製品全体のパフォーマンスを向上させる場合、インテグラル化が必要だと思われがちだが、当然ながらモジュラー化が有効になる場合がある。テニス・ラケットに関して、バボラ社はウーファーに振動吸収機能を集約するモジュールの抽出を行うことによって、反発性能を大きく損ねることなく振動吸収性能を向上させ、競合他社の模倣を受けつつも市場シェアを拡大した。
自由化路線とNAFTAの締結により、メキシコは世界で第9番目の自動車生産国となった。しかし、メキシコにおける自動車生産台数の約7割は輸出され、その相手国としてアメリカにきわめて大きく依存している。現在、メキシコには8社の外資系完成車メーカーの下に約600社のサプライヤーが存在する。そのうちおよそ半分がマキラドーラである。メキシコ政府は1965年にマキラドーラ・プログラムを発足させ、それ以降マキラドーラは進化を続けている。なかには、テクニカルセンターを移転するケースなども見受けられる。2000年代のアメリカ経済の不況により、マキラドーラは深刻な危機に見舞われたが、自動車産業に限ってみればその影響は小さい。