本研究の目的は、ハンガリーの変容プロセスの初期におけるジプシーの教育水準と雇用状況を明らかにすることにある。国勢調査における設問で自らをジプシーとした142683人が対象とされた。15歳以上のジプシーの55.2%が、初等学校の第8学年を修了していない。5.1%のみが初等学校以上の教育を修了している。初等学校を終えていないジプシーが変容プロセスの最初の10年において最も不利益を被った。ジプシーの教育水準は、居住地の規模によって異なり、性差も大きい。子の教育水準は、主として母親の教育水準の影響を受けており、周辺農村で育つ若年のジプシーの機会は、限られたものとなっている。