本研究では, 変形筬補助ノズル方式AJLの緯入れ性能の向上を目的とした基礎的研究として, メインノズル管内の流れを非圧縮性流体の一次元流れとして解析するとともに壁面静圧を測定して, ノズルタンク圧や加速管長がノズル管内流速の変化に及ぼす影響を明らかにした.得られた結果は次の通りである.
(1) メインノズル管内流れでは, M=1となって
臨界状態
を示すスロート部が, ニードル先端部と加速管出口部の2か所で生ずる可能性があり, タンク圧力を変えることにより, これらのスロート部が発生し, ノズル管内流れの様相が特徴づけられる.
(2) ニードル先端部が
臨界状態
になるノズルタンク圧力PTは加速管長に依存し, 加速管長が長くなるほどPTは高い.
(3) 加速管出口が
臨界状態
になるノズルタンク圧力PTは, 加速管長にかかわらずほぼ一定で, 本実験の範囲のノズルでは, PT≒4kgf/cm2である.
(4) 加速管出口が
臨界状態
になる流れでは, 管内流れは常に亜音速の場合と超音速流れを含む場合に分けられ, 加速管長の短いノズルにおいて後者の例が認められる.
(5) 本実験の加速管長L=70mmのノズルにおいて加速管内で衝撃波が発生する.
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