日本調理科学会大会研究発表要旨集
2022年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: P-11
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ポスター発表
微細米粉の基礎研究
ーバッター調製時における油添加の影響ー
*野口 聡子徳永 みな子中本 恵子中谷 梢八木 千鶴山本 悦子米田 泰子
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抄録

【目的】微細米粉(米粉)を用いたケーキ類やパイクラストの調製条件と製菓特性を明らかにする過程で、米粉における換水値や副材料添加の影響を知る必要が認められた。 そこで第一報では水または卵で調製したドウとバッターについて、第二報では砂糖で調製したバッターについて、本報では油で調製したバッターについて、米粉と薄力粉、強力粉の生地の特性を比較した。

【方法】油(キャノーラ油)と米粉、薄力粉、強力粉との配合割合は1:1(150g:150g)を基本とし、粉に対する油量を180g、200g、214.3g、225g(150%、200%、250%、300%)とした。ビーカーに油(1/2量)、粉(全量)、油(1/2量)の順に入れ、バーミックスで撹拌した。前報同様に水分含有率、水分活性、粘度、Area Spread Test値(以下:AST値)を測定した。

【結果・考察】1)水分含有率は、粉の水分量が多い強力粉、薄力粉、米粉の順に高く、油量の増加に伴い低くなった。 2)水分活性は、粉の水分量が多い強力粉、薄力粉、米粉の順に高く、油量による影響は小さかった。 3)粘度は、米粉、強力粉、薄力粉の順に高く、油量の増加に伴い低くなった。 4)AST値は、薄力粉、強力粉、米粉の順に大きく、米粉は200%、薄力粉、強力粉は250%でピークとなった。ピーク点までは油量の増加に伴い大きくなるが、ピーク点以上の油量ではやや小さくなった。 以上の結果から、バッター調製における油添加の影響は、水分含有率と水分活性は粉自体の水分量が影響し、油添加量の影響は受けなかった。バッターは油添加により粘度は低くなるが、AST値において米粉は200%、薄力粉、強力粉は250%がピークとなった。

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