周辺性軟は, 顎骨においてはまれな腫瘍である。われわれは, 下顎骨に周辺性に発生した軟症例を経験した。
患者は, 32歳の男性で, 右下顎臼歯部歯肉の腫脹を主訴とした。病理組織学的診断は, 周辺性軟であった。
全身麻酔下において、下顎区域切除術および頸部郭清術を施行した。術後、Cyclophosphamide, Vincristine, Adriamycin, Cisplatinのadjuvant chemotherapyを行った。
術後約6年間, 患者には再発, 転移は認められていない。

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昭和29年より昭和57年までの28年間に, 当院整形外科において加療した50例の原発性骨悪性腫瘍症例について, その病理組織学的分類, 発症年令, 性別, 発生部位, これらに対する3治療法, 予後について調査し, 10才台での発生が多く, これらの予後は不良で, 一般に術前期間の短い症例程予後が悪い傾向があることが判明した. 発生部位は膝関節周囲に多い傾向があり, この部に発生したものは, これ以外の部に発生したものより比較的予後良好であつた. 脊索腫, 軟, 線維肉腫, 傍骨性, 巨細胞腫に比較して, Ewing肉腫, 細網肉腫は予後が悪かつた.

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40才男性の下顎に生じたの1例を報告する。患者は, 下唇の知覚低下を主訴として1988年7月8日に来院した。初診時には, 臨床的にも病理組織学的にも悪性所見に乏しく, 線維性骨異形成症と診断された。しかし, その2カ月後には下唇の知覚麻痺は進行し, 下顎角部の腫脹と同部のX線的骨吸収像の増加が見られたため, 再度組織診を行い, と診断された。治療は, アドリアマイシンの動注化学療法後に下顎骨連続離断術と同側の上顎部郭清術を行い, 1カ月後にメソトレキセート (iv) とシスプラチン (iv) の大量療法を追加した。しかし, 手術後13カ月目に肺, 胸壁, 肋骨, 胸部大動脈, 横隔膜などに転移を来し, 死亡した。
本症例の治療が不成功に終った原因として以下の点が挙げられる。
1) 初回の生検時に転移防止のための十分な処置が取られなかった。
2) 病理診断者に正確な病歴と臨床所見が伝わっておらず, 最初適切な診断がなされなかった。
3) 確定診断がなされたのは, 初回生検より2カ月後であった。
4) 術後の化学療法開始が遅れ, 総投与量も不十分であった。

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Parosteal osteosarcoma showed typical radiographic features including an existance of a thin lucent zone between the tumor and the underlying cortical bone, and a peculiar tendency to encircle the involved bone. Since the jaw bones are rarely involved and only 13 cases have been reported, radiographic features of the jaws have not been well interpreted. We reported a case and reviwed radiographic features of the jaws and the long bones previously reported.
A 70-year-old Japanese woman was affected by an increasing swelling of the left angle of mandible. Although ground glass and expansive findings in a initial stage was similar to fibrous dysplasia, but during her clinical course, the affected radiopaque lesion have been more and more accelerated and the typical lucent zone around the left mandible could be observed in a later stage. This patient was suspected as parosteal osteosarcoma by these radiographic and gross findings.

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歳, 男性, 集団検診にて胸部X線写真上, 右S⁸に腫瘤陰影を認めた.CTガイド生検による病理診断の結果, 悪性細胞を認めたため, 右中下葉切除術及び第7, 8肋骨の合併切除術を施行した.術後病理診断では, であり, 胸膜及び肋骨への浸潤は認めずリンパ節転移も認められなかった.しかしながら当症例は, 術後約8ヶ月の後, CTガイド生検部より再発をきたし死亡した.

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症例は44才, 男性.38才時に左大腿原発に対して膝上切断術を受けている.4年を経て胸部X線写真上, 緩徐な発育を示す境界明瞭な肺内腫瘤, 胸郭内腫瘤を認め, 骨シンチグラフィにて著明な集積像を同部位に認めるところからの転移としてこれを肺切除, 胸壁部分切除により治療し, 病理学的にの転移であることを確認した.2年後に胸壁, 縦隔, 横隔膜, 後腹膜に広汎に再発を来した.やはり骨シンチグラフィにて強い集積像を認めた.アルカリフォスファターゼ値が異常高値を示した.転移の再燃として残存肺別除, 胸膜全切除, 心膜広汎切除, 横隔膜左半亜全切, 胸壁広汎切除をともなう拡大切除術を施行した.術後, アルカリフォスファターゼ値は正常化した.患者は再切除後2年の現在, 健在であり社会復帰できている.

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胸骨に発生した内軟骨腫の一例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告した.症例は28歳女性, 1992年1月より前胸部腫瘤に気付くが放置, 翌年1月に前胸部痛が出現したため, 当科を受診した.単純X線撮影, CT, MRIより原発性胸骨骨腫瘍が疑われ, 生検の結果, 内軟骨腫と診断し, 手術を施行.胸骨膨隆部を中心に開窓, 掻爬, 自家骨とハイドロキシアパタイトを充填した.摘出標本でも内軟骨腫の病理診断であり, 術後経過も良好である.病理組織学的には, 内軟骨腫と, 分化型軟との鑑別は, 非常に難しいとされ, 画像診断や手術所見を加えて総合的に判定する必要がある.

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傍骨性は一般にまれな疾患である。本腫瘍は一般に通常のとは区別して考えられている。
現在までに顎骨領域では14例の報告例があるのみである。最近我々は52歳女性の下顎骨に発生した傍骨性を経験したので文献的考察を加えて報告する。

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軟は1930年Phemisterの報告以来, 多くの報告を見るが, 肋骨が原発の症例は少なく, 本邦では10例に過ぎない.
自験例は49才女性であり, 胸部異常陰影, 右下胸壁腫瘤を主訴として来院した. 肝転移あるいは肝への直接浸潤が疑われたが, 肺への転移が著明となつたため, 外科的治療は断念され, 局所の生検により, 軟の診断を得るにとどまつた. 治療として, 放射線治療, 化学療法を行つたが, その効果は見られず, 初診時より4ヵ月にて, 肺及び脊柏転移による両側下半身麻痺を来し, 死亡した.
本疾病に対する治療は, 外科的治療が第一とされているが, 切除不能例に対する治療法は, 放射線及び化学療法が残されるだけである. しかも, そのいずれも有効なものとは言い難く, 根治的切除術がなきれないかぎり, その予後は, 不良である.

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14 cases of osteosarcoma of the lower limb have been treated in our clinic since 1955. There are ten males and four females, ranging of age in 3 years old to 44 years old (average 18.8 years old). The lesion is at the femur in 8 cases and at the tibia in 6 cases. Our regime of treatment can be divided into three category, that is, radical operation following chemotherapy in 3 cases from 1955 to 1958, arterial perfusion following radical operation with radiation therapy in 4 cases from 1959 to 1968 and arterial perfusion followng raidical operation with chemotherapy in 7 cases from 1969 to 1979. Only 3 cases survived over 5 years. Relation between regime of treatment and the results was studied in this paper. Best results were obtained in the last group.

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  に代表される高悪性度骨軟部肉腫は予後不良であり，新しい治療法が求められている．我々はの免疫制御を目指し，自家の細胞株とCTLクローンを用いたcDNAライブラリ発現クローニングで世界で初めて抗原PBFを同定した．PBFは転写調節因子であり，のアポトーシスを制御している．PBF蛋白は組織の92％で，骨軟部肉腫全体では87％に発現が見られた．またPBF陽性の患者の予後は不良であり，PBFは予後不良の標的分子となり得る．そこで我々はHLA-A24/A2拘束性PBFペプチドを設計して患者のペプチド特異的CTL応答を解析し，まず患者に対するペプチドワクチン臨床試験を10例に行った．臨床効果は不変3例，増悪6例で，9例でペプチドに対する免疫応答が検出された．多発肺転移および皮下転移をもつ1例で，ペプチドワクチンに対する高い免疫応答がELISPOTで観察された．また局所再発巣に骨化とCD8陽性細胞浸潤を認めた．この症例はペプチドワクチン療法のみで加療され，合計31か月生存した．そして試験的に実施した再発粘液線維肉腫1例においてPBFペプチドに対する極めて高い免疫応答が誘導され，病勢にも相関した．これらの2症例はいずれも化学療法未施行例であり，病巣が小さかった（2 cm以下）．これらの知見は今後のペプチドワクチン療法のさらなる実効化に大変重要と考えている

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Laryngeal chondrosarcoma (LCS) is seen in up to 1% of all laryngeal tumors and shows indolently slow growth. Distant metastases and lymph node involvement are rare. Although a number of foreign series of LCS have been presented in the English literature, this has not been the case with Japanese series. To allow comparison with other series, we report on a Japanese series with the addition of our own case.
A 64-year-old man presented with a 1-year history of hoarseness and gradually increasing dyspnea. We suspected LCS based on findings from CT and MRI scans. For post-tracheostomy histological confirmation, direct laryngoscopy and a biopsy were performed under general anesthesia. Chondrosarcoma was confirmed histologically. A total laryngectomy was performed to allow preservation of the laryngeal framework. As of 2 years postoperatively, no evidence of recurrences or metastases has been seen.
Since 1973, the Japanese literature has described 45 cases (28 males, 15 females, 2 unknown) including several laryngeal chondromas, which were excluded from this review. Several cases contained incomplete information, but we analyzed their information to achieve a more complete grasp of LCS in Japan. The mean age was 62 years (range, 27-82 years). The site of origin was on the cricoid cartilage in 36 patients, on the thyroid cartilage in 6 patients, on the epiglottis cartilage in 1 patient and unknown in 2 patients. Total laryngectomies were performed in 27 patients as initial treatment. Organ preservation surgery was performed in 17 patients, of whom 4 underwent total laryngectomy. No patients in the Japanese literature showed distant or regional metastases.

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では術後長期の経過観察が必要である．また，術後病理診断の変更により治療方針の変更を要する事がある．今回，我々は術後の病理診断が軟に変わり，13年後に局所再発した左中手骨の1例を報告する．（症例）54歳，男性．13年前，左第4中手骨骨軟grade 4の診断で腫瘍広範切除術及び腓骨移植術を施行した．術後病理での診断に変更となったため，術後化学療法を追加した．再発転移を認めず術後7年でフォロー終了となった．術後13年に左手背の腫脹と疼痛を自覚し当科再診．切開生検術の結果，再発と診断された．術前化学療法を施行し腫瘍広範切除術及び再建術を施行した．

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