数学的思考を

明日を拓く科学教育において、新しい科目「情報」が注目し始めた。道具としてだれもが使えることを目指した情報機器の使用は、コロナによって社会が激変した。しかし、数学教育においては全く変化が見られない。数学教育では電卓すら使わないので、情報機器には全く触れられていない。この状況の中で、「情報」が科学教育に使われるようになったときに、「数学」と「情報」は共存できるかが問われるであろう。「数学」と「情報」の考え方の違いから、この2つを学ぶときにどちらを取るであろうか。同じ教育の場で『異なる考え方』はどちらが選ばれるか、またAIによるTechnologyの発展はどのよう日影響をするか、明日の科学教育にとって大きな問題が提起されている。AIによる志向の変化がどのように起こるかわからない。自然科学により物質的には世界は原子力によって滅びを迎えているが、AIの発展は精神的世界を滅ぼすであろう。科学教育の在り方を問う必要性は以前よりも増している。

制約条件に基づく発想法を既存のデザイン思考を比較して，提案した．デザイン思考は，現場にてインタビューや観察を行い，その経験からアイディアを練る．イメージが固まったら簡単なプロトタイプを作成し，異分野の人々とのコラボレーションを通じてアイディアを固める方法である．しかし，この方法は発想者の属性(知識量，センスなど）に依存する方法なので，誰でも行える方法ではない．

;一方，制約条件に基づく方法は，制約条件に基づく発想法は，枠組みという制約条件から絞り込んでゆく方法である．従って，使用者の属性(特に知識量，センス)にはデザイン思考より影響を受けず，システム系にも対応可能であるが，煩雑性を伴うので一考を要する．更に，独創性のある発想をする為には，制約条件の枠組みを厳密に決めて，誰でも枠組みから容易に発想ができるようにする必要がある．

;算数の問題を解く際，ある意味では，デザイン思考は

日本全国には，科学の遺産としての「算額」が975面以上現存する．数学史の教材化に関する先行研究を参照し，福井県の特徴的な「絵付算額」を学区内や近隣地域の科学の遺産として教材化し，その存在を知らせ，思想やアイディアに向けることで，児童・生徒の興味・関心を寄せる機会を設定することを目指した．その結果，5点の示唆を得た．