赤門マネジメント・レビュー
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経営学輪講
パフォーマティブルーチンの功罪 (dynamic in-capablities)―複雑性に満ちたイノベーション生態系におけるルーチンのパラドックス
経営学輪講シリーズ「組織ルーチンはどのように創られ、維持され、変化するのか―Howard Grenville et al. (2016)」第9章
山城 慶晃
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2024 年 23 巻 4 号 p. 127-134

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抄録

9章ではバイオテック企業の創薬プロジェクトを対象として、バイオテック企業で繰り返し行われている、複雑性に満ちた環境に対応しながら創薬プロジェクトを推進するためのルーチンを抽出する。さらに、グラウンデッドセオリーアプローチを用いて、三つの戦略ルーチンと三つのパフォーティブルーチンを抽出し、この2種類のルーチンの補完的な関係やルーチンの階層性がバイオテック企業の事例を用いて示される。こうしたルーチンが駆動することで、本来であれば発揮されうるダイナミックケイパビリティが発揮されず、当初の見通しのまま、進捗を取り繕ってでもプロジェクトが推進される現象があることをDynamic In-capabilitiesとして揶揄的に示している。

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