植え込み型
除細動
器(ICD)は心室性頻脈性不整脈(心室細動/心室頻拍)による心臓急死の予防として最も注目されている治療法である.ICDの概念は1961年と古く,その臨床応用は1981年に始まり1985年米国で認可されて以来,急速に普及し1990年末には12,000例を越えている.そして,第1世代(
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機能,カルヂオバージョン機能),第2世代(プログラム機能)を経て,現在では第3世代(抗頻拍ペーシング機能,抗徐拍ペーシング機能,メモリー機能)の機種が開発されている.第3世代では心外膜リードシステムに加えて非心外膜リードシステムが可能となっている.さらに本体の小型化および電池寿命延長のために
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閾値の低下が重要な課題となっている.
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の方法としてはsingle pulse法,dual pulse法,sequential pulse法,およびsimultaneous pulse法があり,さらに
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波形としては単相性,2相性および3相性パルスが検討されている.また,
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閾値への抗不整脈薬の影響も重要と考えられる.我が国では1990年1月から第2世代ICD,1991年10月から第3世代ICDの臨床試験が行われている.今後,第3世代ICDの開発によりその適応は拡大するものと考えられる.しかし,
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閾値,小型化,電池寿命および不整脈感知のアルゴリズムおよびメモリー機能など残された問題も少なくなく,その適応決定にあたっては他治療との十分な比較考量の上,患者のinformed consentが不可欠である.
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