本研究では,あいまいさに非寛容な者が異なる3つのストレス状況下に置かれた際,
認知的評価
及びコーピングにどのような差異が見られるかどうか,またその際性差も見られるかどうか検討した.あいまいさへの非寛容尺度,
認知的評価
尺度,コーピング尺度が,129名の男女大学生を対象に,心理学実験室において小人数による集団法で実施された.パス解析の結果,社会的評価ストレス状況において,あいまいさに非寛容な女性は
認知的評価
を媒介しないで積極的対処を行う傾向があることが示され,さらにあいまいさに非寛容な男性は
認知的評価
を媒介して積極的対処を行う傾向もあることが示された.これらの結果は,あいまいさに非寛容な女性は直截的に行動する傾向があり,あいまいさに非寛容な男性は対処に至る評価過程に分化と複雑化がみられ,社会的評価に多様に対処する傾向がある,と解釈された.
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