抄録
製材の日本農林規格(JAS 1083)に対応した曲げの基準強度を材せいに応じて低減するための寸法調整係数に対する寸法効果パラメータについて、前報の機械等級区分法による検討に引き続き、本報では目視等級区分法による検討を行った。まず、機械等級区分法も含めた樹種・等級ごとの材せいと曲げ強度との関係から、寸法効果パラメータは樹種・等級ごとに設定するのではなく、単一の値とするのが現実的であると考えられた。次いで、目視等級区分法における基準強度に対する寸法調整係数と、5%下限値/基準強度とを比較した結果、目視等級区分法における曲げ強度の寸法効果パラメータも機械等級区分法による結果から得られたそれと同等の0.4~0.5とすることが妥当であると考えられた。ただし、いくつかの課題は依然残されており、今後得られる材せいの大きい製材品からの曲げ強度のデータも積み重ねた上で、寸法効果パラメータの値は再検証を続けていく必要がある。