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クエリ検索: "腰腸肋筋"
108件中 1-20の結果を表示しています
  • 廣中 丈, 多米 一矢, 川﨑 智子, 金澤 健治, 小関 博久
    理学療法学Supplement
    2021年 48S1 巻 2G26-02
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/24
    会議録・要旨集 フリー
  • 福本 悠樹, 鈴木 俊明
    理学療法科学
    2018年 33 巻 4 号 719-724
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/08/21
    ジャーナル フリー
    症例は6年前に脳梗塞を発症した80歳代男性で,立位姿勢は常に両股関節伸展位に伴う体幹後傾を呈し,意図的に胸腰椎移行部で体幹を屈曲させることで身体重心の前方移動を補っていた.しかし体幹屈曲位を制動するために
    腰腸肋筋
    を用いる結果,同筋に収縮時痛が出現していた.症例は左股関節より右股関節にて伸展角度が大きく,右股関節に合わせるよう左股関節も伸展位にさせていたと考えた.座位にて両股関節屈曲に伴う体幹前傾動作を20回,背臥位姿勢から殿部を天井へと突き出させる動作を40回行わせ,右股関節の伸展筋力向上練習を行った.3ヵ月後,右股関節伸展筋力はMMTにて2から4,立位姿勢は両股関節伸展位に伴う体幹後傾と,胸腰椎移行部を変曲点とした体幹屈曲が軽減,疼痛もNRSにて8から3と改善した.
  • ―pilot study―
    藤島 大希, 吉川 和希, 金野 賢, 鈴木 克也, 高﨑 博司
    徒手理学療法
    2022年 22 巻 2 号 73-77
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/09
    ジャーナル フリー

    本予備研究の目的はFunctional Movement Screening system (FMS)における自動下肢伸展挙上(ASLR)のスコア1とスコア3の者の間には体幹表層伸展筋群の筋活動様式の違いがあるのかを検証するために必要なサンプルサイズを算出することとした。対象は,腰痛下肢痛は無いがFMS-ASLRスコア1(機能不全有り)の者18名とスコア3(機能不全なし)の者9名を対象とした。右ASLR時における,右大腿直筋の筋活動onsetに対する左右胸最長筋,左右

    腰腸肋筋
    ,左右多裂筋の筋活動遅延の差を算出し,効果量(Hedges’ g)とα=0.05,β=0.2における必要サンプルサイズを算出した。結果,スコア1の者はスコア3の者に比べて右大腿直筋に対する左右胸最長筋,左右
    腰腸肋筋
    ,左右多裂筋の筋活動遅延が小さく,その効果量は全評価項目の中で最大値の1.32となり,必要なサンプルサイズはFMS-ASLRスコア1(機能不全有り)の者14名とスコア3(機能不全なし)の者14名と算出され,本実験においては少なくとも合計で28名の被験者が必要であることが分かった。

  • ~症例報告~
    大嶺 俊充, 吉岡 豊城, 愛洲 純
    理学療法学Supplement
    2016年 2015 巻 P-SP-03-4
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/28
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに,目的】新体操やバトントワリングで行われるFront Walkover(以下FW)とは,両上肢支持相,両下肢離地相,インバーテッド姿勢相,ブリッジ相(片足接地相),起き上がり相により構成される技である。技の実施中は常にいずれかの四肢が床に接地していることが条件となる。FWはブリッジ相から起き上がり相(以下FW後半)において腰椎の伸展が強制されるため,伸展型腰痛症発生に影響している可能性がある。本報告では,FWによる伸展型腰痛症に対して一般的なアプローチに加え,新しい着眼点で評価治療介入を追加したことで症状の改善を認めた1例について報告する。【方法】本症例は,全国レベルのバトントワリング部に所属する大学生(21歳女性)で,明確な受傷起点はなく,約8カ月間,FWの反復により右腰部痛の増減を繰り返し,FW不可となり受診に至った。初診時ではX線検査に異常なく,理学評価は,FW動作時痛Numeric Rating Scale(以下NRS)10,右Kemp test陰性も右腰部痛があり,右第4/5腰椎,第1仙椎(以下L4/5/S1)椎間関節に圧痛がみられ,prone instability test(以下PIT)陽性,右
    腰腸肋筋
    に筋硬結があり,圧痛,収縮時痛が存在した。また左股関節に伸展制限(前後開脚時の骨盤回旋が左股関節伸展時35°/右股関節伸展時25°)が存在した。評価所見から,FW時のL4/5/S1過可動性の抑制のために,脊椎分節間の安定性向上,左股関節伸展可動性向上,右
    腰腸肋筋
    の硬結除去を目的に3カ月間介入した。その後,FW後半の動作を再度確認すると,腰椎過伸展に加え右側屈左回旋が存在した。FW後半の動作改善のため,右下肢前方での両上肢支持相における,腰椎骨盤帯の左右非対称性アライメント(腰椎屈曲位での腰椎右側屈左回旋,右寛骨の後傾,右股関節外旋位)に着目し,その要因である右股関節屈曲制限(深屈曲時に前方に疼痛あり,外旋代償あり)に対し介入を追加した。【結果】介入後3カ月では,Kemp test時右腰痛,椎間関節の圧痛が消失,PIT陰性,左股関節伸展可動性改善となったものの,右
    腰腸肋筋
    の硬結,FW動作時痛NRS6と残存した。その後,介入方法変更後2カ月で右股関節屈曲制限が消失,両上肢支持相での腰椎骨盤帯の左右非対称性が改善,更にFW後半での腰椎過伸展右側屈左回旋が改善し,FW動作時痛NRS0となった。【結論】本症例は,両上肢支持相で前方支持側右股関節屈曲制限により,代償的に右
    腰腸肋筋
    を過剰収縮させ,腰椎屈曲右側屈左回旋のアライメントを呈していた。そのため,FW後半で腰椎過伸展に加え右側屈左回旋により,右L4/5/S1椎間関節への反復したストレスが,FW時の筋性,椎間関節性の疼痛に繋がっていたと推察される。FWによる伸展型腰痛症の評価治療には,腰椎過伸展の要因だけでなく,①両上肢支持相での前方支持側股関節屈曲制限,それに伴う②腰椎骨盤帯の左右非対称性,その結果起こる③FW後半の側屈回旋に着目する必要性が示唆された。
  • ~腰部分節の角度変化と筋活動に着目して~
    野田 敏生, 齊藤 大介, 古川 公宣
    理学療法学Supplement
    2016年 2015 巻 P-MT-36-3
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/28
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに,目的】諸家の報告によると,腰椎の生理的前弯を保つ坐位姿勢(Lumbo-pelvic upright sitting)は,脊柱の靭帯軟部組織への負担は少ないとされている。一方,胸腰部を脱力し,骨盤を後傾した坐位姿勢(Slump sitting)は,脊柱起立筋にFlexion Relaxation Phenomenon(FRP)が出現し,脊柱の安定性が損なわれることで慢性腰痛症に繋がるとされているが,腰部分節の角度変化と腰部筋活動に関して経時的な変化を調査したものはない。そこで今回我々は,Lumbo-pelvic upright sitting,Slump sitting及び努力性に胸腰椎を伸展位にするThoracic upright sittingを保持する間の各腰椎間の角度変化と腰部筋活動から,腰部負担の少ない坐位姿勢の特徴について検討を行うことを目的とした。【方法】対象は健常成人男性16名,年齢:30.5±6.8歳,身長:171.1±5.8cm,体重:65.1±8.8kgで,1年以内に強い腰部痛を経験していない,かつ腰部に障害を残遺する疾患及び外傷の既往がない者とした。被験者は治療用ベッドに着坐し,体重の20%の重錘を両側肩関節に掛けたベルトに懸垂した状態で3種類の坐位姿勢を20分間保持した。腰椎分節間の角度変化は,超音波式3次元動作解析システムを用い,L2-S1の4分節を測定した。腰部筋活動は,被検筋を左右の
    腰腸肋筋
    と多裂筋とし,表面筋電計にて測定した。各課題の試行には十分な期間を設けた。統計学的解析は,有意水準を5%に設定し,腰部分節の角度と腰部筋活動の経時的変化には反復測定分散分析と多重比較検定(Dunnett法)を用い,開始時の分節角度に対する有意性の検討を行った。【結果】Lumbo-pelvic upright sittingの腰椎角度変化は,腰椎全体は4分,分節は上位より11分,7分,5分,4分以降に後弯方向への有意な姿勢変化を認めた。筋活動電位は,右側の
    腰腸肋筋
    が開始16分,多裂筋が開始12分以降に有意な筋活動の増加を示した。Thoracic upright sittingは,課題遂行中に有意な角度変化を示さなかったが,筋活動電位は,右側の
    腰腸肋筋
    が開始15分,多裂筋が開始19分以降に有意な筋活動の増加を示した。Slump sittingはいずれの指標も有意な変化を示さず,開始時の
    腰腸肋筋
    の筋活動電位が低い振幅であった。【結論】本研究結果より,Lumbo-pelvic upright sittingは課題の進行に従い,脊柱を支持する力源の割合が,筋から脊柱の受動性組織に徐々に移行していると考えられた。しかし,観察された腰椎角度では,脊柱支持の力源を受動性組織のみに依存し得ないため,有意な筋活動の増加に繋がったと考えられた。一方,Thoracic upright sittingはLumbo-pelvic upright sittingより腰椎屈曲角度が大きく,腰部受動性組織への力学的負担と腰部の椎間板内圧が高いと考えられた。また,Slump sittingの腰部筋活動電位は開始時より低値を示し,有意な増加はなかった。これはFRPによるものと考えられ,腰部障害のリスクを高めると考えられた。
  • 久田 智之, 工藤 慎太郎, 颯田 季央
    理学療法科学
    2014年 29 巻 2 号 259-263
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/22
    ジャーナル フリー
    〔目的〕超音波画像診断装置を用いて,多裂筋を含む横突棘筋の従来の筋電図の電極貼付け位置の妥当性を検討する.〔対象〕健常成人男性20名とした.〔方法〕腹臥位にてL2,L4棘突起から外側3 cm,6 cmの右側腰部4部位を撮影し,各部位で表層に存在する筋,棘突起から横突棘筋外縁までと最表層までの距離を計測した.〔結果〕日本人の若年者においては,L2,L4レベルともに棘突起3 cm外側に横突棘筋は多くの例で存在せず,最長筋をはじめとした外側筋群が存在していた.〔結語〕L2,L4棘突起から外側3 cmの部位における電極貼り付け位置は多裂筋ではなく,外側筋群の筋活動を測定していた可能性がある.したがって,従来の研究結果は貼り付け位置を再考する必要が示唆された.
  • 堀 岳史, 酒井 清司, 徳永 綾乃, 上嶋 亮, 里見 昌俊, 吉栖 悠輔
    Journal of Spine Research
    2023年 14 巻 8 号 1133-1137
    発行日: 2023/08/20
    公開日: 2023/08/20
    ジャーナル フリー

    はじめに:本研究は全内視鏡下脊椎手術(FESS)術後に傍脊柱筋の変性が生じるかを検討することを目的とした.

    対象と方法:FESS術後にMRIを撮影した30例39検査を対象とした.男性21例,女性9例,平均年齢は67.4歳で,手術術式は,経椎弓間法(IL)18例,経椎間孔法(TF)10例,後外側法(PL)2例であった.術後MRIまでの平均期間は245日で,術後MRI検査の理由は,手術同側下肢痛の再燃が12件,症状遺残が12件,対側下肢痛の出現が9件などであった.傍脊柱筋の変性は,Goutallier分類を応用して評価した.

    結果:術前MRIで手術高位の傍脊柱筋の変性は,stage1が9例,stage2が19例,stage3が1例,stage4が1例であった.術後傍脊柱筋に変性の進行を認めたのは3例であり,いずれもTF症例で,手術高位よりも尾側の傍脊柱筋に変性の進行を認めていた.

    結語:TFアプローチの際に,椎間孔部で傍脊柱筋を支配する脊髄神経後枝を障害することで,手術高位よりも尾側の傍脊柱筋の変性が進行した可能性が示唆された.

  • 田原 大輔, 木村 繁治, 坂本 二郎, 村上 英樹, 川原 範夫, 尾田 十八, 富田 勝郎
    バイオフロンティア講演会講演論文集
    2004年 2004.15 巻 B115
    発行日: 2004/11/04
    公開日: 2017/06/19
    会議録・要旨集 フリー
  • 荒井 翔也, 石上 雄一郎, 小川 敦裕, 菅原 誠太郎, 沼田 賢治, 中島 義之, 本間 洋輔, 溝辺 倫子, 高橋 仁, 井上 哲也, 舩越 拓
    日本救急医学会関東地方会雑誌
    2019年 39 巻 3 号 391-393
    発行日: 2019/02/15
    公開日: 2019/02/15
    ジャーナル フリー

    症例は47歳男性, 体幹が右に傾く失調性歩行を主訴に来院した。小脳疾患などの頭蓋内病変が疑われたため頭部CT及び頭部MRI施行するも明らかな頭蓋内病変は認めなかった。右背部に手拳大の皮下腫瘤を認め, 体表超音波検査を施行すると皮膚直下にエコーフリースペースを認めた。腰部皮下膿瘍と診断, 切開排膿術及び抗菌薬治療を行うと失調性歩行は改善した。後日, 造影CTを施行すると, 右

    腰腸肋筋
    外周から腰方形筋背側に及ぶ膿瘍形成を認め, 最終的に傍脊柱起立筋膿瘍の診断に至った。脊柱起立筋は, 腸肋筋, 最長筋, 棘筋から構成され, 片側のみが動くと側屈, 回旋する。本症例では, 膿瘍周囲の脊柱起立筋へ炎症が波及し, その結果として右のみの脊柱起立筋が収縮し, 右に傾き失調性歩行となったと推測された。

  • 金 恩子, 宇野 英隆
    デザイン学研究
    2000年 47 巻 1 号 9-14
    発行日: 2000/05/31
    公開日: 2017/07/21
    ジャーナル フリー
    本研究ではギャレー空間の重要な構成要素の1つであるカートについて調査を行った。その結果, ギャレー空間内におけるカートの役割は, 収納空間としての役割, 「もの」を運搬する役割, 作業台としての役割など様々あることが分かった。しかし, アンケート調査からはこのカートに関する不便な点も挙げられており, 改善の余地があることが示された。また, ビデオ分析やカート内の搭載品の調査からは, 狭いといわれるギャレー空間内にもデッドスペースを見出すことができた。これは今後, 現状のギャレーの機能を保持しながらも, よりコンパクトで, 作業性にも優れた新しいギャレー空間を構築するという我々の目的を可能にし得るものである。さらにカート操作時の筋負担について調べ, 特に腰への負担について考察した。また, カートヘの収納動作に関しては, 作業姿勢と筋負担の関係も調べた。
  • 鍋田 理恵, 鍋田 智之
    関西理学療法
    2002年 2 巻 87-91
    発行日: 2002年
    公開日: 2005/05/21
    ジャーナル フリー
    We have reported acupuncture therapy for shoulder pain and low back pain. The trigger point, the origin of pain was located on certain muscles in a patient with shoulder pain and low back pain. It is important to remove the origin of pain in treating these patients. Acupuncture stimulates trigger points with muscle twitch of the affected muscle and associated parts. In rehabilitation staff, not acupuncturists, finding and using the trigger points is not so difficult. They can reduce the pain with massage, mobilization and so on for trigger points to apply the trigger point acupuncture therapy. It is helpful to know the trigger points and treatment for shoulder pain and low back pain.
  • 加藤 禎菜, 福田 早紀, 鈴木 康雄, 太田 進
    実験力学
    2017年 16 巻 4 号 315-319
    発行日: 2017/01/23
    公開日: 2017/01/23
    ジャーナル フリー

       Visual display terminal (VDT) tasks induce misaligned posture, resulting in increased neck and shoulder pain. This study investigated the effect of a posture feedback band on posture alignment and pain during a VDT task. Eight healthy individuals participated in which a custom-made posture feedback band with a length sensor sheet was applied to provide postural feedback. All subjects were exposed to Condition C (without the band) and Condition F (with feedback) on separate days during a 20-minute VDT task for all subjects. The angle of the forward head position was significantly smaller in Condition F compared with Condition C, which indicated improvement of the forward head position based on the feedback from the length between both scapulae. Eye, shoulder, and lumbar pain, however, were all significantly increased by the VDT task, both with and without postural feedback.

  • 久田 智之, 工藤 慎太郎, 颯田 季央
    理学療法学Supplement
    2013年 2012 巻 A-P-26
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/06/20
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに、目的】腰背筋群は内側筋群の多裂筋と外側筋群の最長筋・
    腰腸肋筋
    からなると言われており,内側筋群と外側筋群は神経支配,機能とも異なることが知られている.その中で,内側筋群である多裂筋の機能は姿勢保持や腰椎のコントロール,障害予防など臨床的に重要である.多裂筋の筋機能を測定するために表面筋電図が多く使われているが,筋電図学的には腰背筋群を脊柱起立筋群として捉えていることが多く,内側筋群・外側筋群を分けて考えられていない.また,多くの研究で使われている筋電図電極貼付け位置は海外の報告を引用していることが多く,日本人の体型に適しているのかという検討はされていない.さらに,我々は第47 回本学会において,超音波画像診断より内側筋群において多裂筋の同定は困難な例も存在し,横突棘筋と捉えることが望ましいと報告している.そこで,本研究の目的は超音波画像診断装置を用いて,多裂筋を含む横突棘筋における従来の筋電貼付け位置の妥当性を検討することとした.【方法】対象は腰部に障害を有してない健常成人男性20 名(平均身長172.8 ± 6.1cm,平均体重61.6 ± 9.2kg)の右側とした.超音波画像装置にはMyLab25(株式会社日立メディコ社製)を使用し,測定はBモード,プローブには12MHzのリニアプローブを使用した.腹臥位にてL2・4 棘突起から3cm,L4 棘突起から6cm外側の3 部位を測定部位とし,短軸像を撮影した.固有背筋の同定は先行研究に従い,横突棘筋と最長筋を同定し,L2・4 棘突起から3cm外側の位置での横突棘筋の有無を観察した.さらに(a)棘突起から横突棘筋外縁までの距離,(b)棘突起から横突棘筋最表層までの距離,(c)棘突起から3cmの位置に存在する筋の筋厚を計測した.すべての測定は同一検者が行い,測定方法においては検者内信頼性が高いことを確認した(ICC(1,1)=0.90 〜0.99).また,L2・4 の棘突起から横突棘筋外縁までの距離と身長,体重,腹囲,上前腸骨棘間の距離の関係をspeamanの順位相関係数により検討した.【倫理的配慮、説明と同意】対象には本研究の趣旨,対象者の権利を説明し紙面にて同意を得た.【結果】L2 レベルにおいて棘突起3cm外側に横突棘筋の存在した例は2 例,最長筋の存在した例は18 例であった.L4 レベルでは横突棘筋の存在した例は4 例,最長筋の存在した例は16 例であった.L2・4 レベルともに,横突棘筋の表層に最長筋が存在した.L4 棘突起6cm外側にはすべての例において
    腰腸肋筋
    が存在した.また,(a)棘突起から横突棘筋外縁までの距離はL2 レベルで2.55 ± 0.41cm,L4 レベルで2.76 ± 0.36cmであった.(b)棘突起から横突棘筋最表層までの距離はL2,L4レベルともに0.39 ± 0.07cmであった.(c)棘突起3cm外側に存在する最長筋の筋厚はL2 レベル2.69 ± 0.01cm,L4 レベルで2.63 ± 0.55cmであった.棘突起から横突棘筋外縁までの距離はL2 レベルにおいて,上前腸骨棘間の距離のみ相関関係を認めた(r=0.44,p<0.05).【考察】表面筋電における多裂筋の電極貼付け位置はVinksらにおけるL4 外側3cmの位置が多く引用されている.しかしながら,本研究の結果からL4 レベルにおいて棘突起から外側3cmの深層には多くの例で多裂筋を含む横突棘筋は存在しないことが明らかになった.さらに,多くの例でL4 レベルの棘突起外側3cmには最長筋を主とする外側筋群が2 〜3cmの厚みで存在する.そのため,現在までの表面筋電における報告は腰背筋群の外側筋群の筋電位を測定している可能性がある.表面筋電の電極貼り付け位置として,横突棘筋が最表層部に来る位置が考えられるが,棘突起から横突棘筋最表層部までの距離は3 〜4mmとなり,棘突起に非常に近く,アーチファクトの影響を受けやすいと考えられる.また,Vinksらは最長筋の表面筋電の電極貼り付け位置として,L2棘突起外側3cm を提唱している.今回の計測においても,L2 外側3cmには最長筋を主とする腰背筋群の外側筋群が存在していた.そのため同部位での筋活動の測定は最長筋の筋活動を測定できている可能性が高い.L2 棘突起から横突棘筋外縁までの距離と上前腸骨棘間の距離に相関がみられた.骨盤から起始し,下位腰椎に付着する横突棘筋は隣接する椎体に停止する線維束と幾つかの椎体をまたいで停止する線維束に分類できる.後者ほど筋束の外縁を走行するため,より高位の横突棘筋は骨盤の大きさと相関したと考えられる.つまり,Vinksらの結果は黄色人種と比較して,大きな人種を対象にしているため,今回の測定結果の相違が生まれたと考えた.【理学療法学研究としての意義】本研究により従来の多裂筋の表面筋電でよく引用されていた電極貼り付け位置は多裂筋ではなく外側筋群の筋電を測定していた可能性がある.そのため従来の研究結果は電極の種類や貼り付け位置を考慮する必要がある.
  • 正木 光裕, 池添 冬芽, 福元 喜啓, 塚越 累, 南 征吾, 山田 陽介, 木村 みさか, 市橋 則明
    理学療法学Supplement
    2013年 2012 巻 C-O-16
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/06/20
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに、目的】 加齢に伴い立位姿勢アライメントは脊柱後彎や骨盤後傾が増加する。この姿勢アライメントは体幹屈曲筋力とは関連がみられず,体幹伸展筋力と関連があることが報告されている(Kim 2006, Sinaki 1996)。さらに,脊柱・骨盤を中間位に保持した姿勢は,脊柱後彎・骨盤後傾が増加した姿勢よりも腰部多裂筋や
    腰腸肋筋
    の筋活動量が高いことが報告されており(O’Sullivan 2006),脊柱・骨盤中間位のアライメントと背部筋との関連性が示唆されている。このように加齢に伴う脊柱後彎・骨盤後傾変化は背部筋の筋機能低下が関連していると考えられている。 我々は近年,超音波画像診断装置を使用した研究により,加齢により骨格筋の筋輝度は増加する,すなわち筋内の脂肪組織の増加といった骨格筋の質的変化が生じることや,この質的変化は中高齢者の筋機能に影響を及ぼすことを報告した(Fukumoto 2011,Ikezoe 2012)。しかし,加齢による背部筋の量的・質的変化が姿勢アライメントに影響を及ぼすのかについて詳細に検討した報告はみられない。本研究の目的は,中高齢者における立位姿勢アライメントと背部筋の量的・質的変化との関連性について明らかにすることである。【方法】 対象は地域在住の中高齢女性38名(平均年齢72.6±7.8歳)とした。超音波診断装置(GE ヘルスケア社製LOGIQ Book e)を使用し,安静臥位での
    腰腸肋筋
    (ES),腰部多裂筋(MF),大腰筋(PM)の横断画像を撮影した。8MHzのリニアプローブを使用し,ゲインなど画像条件は同一設定とした。得られた画像から筋厚,また画像処理ソフト(Image J)を使用し,各筋の筋輝度を算出した。なお,筋輝度は0から255の256段階で表現されるグレースケールで評価され,値が大きいほど高輝度で筋内脂肪などの非収縮組織が増加していることを意味する。筋厚,筋輝度ともに右左の平均値を使用した。姿勢アライメントの測定にはSpinal Mouse(Index社製)を用い,安静立位での胸椎後彎・腰椎前彎・仙骨前傾角度を求めた。統計学的検定として,ピアソンの相関係数を使用し,姿勢アライメント(胸椎後彎・腰椎前彎・仙骨前傾角度)と年齢,筋厚,筋輝度との関係性を検討した。さらに,姿勢アライメントを従属変数,相関分析の結果でp値が0.10未満であった筋厚および筋輝度を独立変数とした重回帰分析を行った。全ての統計の有意水準は5%とした。【倫理的配慮、説明と同意】 対象者には研究内容についての説明を行い,書面にて同意を得た。なお,本研究は本学倫理委員会の承認を得て実施した。【結果】 安静立位時の姿勢アライメントは,胸椎後彎角度35.7±13.4°,腰椎前彎角度12.6±7.3°,仙骨前傾角度3.2±5.2°であった。胸椎後彎・腰椎前彎・仙骨前傾角度と年齢との間にはいずれも有意な相関がみられなかった。 胸椎後彎角度と筋厚,筋輝度との間における単相関係数は,ESの筋厚r=-0.45(p<0.05),筋輝度r=0.08(p=0.61),MFの筋厚r=-0.11(p=0.50),筋輝度r=0.08(p=0.64), PMの筋厚r=-0.32(p=0.05),筋輝度r=0.15(p=0.38)を示した。腰椎前彎角度では,ESの筋厚r=0.14(p=0.39),筋輝度r=0.19(p=0.25),MFの筋厚r=0.18(p=0.27),筋輝度r=-0.07(p=0.70), PMの筋厚r=0.31(p=0.06),筋輝度r=-0.26(p=0.12)を示した。仙骨前傾角度では,ESの筋厚r=0.33(p<0.05),筋輝度r=0.15(p=0.37),MFの筋厚r=0.13(p=0.45),筋輝度r=-0.31(p=0.06), PMの筋厚r=0.48(p<0.05),筋輝度r=-0.38(p<0.05)を示した。 また,重回帰分析の結果,胸椎後彎角度に影響を与える有意な因子としてESの筋厚(標準偏回帰係数=-0.39)が抽出され(決定係数=0.22),仙骨前傾角度に影響を与える有意な因子としてPMの筋厚(標準偏回帰係数=0.42),MFの筋輝度(標準偏回帰係数=-0.31)が抽出された(決定係数=0.38)。【考察】 中高齢女性の立位姿勢アライメントと背部筋の筋厚・筋輝度との関連性について重回帰分析で検討した結果,ESの筋厚が減少するほど胸椎後彎角度が増加し,PMの筋厚が減少,MFの筋輝度が増加するほど仙骨前傾角度が減少することが示された。これらの結果から,中高齢女性の胸椎後彎の増加には脊柱起立筋の筋量減少,骨盤後傾変化には大腰筋や多裂筋といった深部筋の筋量減少や筋内脂肪増加が関連していることが考えられた。【理学療法学研究としての意義】 本研究は,中高齢女性における胸椎,骨盤のアライメントには,背部筋の量的・質的変化が関連していることを明らかにした研究であり,姿勢アライメントの改善に対する運動療法の確立に向けて研究が発展することが期待される。
  • 畠山 和利, 松永 俊樹, 巖見 武裕, 大高 稿兵, 佐藤 峰善, 渡邉 基起, 嘉川 貴之, 宮腰 尚久, 島田 洋一
    理学療法学Supplement
    2012年 2011 巻
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに,目的】 脊柱後弯変形は,椎間板腔の狭小化や椎体圧迫骨折などによる脊柱前方要素短縮の他に,体幹伸展筋群の関与が大きく,パフォーマンスやQOLに影響を与えると報告されている.しかし,体幹筋群は構成筋の数が多く体幹に広く分布していることから,症例毎に筋力低下の部位や代償的な過剰収縮部位が異なる.従って,実際の臨床場面では画一的な筋力増強ではなく,症例に応じた対応が求められる.動作時における筋力の実測はほぼ不可能だが,筋骨格モデルで算出できる.われわれは腹圧や脊柱可動性を考慮した新しい3次元体幹筋骨格モデルを作成し,静的立位時に発揮されている体幹筋力値を報告した.このモデルは,脊柱屈曲方向の回転力(屈曲モーメント)を算出できるため,動作中に発揮している筋張力を推定することが可能である.本研究では,この3次元体幹筋骨格モデルを使用し,体幹前屈動作で発生する脊柱屈曲モーメントおよび筋張力を検討した.【方法】 新しい3次元体幹筋骨格モデルは,腹直筋,内外腹斜筋,腰方形筋,大腰筋,棘間筋,横突間筋,回旋筋,多裂筋,
    腰腸肋筋
    ,胸腸肋筋,胸最長筋,胸棘筋,胸半棘筋で構成されており,動作中のモーメントを算出するため加速度の情報も考慮されている.動作計測は,3次元動作解析装置VICON MX (VICON社製,Oxford,England)を使用し,直立姿勢から体幹を前屈していく動的状態を計測した.対象は健常成人8名(平均身長175.5 cm,平均体重67.5 kg)で,直径6mm,合計72個の反射マーカーを四肢と骨盤および脊柱に貼付した.C7からL5の棘突起は3個のマーカーを使用し,脊柱の動きを詳細に検討した.取得した各マーカーの位置座標データをわれわれが作成した筋骨格モデルへ入力し,直立位から前屈位に至る過程で1)直立位,2)軽度前屈位,3)前屈位の3肢位における脊柱屈曲モーメントおよび筋張力を算出した.軽度前屈位は,鉛直線に対する肩峰と大転子を結んだ線のなす角を30度とし,前屈位は同角度が60度とした.【倫理的配慮,説明と同意】 本研究は,世界医師会によるヘルシンキ宣言の趣旨に沿った医の倫理的配慮の下で実施した.被験者には実施前に説明し,十分に趣旨を理解して頂いた上で,書面にて同意を得た.【結果】 3次元筋骨格モデルから脊柱屈曲モーメントを算出できた.算出した屈曲モーメントは放物線を描き,3姿位共にほぼ脊柱の生理的弯曲に合致したカーブであった.最大屈曲モーメントは胸椎部で出現し,直立位で10.5 N/m/BW・Ht・10 -3と最も低く,体幹前屈角度が増加するに伴い増加し,軽度前屈位で15.6 N/m/BW・Ht・10 -3であった.前屈位では19.1 N/m/BW・Ht・10 -3と直立位の約2倍の屈曲モーメント値を示した.最大屈曲モーメントの発揮箇所は直立位で第8胸椎周囲,軽度前屈位で第9胸椎周囲,前屈位で第11胸椎周囲と遠位部へ変位した.腰椎レベルでは体幹前屈角度の変化に関わらず第5腰椎レベル周囲がピークであったが,直立位で4.0 N/m/BW・Ht・10 -3,軽度前屈位で5.1 N/m/BW・Ht・10 -3,前屈位で10.1 N/m/BW・Ht・10 -3と前屈角度の増加に伴い屈曲モーメントが増加した.
    腰腸肋筋
    ,多裂筋など腰椎レベルの筋張力は直立位より前屈位で高値を示した.特に前屈に伴い腰方形筋が19.5Nから35.0Nと約2倍程度の変化を認めた.【考察】 ヒトの脊柱アライメントは様々な影響を受け,筋力が与える影響は大きいと考えられている.脊柱シミュレーションモデルを用いた先行研究で,われわれは脊柱伸展筋力を低下させると脊柱後弯が増強することを報告している.今回の検討では,前屈角度の増加に伴い最大屈曲モーメントの発揮箇所が下方へ変位し,モーメントおよび筋張力が増加していた.廃用性筋萎縮や筋疲労などで体幹伸展筋力が低下し後弯位を呈するようになると,姿勢維持に必要な体幹伸展筋の高位も変化する.その結果,新たにストレスの加わった高位にも廃用性筋萎縮や筋疲労が生じるようになり,徐々に広範な部位に後弯が進行するという悪循環を呈する可能性が示唆される.本筋骨格モデルは,症例毎の体幹筋力値が明確になるため,筋力増強の具体的目安や変形進行予防の介入にも期待できる. 【理学療法学研究としての意義】 高齢者の筋力低下による後弯変形は,脊柱屈曲モーメントが増強するため筋力増強など予防が必要となる.しかし基盤に廃用症候群が存在しているため,下肢の代償や手押し車など上肢の補助により脊柱屈曲モーメントを減少させること,長期的な筋力増強練習の継続が重要と考えられる.
  • 外間 宗和, 山口 光圀, 塩島 直路, 鈴木 加奈子
    理学療法学Supplement
    2008年 2007 巻 586
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/05/13
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】今回疼痛の改善が困難な症例を経験した。理学療法開始当初は疼痛の改善が一時的であったが、横隔膜ストレッチを施行したことで姿勢に変化が生じ疼痛の改善が継続したので、本症例の経過について報告する。症例には本件に関し十分な説明と同意を得ている。
    【症例提示】71歳 男性 <診断名>変形性腰椎症 <既往>振動症、変形性頚椎症、脳梗塞疑い <病歴>H19.4頃より腰痛出現。4/24当院理学療法開始。以後週1回の頻度で外来通院中。
    【画像所見】右側のL5/S1椎間関節に変性変化を認める。
    【経過】4/24は骨盤後傾時に腰部の伸張痛があった。6/13は腰椎の伸展・左回旋時に、8/15は排便時に右腰方形筋・右
    腰腸肋筋
    に疼痛を呈していた。この頃までの特徴的な姿勢は、座位での頭部前方偏位、胸椎後彎位、右骨盤後傾位であり、両斜角筋・両僧帽筋や左側の腹部・背部の筋緊張が亢進していた。立位はスウェイバック姿勢で右骨盤が挙上位であり、右大殿筋の緊張が低下していた。治療としては、腰部マッサージや大殿筋ex、呼気exを施行したが、症状の一時的な改善はみられても継続性がなかった。8/30より料理時痛が出現した。体幹を軽度前傾し、頭部の前方偏位、腰椎の前彎を増強する姿勢をとっていた。この日の胸郭拡張差は腋窩レベルで2cm、剣状突起レベルで4.5cm、第10肋骨レベルで8cmであった。治療は横隔膜ストレッチを施行した。施行後の姿勢は、体幹に対する頭部の位置が後方に修正され、胸椎の伸展と右骨盤の前傾がみられ、体幹前傾時の腰椎前彎が減少していた。また、料理姿勢時痛は消失し改善が継続された。胸郭拡張差は腋窩レベルで3.5cm、剣状突起レベルで4cm、第10肋骨レベルで7.5cmであった。
    【考察】8/30までの治療内容は関節単独の機能改善を重視していたため、良好な姿勢変化に結びつかなかったと考えた。しかし、料理時痛に対しては、横隔膜ストレッチを施行したことで姿勢が変化し良好な結果が得られた。これは、横隔膜が弛緩したことで呼息時の肋骨の引き下げが容易になり、吸気時の横隔膜の収縮効率が上がったものと考えた。それにより腋窩レベルの拡張差がストレッチ後は2cm向上し、上部体幹のリラクセーションが得られ、胸椎伸展可動域増大、頭部の前方偏位の修正が可能になったと思われる。頭部・体幹の姿勢が適切なアライメントに近づいた結果として、右腰方形筋・右
    腰腸肋筋
    の過剰収縮が抑えられ、負担が減少し疼痛が緩和したのではないかと考えた。変形性腰椎症において、疼痛の改善が困難で姿勢異常がみられる例では、横隔膜のストレッチを用いて姿勢の変化を促すことが一つの手段として有効であることが示唆された。
  • 第4報 セルフエクササイズ移行による効果の検討
    伊藤 梢, 小川 峻一, 竹ヶ原 智行, 久保田 健太, 隈元 庸夫, 伊藤 俊一
    理学療法学Supplement
    2008年 2007 巻 585
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/05/13
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
    演者らは,以前より高齢慢性有疾患者に対する体幹の柔軟性の改善はADLに影響を与えることを報告してきた.結果,柔軟性の改善により一部身体機能は改善するがその継続には限界があり,機能維持のためのセルフエクササイズ(以下,self ex.)への移行と定期的follow upの必要性,さらに心理面の検討が必要であることを報告した.
    今回我々は,課題となったself ex.移行後の身体機能変化を検証するとともに患者立脚型評価による心理的影響について検討したので報告する.
    【対象と方法】
    対象は,研究開始前より過去2週間以上,身体機能に変化のみられない高齢慢性有疾患者23名(平均年齢73.8歳)とした.
    方法は,対象に体幹柔軟性の改善目的としてPost Isometric Relaxation ex.(以下,PIR ex.)を2週間施行し,その後体幹柔軟性改善効果を加味したself ex.を4週間実施させた.PIR ex.施行前(以下,初期評価),self ex.実施前(以下,2w後評価),self ex.実施2週間後(以下,self 2w後評価),self ex.実施4週間後(以下,self 4w後評価)に各々評価を行い身体機能変化を比較検討した.
    評価項目は,Finger Floor Distance,最大10m歩行時間,Timed Up and Go testとした.また初期評価時とself 4w後評価時に心理面の評価としてMOS Short-form36-Item Health Servey(以下,SF‐36)を測定した.self ex.の実施状況の把握として実施状況を調査し,4週間のex.実施率を算出した.
    統計はSPSS統計を使用し,統計処理には,Friedman’s順位検定,Wilcoxon t-test with Bonferroni correctionを用い,有意水準は5%未満とした.
    【結果と考察】
    4週間のself ex.実施率は71.1%の実施状況であった.2w後評価では初期評価と比較し,すべての身体機能項目において有意な改善が認められた.2w後評価時に向上した身体機能は,self 2w後評価,self 4w後評価において有意な差は認められず,改善効果を維持した.心理面の評価では,SF‐36の下位項目である活力が有意な向上を認めた.
    以上の結果から,self ex.への移行は,身体機能維持に有効であると考えられた.しかし身体機能は体幹柔軟性の向上のみで維持されるものではなく,今後self ex.へ移行した長期追跡調査,および他の機能変化も検討する必要があると思われた.さらに心理面の向上は行動変容をもたらすきっかけと成り得るが,具体的なADLに与える影響に対して検討する必要もあると考えられた.
  • *真鍋 由美子, 石崎 祐子, 高木 菜波, 窪田 幸生, 竹井 仁
    理学療法学Supplement
    2007年 2006 巻 624
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/05/09
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】臨床では、大殿筋の簡便な強化方法として、ブリッジ動作が用いられる。しかし、ブリッジ活動では、大殿筋だけでなく脊柱起立筋やハムストリングスなどの体幹背面の筋も活動する。実際にブリッジ動作を行うと、大殿筋と比較してハムストリングスが優位に活動していると感じることがある。本研究では、足関節の肢位を変化させることで、ブリッジ活動におけるハムストリングスの活動に変化が見られるか検討したので報告する。
    【方法】対象は、実験の趣旨を説明し、同意を得た健常者17名(男性9名・女性8名、平均年齢27.8歳、平均身長165.8cm、平均体重58.0kg)とした。運動課題は、3条件(1.足関節中間位による足底接地、2.足関節背屈位による踵接地、3.足関節底屈位による足先接地)によるブリッジ動作とした。3条件とも、背臥位にて上肢を体幹前面で組み、股関節を50度とした膝立て位を開始肢位とした。ブリッジ動作は、肩甲骨を床に接地した状態にて肢位の安定が得られてから5秒間保持し、10秒の休憩を挟んで5回反復した。3条件の順番は無作為とした。ブリッジ動作中に、バイオモニターME6000(日本メディックス)を使用し、表面筋電図を記録した。被験筋は、蹴り足側の外腹斜筋・腹直筋・大腿直筋・前脛骨筋・
    腰腸肋筋
    ・大殿筋・大腿二頭筋長頭・腓腹筋外側頭とした。表面筋電から全波整流平滑化筋電図を求め、後に2~4回目のブリッジ動作中の1秒間の積分筋電値を算出し、3回の平均値を解析に用いた。解析にはSPSS(ver.14)を用い、条件1の積分値に対する条件2と3それぞれの積分値の割合を算出し、分散分析と多重比較検定を実施した。有意水準は5%未満とした。
    【結果】条件1と比較して条件2の背屈位では、前脛骨筋(平均7.35)が有意に増加し、大腿二頭筋長頭(0.65)が有意に低下した。条件1と比較して条件3の底屈位では、外腹斜筋(平均1.28)・腹直筋(1.22)・大腿直筋(1.44)・前脛骨筋(3.59)・
    腰腸肋筋
    (1.29)・大殿筋(1.5)・大腿二頭筋長頭(1.98)・腓腹筋外側頭(5.33)の全筋で有意に活動が増加した。
    【考察】ブリッジ活動には、殿部を持ち上げるために膝関節と股関節の伸展が必要である。しかし、条件2では、前脛骨筋の筋収縮によって脛骨が前方に引き出されて大腿骨は尾側に引かれ、さらに、腓腹筋が伸張されることで膝関節に屈曲の力が加わる。このことで、ブリッジ活動による膝伸展に伴う股関節伸展が制御され、股関節伸展作用を持つハムストリングスの活動が低下したと考える。一方、底屈位では、肩甲骨と足部がなす支持点の距離が中間位に比べて長くなり、かつ殿部を挙上する高さが中間位に比べて高くなるため、位置エネルギーも増加する。また、中間位に対して足関節の安定性を増やす必要も増え、全ての筋活動が大きくなったと考える。よって、ハムストリングスの活動を抑制するためには、足関節背屈位でのブリッジ動作が有効であることが示唆された。
  • *渡邉 進, 江口 淳子, 小原 謙一, 石田 弘, 田辺 良平
    理学療法学Supplement
    2007年 2006 巻 623
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/05/09
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】机上動作においては、座位で体幹前傾姿勢をとることが多い。この時の過度の脊柱屈曲などの不良姿勢は習慣化しやすく、長期間にわたる脊柱への繰り返し負荷は脊柱変形や腰痛症の原因ともなる。一方、近年生体力学研究から腹部と腰部筋の同時収縮によって脊柱の安定性が増し、良姿勢がもたらされることが分かってきた。しかしながら、その同時収縮が脊柱彎曲に及ぼす影響については明らかにされていない。本研究の目的は、それを筋電図学および運動学的に解析することである。
    【対象と方法】対象は健康な男性10名(平均年齢24.3±4.4歳)であった。全員に実験について十分な説明を行い、同意を得た。表面電極を3cmの間隔で右側の腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腰部脊柱起立筋(L3)、多裂筋(L5)に貼付した。筋電図の測定と解析にはNORAXON社製筋電計を用いた。始めに最大随意収縮(MVC)を行わせ正規化のための基準とした。次に対象者に椅子座位で、体幹を軽度前傾する机上動作姿勢を模擬的にとらせた。その間、不良姿勢として体幹筋の脱力、良姿勢として体幹筋の軽い同時収縮を意識させ、それぞれ筋活動を5秒間記録した。体幹筋の同時収縮の指示は「普通に呼吸しながら、パンツのゴムからお腹を少し引っ込めてください」とした。得られた平均活動電位をMVCで正規化した(%MVC)。同時にインデックス社製脊柱計測分析器を用いて脊柱彎曲角を計測した。指標は胸椎彎曲角(TK)、腰椎彎曲角(LL)、仙骨傾斜角(SIA)とした。不良姿勢と良姿勢で、%MVC、TK、LL、SIAをWilcoxonの符号付き順位テストで比較した(p<0.05)。
    【結果】( )内の前に不良、後に良姿勢の数値を示す。%MVCについては、腹直筋(3.2±1.8%、5.3±5.1%)、外腹斜筋(4.0±3.3%、10.4±9.0%)、内腹斜筋(5.9±3.9%、19.0±8.7%)、脊柱起立筋(5.3±3.0%、12.8±8.2%)、多裂筋(5.4±4.3%、10.3±5.9%)であった。腹直筋を除くすべての筋で良姿勢は不良姿勢より有意に高い筋活動を示した。脊柱の彎曲については、TK(45±10度、45±7度)、LL(23±8度、3±15度)、SIA(-13±7度、-0.3±12度)であった。TKを除いて、良姿勢は不良姿勢よりLLとSIA(絶対値)が有意に減少した。
    【考察】机上動作で良姿勢をとるように体幹筋を同時収縮させた結果、腹直筋以外の筋活動は有意に高まり、脊柱腰仙部の彎曲角は有意に減少したものと思われる。つまり、腰椎の後彎角は減少し、仙骨角度はより直立に近づいた。胸椎後彎角度の変化は個人差が大きかった。体幹筋、特に深部筋である腹横筋および内腹斜筋と多裂筋の同時収縮は良姿勢をもたらし、脊柱を安定化するといわれる。今回の結果より、体幹前傾の机上動作時に体幹筋を軽く同時収縮させることは脊柱の安定化に寄与することが示唆された。
  • 木村 真梨, 柴原 直利, 津田 昌樹, 永田 豊, 藤本 誠, 小尾 龍右, 引網 宏彰, 後藤 博三1, 嶋田 豊
    日本東洋医学雑誌
    2009年 60 巻 6 号 623-628
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/03/03
    ジャーナル フリー
    近年,スポーツ選手に対して鍼灸治療が施される機会が増加しているが,局所やトリガーポイントへの単刺法や通電治療を施したとする報告が多い。今回我々は随証治療による鍼灸治療が奏効した水球選手を2例経験したので報告する。症例1は16歳,男性。練習後に右拇指違和感を自覚し,練習時間延長とともに拇指痛が持続するようになり,左手のシビレ感も認めるようになったため,鍼灸治療を行った。原穴への接触鍼,背部兪穴への置鍼などを施術し,治療直後に症状が消失した。症例2は17歳,男性。腰痛を自覚し,その後に首の凝りも認めるようになったことから,鍼灸治療を行った。原穴への接触鍼,背部兪穴及び奇経への治療として、八宗穴への置鍼などを施術し,治療直後より症状が消失した。症例1,症例2ともに随証治療により症状が軽快し,強度な運動の継続も可能となったことから,スポーツ選手に対する証に随った鍼灸治療の有用性が示唆された。
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