総合健診
Online ISSN : 1884-4103
Print ISSN : 1347-0086
ISSN-L : 1347-0086
生活習慣病と健康日本21
高久 史麿
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 31 巻 3 号 p. 476-481

詳細
抄録

我が国の生活習慣病対策として平成12年4月から始められた『健康日本21運動』に関して, その概要を1) 栄養・生活習慣, 2) 身体活動・運動, 3) 休養・心の健康づくり, 4) タバコ, 5) アルコール, 6) 糖尿病, 7) 高血圧, 8) 癌, の8つの項目に重点をおいて, 『健康日本21』企画検討会の各分科会が今後10年後に達成すべきとした具体的な目標値を提示しながら解説した。その中でも喫煙, 肥満の2つの問題に焦点をあて, WHOによるタバコ枠組み条約の推進等の世界的な動向を紹介し, 禁煙推進運動の重要性を強調した。また喫煙と並んで生活習慣病発症の最大の要因となっている肥満に関しても, その予防の重要性を強調するとともに, 若い女性の間では肥満と並んで極端な痩せがさまざまな健康障害をもたらしていること, 朝食を摂らない若年者が増えており, そのことが日常生活の質の低下をもたらしていること等を紹介した。
生活習慣病の予防は国民全体として取り組むべき課題であり, そのこともあってその運動に対して『健康日本21』という名前がつけられた。事実ほとんどすべての市町村で健康日本21地方計画が策定されており, 積極的に健康運動に取り組んだ結果, 一定の成果を挙げている市町村が増加している。2003年の『健康増進法』の制定をきっかけとして, 『健康日本21運動』がより広く国民一般に浸透し, その結果として国民の健康寿命が延びることを期待している。

著者関連情報
© 日本総合健診医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top