2022 年 14 巻 1 号 p. 10-16
CAD/CAM技術が有床義歯補綴分野に普及しつつあり,全部床義歯製作システムが開発され,臨床応用されている.また,CAD/CAM技術でフレームワークを製作することも可能である.口腔内スキャナーに関しては,無歯顎に対しての精度検証および臨床応用が進んでいる一方で,部分歯列欠損では顎堤粘膜に対して加圧印象が必要であるため実用化に至っていないのが現状である.本稿では,これまで当講座で実施してきたCAD/CAM技術を応用したパーシャルデンチャーに関する研究・臨床・教育を中心にまとめ,デジタルデンティストリーのパーシャルデンチャーへの応用の現状と今後の課題を考察する.