17菌株の
Agrobacterium属細菌を供試し,polymerase chain reaction (PCR)とdideoxy法を利用した直接塩基配列決定法によって,
16
S
リボソーム
RNA
(rRNA)の2か所の部分塩基配列の比較を行った。1406∼1392の塩基座(
Escherichia coliの16S rRNA の5'末端からの塩基配列番号)に相補的な15塩基をプライマーとした場合,1180∼1379の200塩基の配列を決定することができたが,この領域に関しては6組合せの分類群間で配列の違いが認められなかった。1242∼1227の塩基座に相補的なプライマーで決定した1019∼1200の182塩基に関しては,
A. rubiとNCPPB 1650で配列が一致していたが,それ以外の組合せでは1∼21塩基の相違があった。さらに,いずれの分類群内でも,供試した2∼4菌株間に配列の変異は認められないことから,この領域は分類群間の識別に有効であることが示唆された。また,比較に用いた6菌株の
Rhizobium属細菌との識別も可能であった。
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