抄録
鉛フリーはんだとして使用されているSn–Ag–Cu系合金の凝固メカニズムを解明するために,Sn–3.5Ag–0.5Cu合金およびSn–3.5Ag–1.5Cu合金を用いて,凝固過程およびβ-Snの過冷度と組織の関係を検討した。実際の凝固では過冷が起こるため,平衡状態図の見積もりよりも低い温度でそれぞれの組織の核生成が起こった。また,凝固組織を観察すると,Pandatの平衡状態図による予測とは異なる組織がみられた。計算上は晶出することのないβ-Snが試料の約半分の体積を占める場合もあった。さらに,凝固の順番やそれぞれの組織の体積率は,見積もりとは異なる値を示した。