めん羊の繁殖効率を高めることを目的として, 道立滝川畜試にけい養中の, コリデール種, ロムニーマーシユ種, サフォーク種, ドーセットホーン種, チェビオット種, ドーセットホーン雑種, およびチェビオット雑種の7品種, 70頭のめん羊を用い, 昭和44年8月1日から469日間にわたり雌めん羊の繁殖季節を品種別に調査した。
1. コリデール種 : 本極の平均発情開始日は8月30日, 平均発情終了日は2月4日,
繁殖期
間は172日間, 発情回数は10.1回であった。
本種の発情開始日は比較的早い方であるが, 発情終了日がもっとも早かったので
繁殖期
は中庸であり, 発情回数もやや少ない品種であった。
2. ロムニーマーシユ種 : 本種の平均発情開始日は9月4日, 平均発情終了日は2月17日,
繁殖期
間は187日聞.発情回数は11.1回であった。
本種の発情開始日および終了日は中庸であったが,
繁殖期
間は比較的長い品種であり, 発情回数も比較的多かった。本種はドーセットホーン種についで比較的長い
繁殖期
を有する品種と考えられる。
3. サフォーク種 : 本種の平均発情開始日は9月13日, 平均発情終了日は2月18日,
繁殖期
間は172日間, 発情回数は10.6回であった。
本種の発情開始日および終了日はやや遅くなる傾向がみられ, コリデール種より2週間遅かったが,
繁殖期
間および発情回数は中庸な品種と考えられた。
4. ドーセットホーン種 : 本種の平均発情開始日は8月13日, 平均発情終了日は2月24日,
繁殖期
間は206日間, 発情回数は12.3回であった。
本種の発情開始日は調査品種中でもっとも早く, 終了日がもっと遅かったので,
繁殖期
間は特に長く, 従って, 発情回数がもっとも多い品種であった。特に長い
繁殖期
を有することが本種の特性と考えられた。
5. チェビオット種 : 本種の平均発情開始日は9月28日, 平均発情終了日は2月9日,
繁殖期
間は147日間, 発情回数は8.6回であった。
本種は発情開始日がもっとも遅く, 発情終了日が比較的早かったため,
繁殖期
間はもっとも短く従って, 発情回数がもっとも少ない品種であった。
繁殖期
の短いのが本種の特性と考えられた。
6. ドーセットホーン雑種 : 本種の平均発情開始日は8月29日, 平均発情終了日は2月17日,
繁殖期
間は179日間, 発情回数は10.8回であり,
繁殖期
は中庸な品種であった。
7. チェビオット雑種 : 本種の平均発情開始日は9月19日, 平均発情終了日は2月24日,
繁殖期
間は177日間, 発情回数10.4回であり,
繁殖期
はドーセットホーン雑種と同様に中庸な品種であった。
8. 平均性周期は16.4日~17.1日であり, 一般に言われているとおりであった。
9. サイレントヒート (発情の徴候がみられない排卵) の出現は若干の品種でみられたが, 出現率には品種間で差は認められなかった。また, サイレントヒートの出現する時期は,
繁殖期
の初期および末期が多かった。
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