2010 年 16 巻 2 号 p. 2_27-2_50
本研究は、消費者の認知的精緻化を促進させる「適度な不一致」に焦点を当てている。本研究の目的は、製品拡張に対する「適度な不一致」の適用可能性を探ることである。そこで、本分析では、MCMC(マルコフ連鎖モンテカルロ)法による階層ベイズによって、製品拡張に対する消費者の認知的精緻化のモデリングを試みている。その結果、(1)「適度に不一致」な製品拡張は、階層的カテゴリー構造の下位レベルにおいて同定され、ゆえに、(2)「適度な不一致」製品は、消費者選好構造において、市場の境界線を拡張させることを明らかにしている。