日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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ISSN-L : 0387-1207
原著
上部消化管内視鏡検査前の経口補水液の有用性
岩田 英之黒崎 哲也松本 浩次鈴木 哲郎堀 義城鈴木 淳一長谷川 弥子新居 高吉村 雪野板垣 亮平畑中 正行田和 良行大井 至
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2013 年 55 巻 1 号 p. 12-21

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抄録
【目的】本研究は,上部消化管内視鏡検査(EGD)を施行する患者の身体的・精神的ストレスを軽減することを目的として行った.【方法】当院でEGDを予定している患者150名を対象とし,経口または経鼻でEGDを施行する患者に対して,検査2時間前,1時間前にゼリー状の経口補水液(ORS)を200g摂取する群と対照群とで安全性と有用性を検討した.【結果】胃内容物採取量は,ORS各群において41±28mlから67±24mlの範囲で,対照群に比較し胃内容物は増加しておらず,悪心・嘔吐もなかった.2時間前ORS摂取経鼻群において,胃内の泡状の唾液が経鼻対照群に比較して少なく,有意に観察がしやすかった.検査までの患者の空腹感は,2時間前ORS摂取経口群を除いていずれのORS群でも有意に改善された.【結論】EGD前のORS摂取は患者にとって有用で,内視鏡施行医は安全に検査を行うことができる.
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© 2013 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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