日本食品保蔵科学会誌
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黄熟バナナ果実でのアセチルCoA合成酵素の存在
ウェンダコーン S.K.上田 悦範今堀 義洋冨増 悠佑
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2005 年 31 巻 2 号 p. 75-80

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抄録
黄熟バナナ果実のアセチルCoA合成酵素 (ACS) 活性をHPLCを用いて測定した。基質特異性は酪酸より酢酸のほうが高かった。この結果は, バナナ果実の香気成分中の酢酸エステルがもっとも多く, 次いて少量のブチルエステルが生成されることを意味している。アシルCoA生成に対するKm値を測定した結果, ブチリルCoA生成には多くのMgCl2が必要とすることが明らかになった。各細胞内分画 (ミトコンドリア, ミクロソーム, 細胞質) でのACS活性を測定したが, 全酵素活性は細胞質でもっとも多かった。果物のACS活性の存在は今回初めての報告である。
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