日本看護科学会誌
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総説
臨床看護における「優先順位」の概念分析
野々口 陽子
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2023 年 43 巻 p. 324-334

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抄録

目的:本研究の目的は,臨床看護における「優先順位」について概念を分析し,定義を明確にすることであった.

方法:本研究ではRodgers(2000)の概念分析のアプローチを用い,47文献を分析した.

結果:3つの属性,【生命への影響から程度が見積もられる】【患者の状態で重みづけられる】【状況によって変動する】,4つの先行要件【看護師および組織の一員としての責務がある】【看護師の熟練度の差がある】【組織文化と制度の影響がある】【時間の制約や人員の不足がある】,3つの帰結【業務が順当に調整される】【効率的に業務が遂行される】【ケア提供にジレンマが生じる】が抽出された.

結論:臨床看護における「優先順位」を,「生命への影響度を見積もり,患者の状態によって重みを与えて相対的に重要度が判断され,状況に応じて変動する看護実践の位置づけ」と定義した.

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© 2023 公益社団法人日本看護科学学会
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