湿式グラインダー(WG)処理おからが,製パン性と易消化性澱粉(RDS)に与える影響について検討した。まず,WG処理おからパンの最適な加水量を調べた。その結果,WG処理おからの添加量が2%,4%,6%,8%での最適な加水量は,90 g,100 g,110 g,130 gであった。次に,WG処理おからと未処理おからの製パン性を比較した。検討の結果,WG処理おからは,パンの比容積の低下とCFVの上昇を抑制することが示された。また,WG処理おからと未処理おからがパンのRDSに与える効果を調べたところ,おからの添加量が増えるに従ってRDSが低下した。しかしながら,WG処理おからパンは,未処理おからパンと比較して,RDSの減少は確認されなかった。さらに,2%WG処理おからパンは,コントロールと比べて比容積とCFVに差はなく,RDSが52%減少することが示された。以上のことから,WG処理おからは,未処理おからと比べてパンの膨らみの低下と硬さの上昇を抑制でき,製パン性の向上が明らかとなった。