名の主観的幸福感に関する設問を分析した。両国の都市居住者率については,United Nations(2018)による報告を参照した。その結果,研究1と研究2に共通して,北米においては,都市居住者率が高い年ほど年平均の主観的幸福感が低かった一方で,日本においては,都市居住者率が高い年ほど年平均の主観的幸福感が高かった。この結果は回答者の性別や年齢を考慮しても頑健であった。本研究の知見は,北米の都市居住者は地方居住者よりも主観的幸福感が低いのに対して,日本の都市居住者は地方居住者よりも主観的幸福感が高いことを示唆している。

  • 日本版総合的社会調査の結果から
    *滕 媛媛
    日本地理学会発表要旨集
    2019年 2019s 巻 834
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/03/30
    会議録・要旨集 フリー
    日本では人口減少問題が深刻化している。また、東京などの大都市圏では人口が集中している。一方で、多くの地方都市では、人口が流出しつつある。しかし、人口は経済の好循環の土台である。このような状況を改善させるため、国も自治体も積極的に取り組んでいる。国の取り組みとして、「定住自立圏構想(2008)」や「まち・ひと・しごと創生法(2014)」などがある。また、多くの自治体は移住・定住促進政策を打ち出し、人口誘致を図っている。本研究は人口移動の前段階の定住あるいは移住意識に注目し、日本総合社会調査(JGSS)のデータを用い、定住意識の概況と変化を整理し、その規定要因を解明することを目的とする。また、定住意識の低い人=潜在の移住人口に対する分析を通じ、より有効な人口誘致・定住促進策の提案を試みる。
     日本版
    総合的社会調査
    (以下、JGSSと略する)では、2005年より「現在の居住地域に住み続けたいか」との設問を設けている。選択肢として、「ずっと住みたい、当分の間は住みたい、できれば他の地域に引越したい、すぐにも他の地域に引越したい」がある。全体からみると、2005年から2015年の変化は大きくなく、それぞれ54%、35%、10%、1%付近で変動している。居住地域規模(大都市中心部、大都市郊外、中小都市、町村部、人家がまばらな農山漁村の5分類)からみると、大都市郊外の住民の中で、「ずっと住みたい」と回答した住民の割合の平均(2010-2015年)が45.1%で、最も低かった。一方で、人家がまばらな農山漁村の住民の中、「ずっと住みたい」と答えた割合が最も高く、その平均は72%に達している。ただし、近年、農山漁村の住民の定住意識が次第に弱くなってきている。
     定住意識の規定要因を解明するため、JGSS-2015のデータを用い、定住意識を被説明変数(「ずっと住みたい、当分の間は住みたい」=「定住意識が高い(1)」、「できれば他の地域に引越したい、すぐにも他の地域に引越したい」=「定住意識が低い(0)」)とする二項ロジスティック回帰モデルを構築した。説明変数は回答者の基本属性、居住環境及び職業意識の3組の変数からなる。分析の結果、配偶者がいる人、家を所有している人、居住地域に対する満足度の低い人、居住地域の存続に対する不安及び買い物の不便さを感じる人、それに、起業意識の高い人、転職経験の多い人ほど、定住意識が低くなる確率が高いことがわかった。これにより、一部の自治体が既に実施している起業意欲のある人を対象とした移住促進政策が有効だと考えられる。
  • 村瀬 洋一
    社会心理学研究
    2010年 26 巻 2 号 158-159
    発行日: 2010/12/20
    公開日: 2017/02/21
    ジャーナル フリー
  • 小川 雅司
    交通学研究
    2012年 55 巻 73-82
    発行日: 2012年
    公開日: 2019/05/27
    ジャーナル フリー
    集約型の都市構造に自動車交通を抑制する効果があることは認められているが、自動車の利用目的別にどの程度有効であるかは必ずしも明らかになっていない。そこで本稿では、「JGSS-2005」の個票データを用いて、都市構造の持つ自動車抑制効果を中心に、4つの目的-通勤・通学、買物・用事、送迎、レジャー-別の自動車利用要因を順序プロビットモデルで分析した。その結果、都市構造の自動車抑制効果は通勤・通学の場合に最も大きく、利用目的ごとで異なることが明らかになった。
  • 埴淵 知哉, 中谷 友樹, 竹上 未紗
    地理学評論 Series A
    2015年 88 巻 6 号 591-606
    発行日: 2015/11/01
    公開日: 2019/10/05
    ジャーナル フリー

    健康を左右する一つの因子として,近隣環境への研究関心が高まっている.しかし,これまで日本を対象とした事例研究の蓄積は不十分であり,国際的にも全国的範囲を対象とした分析は限られていた.本研究では,人々が暮らす場所の近隣環境によって,健康に由来する生活の質(HRQOL)が異なるのかどうかを統計的に分析した.認知的および客観的に測定された近隣環境指標と,HRQOLの包括的尺度(SF-12)との関連性を,日本版

    総合的社会調査
    2010年版を用いたマルチレベル分析によって検討した.分析の結果,近隣環境を肯定的に評価・認知している人ほど,健康に由来する生活の質が高いという関係が明らかになった.他方で,客観的に測定された近隣環境指標はHRQOLとの独立した関連を示さず,場所と健康の間を取り結ぶ多様な作用経路が示唆された.

  • 岩井 八郎
    ソシオロジ
    2015年 60 巻 1 号 109-111
    発行日: 2015/06/30
    公開日: 2020/06/20
    ジャーナル フリー
  • 岩井 紀子
    家族社会学研究
    2011年 23 巻 1 号 30-42
    発行日: 2011/04/30
    公開日: 2012/05/31
    ジャーナル フリー
    本稿は,Japanese General Social Surveyのデータを基に日本の家族の変化をとらえ,現状を把握し,今後の方向について考える資料を提供する.2000年から2010年までに継続的に尋ねた85項目を14分野に分けて変化のトレンドを記述する:婚姻状態,同居世帯員,世帯構成,就労・所得,夫婦の働き方,階層意識,結婚観,性別役割意識・夫婦別姓,子ども観,セクシュアリティ,育児・介護の社会化,家族生活,墓についての意識,満足度・幸福感.個人も家族も,雇用情勢の変化に振り回されながらも,強い不満を抱くことなく,現実に向き合っている.若年層の無職・非正規雇用が拡大し,未婚率を押し上げ,未婚成人子の親との同居が増加した.女性の就業率は全体として高まり,M字の谷が浅くなった.高齢者の生活保障と介護の社会化に続いて,育児・教育の社会化が望まれている.若年層と女性の就労の変化が,家族の今後に与える影響は大きく,税制と雇用政策と福祉の全体像の改革に左右される.
  • 岩井 紀子
    フォーラム現代社会学
    2012年 11 巻 122-131
    発行日: 2012/05/26
    公開日: 2017/09/22
    ジャーナル フリー
    大阪商業大学JGSS研究センターは、「日本社会の現状と変容をとらえる」ことに焦点をあてて、社会科学の多岐にわたる分野の研究者の研究課題を集約して、2000年以降、数千人規模の全国調査を9回実施している。2003年以降は、アメリカのGSSタイプの調査を実施している韓国・台湾・中国のチームと協力して、共通モジュールを作成し、それぞれの全国調査に組み込むEast Asian Social Surveyプロジェクトにも取り組んでいる。2006年以降は、調査は隔年に実施しているが、ひとつの調査の準備段階から、日本語と英語のデータを整えて、国内外のデータアーカイブに寄託するまで、4年以上を要する。そのため、JGSS研究センターは、常に段階の異なる複数の調査に取り組んでいる。本稿では、ひとつの調査の流れを説明して、各段階で要する作業や課題を説明する。「JGSS公開データ」は国内外の大学・研究機関で利用され、利用件数は2012年1月末に2万5千件を超えた。社会学をはじめ、経済学、人口学、統計学、政治学、心理学、教育学、言語学、地理学、公衆衛生学、農学などの分野で活用され、JGSSデータを利用した著作は700を超え、国内外の社会科学の幅広い分野の研究・教育活動に寄与している。本稿では、公募設問や分析研究課題の応募者ならび公開データの利用者に求める研究上の作法についても述べる。JGSSが、大規模公開調査データを今後も提供するためには、研究資金の確保について研究者コミュニティからのサポートが不可欠である。
  • ―所得水準からの検討―
    大城 真理子, 神里 みどり
    日本健康学会誌
    2020年 86 巻 3 号 99-110
    発行日: 2020/05/31
    公開日: 2020/06/25
    ジャーナル フリー

    Aim: The purpose of this study is to examine the research hypothesis that there are differences in determinant factors that depend on the income level in seeking medical care of breast cancer patients who delayed getting medical care.

    Methods: A cross-sectional survey was carried out at breast clinics in Japan, from February to May, 2016. The survey was conducted among 61 breast cancer patients who delayed seeking care at a hospital for more than 3 months after noticing a breast abnormality. The survey was asked about Problem Definition, Affective Responses, Health service utilization habits, Social Context, Beliefs, and Health services system variables. In the analysis, the annual family income level was classified into two groups, high-income group (≧3,000,000 JPY) and low-income group (<3,000,000 JPY), and group comparisons were performed.

    Results: The lower-income group experienced a significantly higher level of fear (p=0.001) and anxiety (p=0.008) compared with the higher-income group, when patients notice a breast abnormality. There were significantly differences between lower and higher-income group among 4 out of 20 items on the Modified J-Delay scale. The percentage of those who answered yes in the following questions were significantly high in the lower-income group : “Choose not to take any action” (p=0.01), “Nuisance about thinking and acting” (p=0.003), or “Consideration to people around” (p=0.046). On the other hand, the percentage of those who answered yes in the following question was significantly high in the higher-income group answered “prioritized attending a hospital examination than other important things” (p=0.03).

    Conclusion: Our finding showed that there were differences in related factors that depend on the income level in seeking medical care of breast cancer patients who delayed getting medical care. Therefore, it was important to consider income level when constructing methods for reducing delayed seeking medical care.

  • ──社会生態による調整効果──
    吉野 伸哉, 小塩 真司
    心理学研究
    2020年 91 巻 5 号 323-331
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/25
    [早期公開] 公開日: 2020/11/01
    ジャーナル フリー
    電子付録

    The purpose of this study was to examine associations between the Big Five personality traits and tolerance toward foreign residents in Japan, and to examine the moderating effect of the population ratio of foreign residents in a residential area on these associations. We conducted a multiple regression analysis on a dataset including 18,656 Japanese residents (9,097 females; Mage = 47.80). The results of the analysis showed that tolerance was positively associated with Extraversion, Agreeableness, and Openness and negatively associated with Conscientiousness and Neuroticism. There was a significant interaction between Conscientiousness and the population ratio of foreigners on tolerance toward foreigners. A simple slope analysis showed a stronger negative association between Conscientiousness and tolerance for the high population ratio of foreigners than for the low population ratio of foreigners. We discussed the associations between the Big Five personality traits and tolerance.

  • 中国総合社会調査(CGSS)および日本版総合的社会調査(JGSS)のミクロデータを用いた分析
    米田 泰隆, 黎 翰丹
    中国経済経営研究
    2017年 1 巻 2 号 18-37
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/08/17
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は、中国総合社会調査(以下、CGSS)のミクロデータを用いて、中国における主観的 な幸福感の要因と経年の変化を分析することを目的としている。また、日本版
    総合的社会調査
    (以下、JGSS)の利用可能な最新年分であるJGSS-2012のミクロデータを用いた分析も併せて行い、中国と日本の文化的な違いを比較検証する。本稿の回帰結果から、主に以下の3点が指摘できる。まず相対所得は、CGSS-2003・2005・2008・2012・2013の全てのデータに関して、正に有意となっている。これは、Easterlin(1995) が提示している「相対所得仮説」を支持するものといえる。次に絶対所得について、CGSS2003・2008は負に有意となっており、他の年分は有意ではない。これは、中国における持続的な高度経済成長の中で名目の所得に対する信頼が薄まり、相対所得に重きを置くようになっているものと解される。最後に各省におけるジニ係数について、CGSS-2003・2005とCGSS2008・2012・2013で係数の符号条件が有意に逆に出ている。一般的に、所得格差を表す指標であるジニ係数は、幸福感に負の影響を与えると解される。しかしながら、中国全体が急速に経済発展し、世界における存在感も高まっている中では、一部起業家に富が集中し貧富の差が拡大したとしても、社会全体を覆う期待感や起業による一攫千金の機会等により人々の幸福感は上昇する可能性が示唆されている。一方、JGSS-2012とCGSS-2012の比較においては、以下の3点が特に興味深い。すなわち、まず日本では相対所得・絶対所得とも幸福度に有意な影響を与えていないではないこと、次に日本では大学ダミーが有意ではないこと、最後に離婚・死別ダミーについて、中国では離婚ダミーは有意ではなく死別ダミーは5%水準で有意に正である一方、日本は両方とも 1 %水準で強く負に有意であり、文化的な違いがあると考えられること、である。
  • 計量社会学研究の展開
    岩井 八郎
    教育学研究
    2022年 89 巻 4 号 565-578
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/04/25
    ジャーナル フリー

     本稿は、代表性のある大規模な女性のライフヒストリー・データを用いて、出生コーホート別に年齢ごとの職業的地位を再構成する方法を紹介し、その手法によって蓄積してきた記述的な分析結果から、日本人女性のライフコースの長期的な変化を説明する。とくに戦時体制下の1940年代前半、1970年代半ばの石油ショック以後、1990年代半ば以降の「失われた10年」の3つの転換期に着目して、M字型の登場、定着、変容を検討している。

  • —JGSS累積データ2000~2010より—
    大橋 正彦
    日本経営診断学会論集
    2013年 13 巻 94-99
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/11/20
    ジャーナル フリー
    本研究は,JGSS(日本版
    総合的社会調査
    )における累積データ2000~2010によって,わが国消費者におけるソーラーパネルなど主要グリーン製品利用とそれらの変化について分析し,かつそれぞれの規定因を解明した。そのうえで経営診断上の留意点を提起した。結論的に,各グリーン製品利用にいずれもほとんど変化が認められなかった。他方,これらの製品は,共通して地域ブロック,住宅所有・居住形態および生協加入有無などに大きく規定されることがわかった。
  • 松島 公望
    宗教と社会
    2020年 26 巻 120
    発行日: 2020/06/30
    公開日: 2022/06/04
    ジャーナル フリー
  • 社会意識の階層的・年代的分断とその意図せざる帰結
    遠藤 薫
    理論と方法
    2013年 28 巻 2 号 289-308
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/09/01
    ジャーナル フリー
     東日本大震災は,日本社会あるいは世界に大きな衝撃を与えた.それからすでに2年半が過ぎた現在,日本社会はどのような方向に向かおうとしているのか.本稿では,筆者らが2012年11月に実施した「東日本大震災からの復興に向けた
    総合的社会調査
    」の全国調査および被災三県調査の結果をもとに,震災後の社会意識の地域,社会階層,年代による分断の様相を分析した.その結果明らかになったのは,震災後の社会意識のあり方と社会階層,年代による分断の様相を分析し,その意図せざる結果としての社会的分断の再生産のメカニズムを指摘する.
  • ――RIF 回帰分析および要因分解法による検討――
    長松 奈美江
    社会学評論
    2020年 71 巻 3 号 394-410
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/12/31
    ジャーナル フリー

    1980 年代以降,欧米諸国において団体交渉制度の変化が賃金格差の拡大をもたらしたことが指摘されている.しかし日本のデータを使用した研究は少なく,労働組合が賃金格差の拡大トレンドとどのような関連をもっているのかは明らかにされていない.本稿ではRIF 回帰分析および要因分解法を1985 年と2015 年に実施された社会階層と社会移動全国調査(SSM 調査)に適用して,男性雇用者における労働組合の賃金効果を検討した.分析の結果,以下の2 点が明らかになった.第1 に,1985 年において労働組合は賃金分布の上位における賃金水準を引き下げることで賃金分布を平等化していたが,2015 年ではその効果がみられなかった.第2 に,1985 年から2015 年の間における組合組織率の低下は賃金格差を拡大させていた.一方,この30 年間の組合の賃金構造の変化は,分布の下位において賃金格差を縮小させていた.1985 年において,労働組合は分布の下位~中位の賃金を上げ,分布の上位の賃金を下げる効果をもっていた.これは,分布の下位においては格差を大きくし,分布の上位においては格差を小さくしていたことを意味する.しかし2015 年ではこれらの効果はみられなかった.この賃金構造の変化が,分布の下位における賃金格差の縮小に寄与した.ただし労働組合の賃金構造効果は頑強なものではなく,近年の賃金格差拡大に寄与したものは組合組織率の低下であることがわかった.

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