詳細検索結果
以下の条件での結果を表示する: 検索条件を変更
クエリ検索: "鳥取県水産試験場"
156件中 1-20の結果を表示しています
  • 採卵とふ化
    梶川 晃
    水産増殖
    1978年 26 巻 3 号 130-134
    発行日: 1978/12/25
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    バイ種苗の量的生産をめざして, 10トンコンクリート水槽において, 親貝から水槽採卵したものと, 小型底曳網に入網した天然採集卵を, 飼育水に生海水と紫外線照射した海水を使用して, 採卵, ふ化をおこなった。
    1. 親貝から水槽採卵では6月9日-28日, 6月28日-7月15日の2回おこない, 各々284.8万粒と80.1万粒を得, 雌1個当り6,769粒であった。
    産卵期間は6月上旬-7月下旬で, 盛期は6月下旬-7月上旬であった。
    2. 水槽での採卵期間中, 親貝を持ち帰る時点で, すでに足部附近にすれ状の傷がみられたもののうち, 筋肉組織に壊死溶解をおこし, 患部に多数の桿菌の認められた親貝がみられた。
    3. 産卵からふ化までの積算温度は319.1℃-442.3℃であった。
    4. ふ化率は天然採集卵で80%, 水槽採卵ではほぼ100%とみなされた。
  • 石原 幸雄
    日本水産学会誌
    2023年 89 巻 5 号 482
    発行日: 2023/09/15
    公開日: 2023/09/23
    ジャーナル フリー
  • 稚貝飼育
    梶川 晃
    水産増殖
    1978年 26 巻 3 号 135-141
    発行日: 1978/12/25
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    前報で採卵, ふ化した材料を用い, 生海水を対照区に, 紫外線照射海水を飼育水として, 10トンコンクリート水槽で継続して稚貝飼育を30日間おこない, 下記の結果を得た。
    1. 稚貝の飼育期間をとおして, 紫外線照射海水を飼育水としている水槽では, 現象として, 底砂の濁れが少ない, はい上り稚貝数が少ない, 原生動物が少なく, 細菌による残餌の赤変がみられなかった。
    2. 生海水を飼育水とした水槽では, 飼育日数10日で, ふ化可能卵数から生存率が29.8%と稚貝初期で大きく減耗し, 飼育日数30日で17.1%, 単位面積当り1.9万個/m2の稚貝の生産であった。
    3. 上記に反して, 紫外線照射海水を飼育水とした水槽では, 天然採集卵および親貝から採卵したものとに生存率の差はみられず, また, 飼育口数20日で生存率70.6-93.4%と稚貝初期の減耗がおさえられた。
    4. 稚貝の高密な水槽では, 餌不足もあり, 飼育日数25日前後に大きく減耗し, 飼育日数30日における稚貝の生存率は34.0-69.8%であり, 飼育水30トンで228.4万個, 単位面積当りの生産量は8.6万個/m2であった。
    5. 稚貝の成長は, 生存稚貝の密度の高い水槽ほど成長が悪く, 飼育日数30日で平均殻長2.4-2.8mmであった。
    6. 稚貝の摂餌率は, 殻長1-2mmの大きさでは, 日に2回の摂餌で体重の80%程度であり, 殻長2-3mm稚貝では50%程度である。
    7. 発泡スチロールケースのなかに, 海水を浸したタオルの間に稚貝を敷き, 約10時間輸送をおこなったところ, 殻長3mm以上の稚貝は90%以上生き残った。
  • 兜金 幸男
    水産土木
    1981年 18 巻 1 号 81-82
    発行日: 1981年
    公開日: 2018/10/01
    ジャーナル オープンアクセス
  • 数種餌料の摂餌刺激効果および餌料価値について
    梶川 晃
    水産増殖
    1981年 29 巻 1 号 20-25
    発行日: 1981/06/25
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    バイの稚貝と小型貝および大型貝を水槽に収容し, 各種餌料を投入して, 5分以内に摂餌行動を起こした個体数から, バイに対する餌料の摂餌刺激効果を検討した。また, 餌料のうち市販のうなぎ用配合飼料I, 配合飼料II, エビ, ヒレグロを餌として稚貝と小型貝を飼育し, それらのバイに対する餌料価値を検討した。
    1) 供試した餌料で摂餌刺激効果の最も高いものはエビおよびスルメイカ冷凍肉で, 次いでスケトウダラ冷凍肉と生きゴカイであり, ヒレグロ冷凍肉は最も劣った。
    2) 乾燥肉の摂餌刺激効果は同魚種の冷凍肉に比べて低く, 配合飼料とほぼ同程度であり, その煮沸肉はさらに低かった。また, その傾向は個体の大きさに関係なく, ほとんど同じであった。
    3) 飼育当初の摂餌量は摂餌刺激効果に影響されたが, 全飼育期間をとおしてみると, 稚貝の場合の日間摂餌率は配合飼料I区が最も高く, 次いで配合飼料II, エビ, ヒレグロ区の順に高かった。小型貝の場合でも配合飼料I区がヒレグロ区に比べて高く, 稚貝, 小型貝のいずれも配合飼料を良く摂取した。
    4) 稚貝の成長度 (殻長の伸び) は, エビ, ヒレグロ, 配合飼料I, 配合飼料II区の順に低下し, 小型貝の場合でも配合飼料I区はヒレグロ区に劣った。
    5) 餌料効率は, 稚貝の場合にはヒレグロ, エビ, 配合飼料II, 配合飼料I区の順に低く, ヒレグロ区と配合飼料I区の餌料効率には約2倍の差があり, 小型貝の場合でもヒレグロ区は配合飼料I区より2.4倍も優れていた。
    なお, 各餌料とも生存率は100%であった。
  • 2. 鳥取県の沿岸海域における腸炎ビブリオの分布
    辰巳 宝, 三田 早苗, 新川 博, 本多 哲雄, 小倉 道雄
    日本獣医師会雑誌
    1966年 19 巻 6 号 245-248
    発行日: 1966/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    Specimens were collected at 14 points of the.Japan Sea off Tottori Prefecture almost once a month over period from April, 1964, to November, 1965. The farthest point of the fourteen was located 28.0 kilometers off the shore. The specimens consisted of 657 water samples collected from zero-, ten-, and fifty-meter strata of the sea water and 209 plankton samples harvested from a vertical depth of water of 30 meters. They were examined for the presence or absence of Vibrio parahaemolyticus.
    1. The organism was detected from 61 water and 11 plankton samples, or from 8.3 per cent of the total specimens.
    2. The distribution of the organism was higher in such points as located 10.1 to 28.0 kilometers off the shore than in points 2.7 to 8.7 kilometers far from the shore.
    3. The organism was detected principally during a period from May to September of the year.
    4. Frequency of detection was the highest in the water samples collected from the ten-meter stratum and the lowest in those from the fifty-meter one of all the water samples from the three strata.
    5. When analyzed from chlorine ion concentration, the rate of detection was high from the sea water at a concentration of 17.1 to 17.5 per mille, moderate from that at 17.6 to 18.0 per mille, and low from that at 18.1 to 19.5 per mille.
    6. Of the 72 strains isolated, 18 strains (25.0 percent) were classified into biotype 1 and the remaining 54 into biotype 2.
  • イタヤガイについて
    田中 彌太郎
    水産土木
    1977年 14 巻 1 号 19-24
    発行日: 1977年
    公開日: 2018/10/01
    ジャーナル オープンアクセス
  • 稚貝飼育について
    平本 義春
    水産増殖
    1977年 24 巻 4 号 109-115
    発行日: 1977/03/25
    公開日: 2010/06/30
    ジャーナル フリー
    バイを用いて種苗の量産化技術を確立することを目的として, 陸上水槽で自然産卵によって得た卵を重量法により計数し, ふ出・稚貝飼育槽 (10トン角型コンクリート水槽・2面) に収容して, 稚貝の水槽側壁へのはい上がり防止については二, 三の工夫をこらし, 餌料はヒレグロとキシエビを用いて稚貝の飼育を行ない (1973年6月21日-8月10日), かなり安定して種苗を生産することができ, 種苗の量産化への可能性について若干の知見を得た。
    1) 測定した6種の飼育環境 (COD, 照度, pH, 溶存酸素飽和度, 比重および水温) のうちでは, 稚貝の水槽側壁へのはい上がり防止のために照度を下げたことが歩留りの向上にかなり良い結果を与えているものと考える。また水温は28℃以上になると摂餌量が低下することから, 稚貝の飼育環境としては28℃以下が良いものと考えられた。
    2) ヒレグロとキシエビを50%ずつ混合した餌料は, 稚貝にとって有効な餌料と考えられた。日間給餌量は1日目が1g/m2, 10日目が5-7g/m2, 20日目が10g/m2, 30日目が15-20g/m2であった。
    3) 稚貝の水槽側壁へのはい上がりは照度を下げることによってかなり防止することができ, また水槽側壁の水面上へのはい上がりは水表面との境界面にウェット・スーツ地をはり付けることおよび水面上へはい上がって乾いて死亡することは, 穴を開けた塩ビ管を水槽側壁の水面上約20cmのところに配管して, その穴から給水を行ない側壁を絶えず湿らせておくことによりかなり防止でぎた。
    4) ふ出した浮遊幼生は2, 3日で匍匐生活へ移行した。匍匐生活へ移行直後の稚貝殻長は0.80-0.95mmの範囲であり, 平均殻長は0.875mmであった。その後の殻長は10日目が1.40mm前後, 20日目が2.00mm前後, 30日目が3.00mm前後であった。
    5) 10トンの角型コンクリート槽2面を使用して, 浮遊生活から匍匐生活へ移行した稚貝を30日間飼育して, 平均殻長3.00mmの稚貝を255,308個体生産した。種苗の単位生産量は7,208個体/m2と21,478個体/m2であり, 歩留りは5.73%と10.74%であった。
    6) 生産した稚貝の殻長範囲は1.3-6.5mmであり, その殻長組成は殻長2.00mm以下が20%, 2.01-3.00mmが41%, 3.01-4.00mmが27%, 4.01mm以上が12%であった。死貝の殻長範囲は0.9-3.2mmであり, その多くは浮遊生活から匍匐生活へ移行直後から殻長2.00mmまでに多くみられ, 殻長2.00mmまでの死貝は80%を占めた。
  • 山下 洋, 山本 和稔, 長洞 幸夫, 五十嵐 和昭, 石川 豊, 佐久間 修, 山田 秀秋, 中本 宣典
    水産増殖
    1993年 41 巻 4 号 497-505
    発行日: 1993/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    岩手県沿岸ではヒラメ種苗の捕食者としてアイナメ, ヒラメ, コモンカスベ, マツカワ, クロソイの5種が確認され, 前2種が主要な捕食者であった。放流ヒラメに対する捕食率は放流後1週間が高く, 2週間後までは捕食が断続的に確認された。放流後28日目にも捕食が確認されており, 種苗に対する捕食が放流後かなり長期にわたって行われていることが推測された。天然におけるアイナメと被食ヒラメの全長比は2.8から7.8, 大型ヒラメとの全長比は3.2から5.1であった。ヒラメ種苗放流場周辺における捕食者のサイズと捕食者: 被食者の全長比から, 捕食を防ぐためのヒラメ種苗の効率的な放流サイズは全長10cm前後と考えられた。また, 今後定量的な被食量推定を行うためのパラメータについて検討を加えた。
  • 柳下 直己, 山崎 淳, 田中 栄次
    日本水産学会誌
    2006年 72 巻 4 号 651-658
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/07/27
    ジャーナル フリー
    京都府沖合海域においてアカガレイの雄 14 個体,雌 120 個体の標識放流実験における再捕結果,および小型の雄 175 個体,雌 186 個体の耳石輪紋数から推定した年齢—体長データを用いて,本種の年齢(年)と体長(mm)の関係を明らかにした。von Bertalanffy の成長曲線は雄:Lx=267.4[1-exp {-0.185(x+0.284)}];雌:Lx=381.9[1-exp {-0.130(x+0.136)}]で,各満年齢時における体長は雌の方が大きかった。50% 成熟年齢は雄が 5 歳,雌が 9 歳であった。
  • 日野 淑美
    水産増殖
    1958年 5 巻 4 号 27-31
    発行日: 1958/05/30
    公開日: 2010/06/30
    ジャーナル フリー
  • 飼料タンパク質の消化吸収率
    梶川 晃
    水産増殖
    1981年 29 巻 1 号 26-29
    発行日: 1981/06/25
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    前報の飼育試験に使用した餌料をバイ稚貝に摂取させ, 糞の排泄状態を観察し, 更に摂取餌料および排泄物のN量から, 餌料のみかけのタンパク質消化吸収率を検討した。
    1) 餌の体内滞留時間は, 配合飼料I, IIとも9~98時間, エビ14~30時間, ヒレグロ14~53時間であった。配合飼料は排泄物量も多く, 特に配合飼料Iでは, 摂餌後1日に総排泄量の5割強が排泄された。
    2) 排泄物のN含有率は, 配合飼料Iが最も高かったが4.75~2.39%と日を追って減少した。次いで配合飼料II, ヒレグロの順で最も低いのがエビの1.39%であった。
    3) 各餌料のタンパク質消化吸収率は, 配合飼料Iが60.7%, 配合飼料II79.2%, エビ99.8%, ヒレグロが99.4%で, 予期したとおり, 配合飼料の上記吸収率が低かったため成長が劣ったものと考えた。
  • ―ふ化仔魚の10kl水槽による飼育について―
    平本 義春, 小林 啓二, 三木 教立
    水産増殖
    1980年 28 巻 3 号 134-141
    発行日: 1980/12/25
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    ヒラメの放流用種苗を量産する目的で, 昭和53, 54年度にふ化仔魚の10kl水槽による飼育試験を行った。更にこの試験結果を基に稚魚 (平均全長14.0mm) 10万尾を生産するために必要な二, 三の生物餌料の日間給餌数・量とその総給餌数・量等を検討し, 次の結果を得た。
    1) ホルモン剤投与および自然産卵によって得た卵からのふ化仔魚を, 12~17千尾/klの密度で上屋付き10klコンクリート水槽 (200×490×130cm, 飼育水量10kl) 5面に収容し, 33~35日間飼育した。
    2) 飼育水は卵がふ化した後ヒーターを投入し, 水温が18℃以下にならないよう加温した。換水は飼育5日目から隔日ごとに行い, 飼育中・後半は毎日行った。換水量は2~5kl/日の範囲であった。
    3) 餌料は, イースト・ワムシ, 油脂酵母ワムシ, グリーン・ワムシをふ化後2日目から給餌し, 仔魚の消化管が回転した10日目からアルテミア幼生を併用した。
    4) ふ化直後の仔魚の全長は2.45~2.95mmであり, 10日目で4.2~6.0mm, 20日目で7.4~10.2mm, 24~27日目に変態を完了する個体 (9.40~12.75mm) が出現し, 33~35日目で12.0~16.0mm (平均13.92mm) となった。仔稚魚の成長は, 水温が高い程, またアルテミア幼生を早い時期から多量に給餌する程良好であった。
    5) 稚魚の取り上げは, 直径33mmのビニール管を用いて飼育密度および稚魚の大きさ等より落差を調整しながら行うと, へい死尾数が少なく, 作業能率も優れていた。
    6) 10kl水槽による飼育 (33~35日) の歩留りは, 24.30~50.57% (平均歩留り36.31%) の範囲であり, 10kl水槽1面で平均48, 000尾の変態を完了した稚魚 (平均全長13.92mm) を得た。
    仔稚魚の飼育中に発生した個体の異常は, 腹水症および飼育20日前後にみられた尾鰭の分化が正常でない個体, 更に変態を完了した稚魚に数10%の色素異常個体が認められた。
    7) 稚魚10万尾 (全長14mm) を生産するために必要なシオミズツボワムシの日間給餌量は0.34~2.16億個体 (平均1.26億個体) , アルテミア幼生のそれは21~4, 583万個体 (平均2, 146万個体) であった。また両者を合計した日間給餌量は91~1, 078g (平均562g) であった。更にシオミズツボワムシの総給餌量は43.03億個体, アルテミア幼生のそれは5.59億個体であり, また両者を合計した総給餌量は19.06kgであった。
    8) 稚魚10万尾を生産するために必要なアルテミアは, 本試験の回収率 (44.10%) , 1/4ガロン缶で7.30缶を要した。
  • 海底堆積物中の重金属類
    佐野 茂
    水産増殖
    1979年 27 巻 1 号 15-20
    発行日: 1979/05/25
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
  • 室内水槽における自然産卵について
    平本 義春, 小林 啓二
    水産増殖
    1979年 26 巻 4 号 152-158
    発行日: 1979/03/25
    公開日: 2010/06/30
    ジャーナル フリー
    ヒラメを用いて種苗生産の基礎である親魚養成の可否を検討し, さらに種苗生産技術の方式を確立することを目的として, 1975年11月18日から地元 (鳥取県中部-東部海域) で漁獲されたヒラメを室内水槽 (φ3.70×1.00m, 飼育水量8トン) で飼育した。この結果, 1977年3月16日-6月29日の問に水槽内での自然産卵がみられ, 産卵期間, 産卵時刻, 産卵数及びふ化率等について若干の知見を得た。
    1) 一本釣及び小型底引網で漁獲されたヒラメを, マアジ, イワシ類, ニギス, ハタハタ等を餌料として, 漁獲後20日前後で餌付けすることができた。
    2) 親魚の摂餌は, 水温が10℃以下ではほとんどみられず, 10-25℃の範囲では水温が高くなる程活発になり, 25-27℃ではその量は急激に低下して, 27℃以上になると摂餌行動はほとんどみられなかった。
    3) 水槽内の自然産卵に供した親魚は雌4尾 (全長60.5-71.5cm), 雄8尾 (全長50.0-72.5cm) の計12尾であった。
    4) 産卵期間は3月16日 (水温14.5℃)-6月29日 (水温21.4℃) の106日間であり, この間に78日産卵がみられた。雌親魚1尾当りの平均産卵回数は19.5回で, ヒラメは多回産卵魚であることが明らかになった。
    5) 産卵時刻については, 0-6時の間に2/3の産卵がみられ, 産卵時刻と日の出及び日の入時刻との間には規則性のある関係はみられなかった。
    6) 雌親魚4尾による総産卵数は16,171,700粒であり, 雌1尾当り平均4,042,925粒の産卵がみられた。産卵数の日変化からみると, ヒラメの産卵盛期は3月下旬-4月下旬の40日問であり, この期間に13,246,800粒の産卵がみられ, これは総産卵数の81.91%を占めた。またこの4尾による1日の最多産卵数は714,600粒であった。
    7) ふ化率は1日の産卵数が多い時に高い傾向を示し, 産卵期の前半が79.8%と高く, 後半は35.0%と低かった。産卵期間を通算したふ化率は75.9%であった。
    8) 1日当り得られたふ化仔魚数は, 4月7日の678,010尾が最も多く, 20万尾以上のふ化仔魚が得られた日は, 3月26日-5月1日までの37日間のうちの24日であり, 水槽内の自然産卵による採卵適期は3月下旬-4月下旬と考えられた。
  • ふ出について
    平本 義春
    水産増殖
    1976年 24 巻 3 号 89-92
    発行日: 1976/12/25
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    バイを用いて種苗の量産化技術の方式を確立することを目的として1973年5月21日から1973年9月25日まで陸上水槽で自然産卵によって得た卵を飼育して, 採卵回数と産卵からふ出までの期間および積算温度との関係, 採卵回数および卵のうの産出場所とふ出率との関係等について若干の知見を得た。
    1) 産卵からふ出までの期間は12-19日の範囲であり, この間の積算温度は344.9-404.4℃の範囲であって, 採卵を重ねるにしたがってふ出するまでの期間は短かくなり, 積算温度は低くなった。
    2) 卵のうの産出場所ごとによるふ幽率は, 円筒状採卵器が96.46%で最も高く, 次いでプレート状採卵器が95.03%, 採卵器以外が94.23%であり, 卵のうの産出場所ごとによるふ出率には差がみられなかった。
    3) 採卵回数ごとのふ出率は採卵を重ねるにしたがって低下して91.58-96.89%の範囲であり, 平均したふ出率は95.41%であった。
    4) 産卵からふ出までの期間および幼生のふ出率は主に水温の影響がみられたが, その他多くの要因が複雑に作用して影響をおよぼすものと考えられた。
  • 陸上水槽における自然産卵について
    平本 義春
    水産増殖
    1976年 24 巻 3 号 83-88
    発行日: 1976/12/25
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    バイを用いて種苗の量産化技術の方式を確立することを目的として1973年5月21日から1973年9月25日まで地元 (鳥取県美保湾) でバイ籠網により漁獲されたバイを陸上のコンクリート製10トン水槽で飼育して効果的な採卵方法について検討し, 親貝の日間摂餌率, 自然産卵, 産卵数および採卵器, 卵のうの産出場所等について若干の知見を得た。
    1) バイ籠網で漁獲されたバイ901個体 (雌の大きさ; 平均殻長66.09mm, 平均体重43.10g, 雄の大きさ; 平均殻長69.23mm, 平均体重48.32g, 性比1対1) をヒレグロを餌料として飼育した。飼育期間中水温が17.0-29.4℃の範囲内では産卵の盛期や外的刺激等がなければ日間摂餌率は水温が26, 27℃までは水温が高い程高くなったが, 28℃を越えるとやや減少傾向を示した。なお飼育期間中の日間摂餌率は1-4%の範囲内であった。
    2) 産卵期は5月23日 (水温17.7℃)-9月17日 (水温24.7℃) であり, その盛期は6月中旬-7月中旬の40日間であって, この40日間に総産卵数の91.63%が産卵された。
    3) 産卵期間中の平均雌親貝439.25個体による総産卵数は4,383,600粒であった。また雌1個体当りの平均産卵数は9,980粒であった。
    4) 採卵器は青色のビニール波板 (長さ50cm) を内径が17-20cmの大きさで筒状にしたものを2個ずつ結び1組としたものと黒色のサンプレート (塩ビ製・厚さ1.0mm) を水槽側壁へはり付けたものの2者を使用した。この両者の採卵器で総産卵数の96.93%が採卵できた。
  • VI. 微粒堆積物による藻類増殖の助長効果
    佐野 茂
    水産増殖
    1976年 24 巻 3 号 80-82
    発行日: 1976/12/25
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    土壌微粒子を添加した培養液中では藻の増殖が促進される。これは微粒子が呈する吸着, 触媒, イオン交換等の作用によって生育が助長されたためと考えられる。実測の結果, 水深20m程度の浅海では底層においてこれと同様な藻類増殖助長作用の起り得ることがわかった。鳥取県下の浅海では, 海底堆積物の半径と有機物含有量が反比例しており, その相関度は高い。これらの事実から浅海の堆積物に含有される有機物は, 土壌粒子の呈する増殖助長作用にささえられて生産された藻類が主体をなすものと推論した。
    これらの生物有機体は, 底層における生物生産において, 基礎生産物に相当するものであるから堆積物粒径の小さな砂浜ほど底層における生物生産が大であるということができる。
  • III. 海底堆積物中の有機物含有量と底生微小生物の密度
    佐野 茂
    水産増殖
    1976年 24 巻 3 号 77-79
    発行日: 1976/12/25
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    大谷海岸では5m水深帯に堆積物有機炭素含有量の峰があり, 9月にはこの峰が10m層へ移動していた。甲殻類の分布密度は6-9月の温暖期には毎月5m水深帯に峰があり, 有機炭素量のそれと9月を除いてよく一致した。多毛類は20m層に多かった。
    堆積物中の有機物は, この地方の普遍的な現象として温暖期に増量し寒冷期に減少する。また浅所と20m層では炭素消失率にかなりの相違があることから, 堆積有機物が水深帯により性状を異にすると考えられる。
    甲殻類と多毛類の水深帯による住み分けも, 餌となり得る堆積有機物の質的相違によるものではないかと推論した。
    この研究は昭和45年度都道府県水産試験場特別調査費補助金により実施したものであり, 本稿は海洋生物環境研究所理事 古川 厚博士に校閲を賜った。ここに厚くお礼申し上げる。
  • 沿岸域における海底堆積物の性状と底生生物の分布
    佐野 茂
    水産増殖
    1976年 24 巻 2 号 56-60
    発行日: 1976/09/25
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    鳥取県沿岸, 水深20m以浅の区域における海底堆積物は淘汰良好な細粒砂である。
    堆積物の中央粒径値と有機炭素含有量には有意な相関があり, 粒子の細かい堆積物ほど有機物が多い。
    有機炭素量は3m層でやや濃厚であり, 20m水深帯で最大である。
    ドレッジや採泥器で採集した砂中の微小な底生生物は, 3-5mを中心とした浅い水深帯と20m層とに峰を持つ分布をなしており, 有機炭素量の分布とかなり一致している。
feedback
Top